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結論

勝訴(請求認容)

商標「全自動洗浄サイクロン」の品質誤認と称呼の類否(第4条第1項第11号・第4条第1項第16号|審判不服2010−11218(T2010−11218/J1))

審判番号
不服2010−11218(T2010−11218/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「全自動洗浄サイクロン」
争点(論点)
品質誤認と称呼の類否
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第16号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2010−11218(T2010−11218/J1)・不服)は、本件商標「全自動洗浄サイクロン」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第16号への該当性が争われた事例です。主な争点は「品質誤認と称呼の類否」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「全自動洗浄サイクロン」の文字を標準文字で表してなり,第7類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成21年8月4日に登録出願され,その後,指定商品については,当審における平成23年8月4日付け手続補正書により,第7類「家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,以下の(1)及び(2)のとおり,認定,判断し,拒絶したものである。

(1)商標法第4条第1項第16号について

本願商標は「全自動洗浄サイクロン」の文字を標準文字で表示してなるものであるところ,このうち「全自動」の文字は「起動すれば,何段階かの作業のすべてを人手をかけず機械が行うこと」の意味を有し,「洗浄」の文字は「あらいきよめること(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意味を有する語であるから,「全自動洗浄」の文字からは「全自動で洗浄する」の意味合いが容易に認識されるものであり,本願指定商品の中には洗浄を行う商品があることからすれば,本願商標をその指定商品中,全自動で洗浄を行う商品以外の商品に使用した場合には,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本願商標は,以下の(ア)ないし(ウ)の,現に有効に存続する商標(以下まとめて「引用商標」という。)と,「サイクロン」の称呼及び「サイクロン(低気圧)」の観念を共通にすることのある類似の商標であり,かつ,同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(ア)登録第1876107号商標

「CYCLON」の文字を書してなり,昭和59年2月21日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同61年7月30日に設定登録され,その後,2回にわたり商標権の存続期間の更新がされ,さらに,指定商品については,平成19年1月17日,第7類及び第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。

(イ)登録第2541212号−1商標

「CYCLONE」の文字を書してなり,平成元年10月27日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同5年5月31日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新がされ,さらに,指定商品については,平成16年11月4日,第7類及び第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。

(ウ)登録第2541212号−2商標

「CYCLONE」の文字を書してなり,平成元年10月27日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同5年5月31日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新がされ,さらに,指定商品については,平成16年8月25日,第7類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第16号について

本願商標は,前記1のとおり,「全自動洗浄サイクロン」の文字を表してなるところ,このうち「全自動洗浄」の部分は,「全自動で洗浄する」程の意味合いを理解させるものであるが,前記1のとおり補正された本願商標の指定商品との関係においては,その指定商品の何らかの機能を暗示させるとしても,これが直ちに商品の品質などを直接的又は具体的に表示するものとして理解させるとは認め難い。

そうとすれば,「全自動洗浄」の文字を有する本願商標をその指定商品について使用しても,商品の品質について誤認を生ずるおそれはないというべきである。

してみれば,本願商標は,商標法第4条第1項第16号に該当するものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本願商標は,前記1のとおり,「全自動洗浄サイクロン」の文字を同書,同大,等間隔で,まとまりよく一体的に表しているものであり,当該構成文字全体から生ずる「ゼンジドーセンジョーサイクロン」の称呼も,格別には冗長というべきものではなく,無理なく一連に称呼し得る。

ところで,本願商標中の「全自動洗浄」の部分は,前記3(1)で述べたとおり,直接的又は具体的には,指定商品の品質などを表示するものではないが,「全自動で洗浄する」程の意味合いは理解され,指定商品の何らかの機能を暗示し得るものであるから,自他商品の識別標識としての機能は弱いといわざるを得ない。

さらに,本願商標中の「サイクロン」の部分も,「遠心分離機の1.流体を旋回させ,遠心力で異質分子を分離する.」とされる語(「コンサイスカタカナ語辞典 第4版」株式会社三省堂)を理解させるから,指定商品との関係においては,自他商品の識別標識としての機能を有しないか,有するとしてもその機能は極めて弱いものといわなければならない。

そうすると,本願商標は,自他商品の識別力が弱いか又はないものである文字部分同士(「全自動洗浄」と「サイクロン」)がまとまりよく一体的に構成されているといえるものであり,また,その称呼も一連に称呼し得るから,その構成中の「サイクロン」の文字部分のみが着目され記憶され,取引に資されるというよりは,「全自動洗浄サイクロン」の構成文字全体が,一体不可分のものとして取引に資されるというのが相当である。

してみれば,本願商標から「サイクロン」の文字部分のみを分離,抽出し,その上で,本願商標と引用商標は類似するものであるとし,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,妥当なものとはいえない。

(3)むすび

以上のとおりであるから,本願商標が商標法第4条第1項第16号及び同第11号に該当するとして,本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。

その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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