1 本願商標
本願商標は、「SAL」の欧文字を横書きしてなり、日本国を指定する第39類に属する国際登録において指定された役務を指定役務として、2009年(平成21年)5月29日に国際商標登録出願されたものである。
そして、指定役務については、原審における平成22年5月10日付け手続補正書により、第39類「Organisation and conducting of the transport of goods by water,in particular by sea.」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『SAL』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、第39類の指定役務との関係において、該文字は、『Surface Air Lifted 〔mail〕』の略称を想起させるものであり、単に役務の質、効果、用途を表示したにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「SAL」の文字を表してなるところ、該文字は、航空便と船便の両方を組み合わせて郵便物を送るサービスである「Surface Air Lifted Mail」(エコノミー航空便)の略称としても使用されているものといえる。
ところで、本願商標の指定役務は、第39類「Organisation and conducting of the transport of goods by water,in particular by sea.」であり、これは「船舶による輸送」に属する役務と認められ、郵便に属する役務の一形態と認められる「Surface Air Lifted Mail」(エコノミー航空便)とは役務の内容が異なるものである。
そうとすれば、本願商標は、本願指定役務との関係において、郵便事業で提供している郵便の一形態を表した上記の航空便を認識させるというより、むしろ、請求人の名称の略称又は単なる造語として認識されるとみるのが自然である。
してみれば、本願商標は、これをその指定役務について使用するときは、役務の質(内容)等を表示したものと認識されるものではなく、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであり、かつ、役務の質について誤認を生ずるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。