Trademark Appeal Case
エコ表現の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−21956(T2010−21956/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「ECO−STYLE」及び「エコ スタイル」の文字を二段に書してなり、第29類「乳製品,豆乳,カレー・シチュー又はスープのもと,ふりかけ」第30類「茶,コーヒー及びココア,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」第32類「清涼飲料,果実飲料,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成21年11月27日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は,「本願商標は、近年、地球温暖化の防止、省エネルギー等の環境に対する問題への取り組みにおいて、語頭に『エコ』を付した様々なキャンペーンが広く行われており、『エコスタイル』の語も、環境対策キャンペーンの一環として地方公共団体等が使用しているものである。このような事情に照らし見れば、これをその指定商品に使用しても、『環境に配慮した商品,環境に配慮したスタイルを取り入れて製造した商品』等であることを表す、顧客吸引、販売促進等のための宣伝語句の一つとして理解させにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、「(エコロジーの略)環境に配慮すること。」を意味する「ECO」と「すがた。風采。恰好。様式。型。」を意味する「STYLE」(いずれも広辞苑第六版)の文字とをハイフンを介し連結してなる「ECO−STYLE」文字と、該文字の表音と認められる「エコ スタイル」の文字からなるものである。
ところで、わが国の経済は、高度成長期以後、今日まで「大量生産・大量消費・大量廃棄」によって発展し、この経済システムによって生み出された廃棄物は増大の一途をたどり、廃棄物を埋め立てる最終処分場が足りなくなる事態も生じてきている中、政府は、一般の家庭でごみとなって排出される、商品の容器や包装に使われた廃棄物(びん、缶、お菓子の袋、ペットボトル、レジ袋など)をリサイクルする目的のもと、「容器包装リサイクル法」 (正式名称=容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)を制定し、家庭から一般廃棄物として排出される容器包装廃棄物のリサイクルシステムを構築する一方、容器包装廃棄物の3R(リデュース・リユース・リサイクル)を推進する活動も積極的に行われているところであり、これらの取り組みを通じて循環型社会を実現させるため、我が国においても国を挙げてこれを推進する取り組みがなされているところである。
こうした廃棄物のリサイクル対策やリユース等の推進に対する取り組みの中で、「エコスタイル」の文字が、食料廃棄物の削減や食器のリユースを目的として地方公共団体や市民団体などの取り組みやイベントなどにおいて,スローガン又はその一部として使用されている事実がある(下記ア)。
また、本願商標の指定商品に関連する飲食料品分野においても、飲食料品の持続可能な容器やリサイクル容器を使用することによる、地球環境に配慮した取り組みがなされており、これらの分野の企業などにより、「エコスタイル」の文字がスローガン又はその一部として使用されている事実がある(下記イ)。
ア 「地方公共団体などにおける「エコスタイル」の文字の使用例(下線は、当合議体によるものである)
(ア)2010年12月2日付け東京新聞朝刊千葉中央版の22頁
「県、協力店登録制度スタート 食べ残し減らしてエコに 産廃処理費など食店工夫で効果」の見出しのもと、「【千葉県】飲食店やホテルなどから出る食べ残しのごみを減らそうと、県は一日から『ちば食べきり
エコスタイル
』の協力店登録制度をスタートした。全国でも珍しい取り組みで、早くも登録したいという申請があるという。協力店に登録する要件は(1)食べ残しがなくなるよう小盛りやハーフサイズのメニューを設ける(2)残った料理の持ち帰りに対応する(3)宴会やパーティーの主催者や幹事に料理を食べきるよう呼びかける(4)啓発ポスターやチラシで情報提供する−などに協力できること。登録すれば、県のホームページで店を紹介する。食べ残しを減らす取り組みは、処理に費用がかかる産業廃棄物の生ごみが減るなど、飲食店側にもメリットがあるとみて、飲食店だけでなく、
食品の量り売りや少量パック
を扱うスーパーなどにも協力を求める。」の記載。
(イ)2010年10月15日付け西日本新聞朝刊の29頁
「福岡県/
エコスタイル
タウン2010 ほか/北九州ガイド」の見出しのもと、「◇イベント◇▼
エコスタイル
タウン2010 16日(土)、17日(日)午前11時−午後4時、小倉北区城内の北九州市役所周辺広場。環境活動に取り組む市民団体や企業など94団体が、展示や体験型のブースを設置。ステージでは歌手の加藤登紀子さんや、つじあやのさんなどによる音楽イベントを開催。飲食エリアでは、
食器のリユース
に取り組むほか、食事には生産地から食卓までの距離を表すフードマイレージを表示。使用済みの食用油や小型電子機器、携帯電話などの回収も。」の記載。
(ウ)2009年10月9日付け京都新聞朝刊の16頁
「第7回京都学生祭典 世代超え、歌い踊れ はじけるパワー」の見出しのもと、「京都の学生たちのパワーがはじける『第7回京都学生祭典』が10日に京都駅ビル(京都市下京区)、11日に平安神宮・岡崎周辺(左京区)で開かれる。今年のテーマは『笑顔ひろがる京都の祭 進化から深化へ』。全国から集まる学生はもちろん、子どもからお年寄りまで、すべての世代が笑顔になる祭を目指している。熱気あふれる『京炎そでふれ!全国おどりコンテスト』『京都スチューデント・ミュージック・アワード』のほか、笑顔をテーマにした『スマイル★ステーション』、
エコスタイル
を発信する「KYO−SENSE企画」、『げんきっずスタジアム2009』など多彩な企画がある。・・・・今年も『ごみは減らすが来場者の笑顔は減らさない祭』をモットーに
リユース食器
を使います。」の記載。
イ 飲食料品分野における「エコスタイル」の文字の使用例(下線は、当合議体によるものである)
(ア)2010年12月17日付け日本食糧新聞
「日本コカ・コーラ、渋谷に『エコカフェ』オープン」の見出しのもと、「日本コカ・コーラは6〜19日の期間限定で、東京・渋谷に『コカ・コーラエコカフェ@RESPEKT』をオープンした。『FIND YOUR
ECO STYLE
(自分の
エコスタイル
をみつけよう)』をコンセプトに、渋谷に集まる若年層にエコ情報を発信する。来店者にiPadを無料で貸し出し、同社が取り組んでいるエコ活動などを紹介している。店内では『コカ・コーラ』を使ったオリジナルドリンクも提供している。気軽にできるエコ活動やエコ活動の楽しさを伝えることで、エコ活動を身近に感じてもらうのが狙い。店内では同社が取り組む
持続可能な容器やPETボトルリサイクル素材を使用したTシャツ
といったエコ活動を展示している。 また、iPadを活用し、コンテンツでコカ・コーラのエコアクションの紹介、自分にあった
エコスタイル
を提案する
エコスタイル
診断、食分野やファッション、デザインの各業界で活躍するエコ活動家の情報などが閲覧できる。」の記載。
(イ)2007年7月25日付け日本食糧新聞
「日清食品、『カップヌードルリフィル』量販店にも販売」の見出しのもと、「日清食品(株)は、『楽しく食べて、
エコスタイル
』をコンセプトに、新しい食スタイル、食シーンを提案する
環境配慮型商品『カップヌードルリフィル(詰め替え用)
』および『カップヌードルシーフードリフィル』を3月26日から関東甲信越のCVS、百貨店、バラエティーストア、通信販売で発売したが、販売チャネルを拡大、8月6日から関東1都9県の量販店での販売を開始する。また今回の販売チャネル拡大に合わせて、同エリアでリフィル専用オリジナルカップ『マイヌードルカップ』(
プラスチック製リユースカップ
)と『カップヌードルリフィル』1食をセットにした『カップヌードルリフィルお試しパック』を新発売する。『カップヌードルリフィル』の特徴は、麺の大きさを従来の80%に圧縮し、コンパクトにして省資源に対応、合わせて省スペースを実現するとともに、ゴミは丸めてコンパクト化することができる。」の記載。
以上のことから、「ECO−STYLE」と「エコ スタイル」の文字とからなる本願商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する需要者は,全体として、当該商品が、例えば、その容器について、リサイクルやリユースできるものであること、あるいは少量パックであることなどのように「環境に配慮したスタイルを取り入れた商品」であることを謳ったスローガンを表したものと認識するにとどまるものとみるのが相当であり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものである。
したがって、本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、拒絶の理由において提示した「エコスタイル」の語の使用例は、本願商標の指定商品とは関連性のないものであり、また、請求人の「エコスタイル」の文字を含む商標が、同一区分、同一商品について登録されている他、「エコライフ」「エコドライブ」等の「エコ」の文字を含む商標が登録されているから、これらと同様に本願商標をその指定商品に使用しても、充分に自他商品識別標識としての機能を果たし得るものである旨主張する。
しかしながら、出願された商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かは、査定時又は審決時における当該商標についての需要者の認識や使用される商品又は役務の取引の実状などを考慮し、個別具体的に判断されるべきである。また、本願商標について前記(1)のとおり、その指定商品に関連する分野において、「エコスタイル」文字がスローガン又はその一部として使用されていることからすれば、現時点において、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとは認められないものである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定の拒絶の理由は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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