Trademark Appeal Case
複合語の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900390(T2010−900390/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5351057号商標(以下「本件商標」という。)は、「カフェロール」の文字を横書きしてなり、平成21年12月8日に登録出願、第30類「アイスクリーム」を指定商品として、同22年9月3日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、スポンジケーキ生地などで巻いたロールケーキ状でコーヒー味のアイスクリームを認識させる「カフェロール」を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、かかる商品に使用されると商品の品質表示にすぎず、自他商品識別標識としての機能を果たし得ない。
また、本件商標を前記に照応する商品以外の指定商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る甲第1号証ないし甲第23号証(枝番を含む。)によれば、以下の事実が認められる。
ア アイスクリームの分野において、カフェ風味のアイスクリームが市販されていること(甲第1号証の1ないし甲第4号証の3)、さらに、アイスクリームをスポンジケーキ生地などで巻いたロールケーキ状のアイスクリームについて、「アイスロールケーキ」等の名称で市販され、また、使用されている原材料により、例えば、「抹茶アイスロールケーキ」、「ストロベリーロールケーキ」、「米粉アイスロール」等の名称で市販されていること(甲第5号証の1ないし甲第9号証の2)。
イ 生菓子(ロールケーキ)の分野において、スポンジケーキ生地などにコーヒーを加味したもの又はスポンジケーキ生地に挟むクリームにコーヒーを加味したもの(コーヒー風味のロールケーキ)について、「カフェロール」、「カフェロールケーキ」の名称で市販されていること(甲第10号証の1ないし甲第17号証の5及び甲第23号証)
ウ 菓子パンの分野において、コーヒーシートを折り込んだスイートロール、パン生地にコーヒーを混ぜ込んで焼いたパン、パンの中にコーヒー風味のクリームが入ったパン等について、「カフェロール」の名称で市販されていること(甲第18号証ないし甲第22号証の2)。
(2)上記(1)で認定した事実によれば、生菓子(ケーキ類)や菓子パンの分野において、「ケーキ生地やパン生地等にコーヒーを加味し、ロール状にしたロールケーキや菓子パン」又は「コーヒーを加味したクリームをケーキ生地やパン生地で巻いたロールケーキや菓子パン」等について、「カフェロール」との名称をもって市販されている事実が認められる。
しかし、アイスクリームの分野において、本件商標の登録査定時(平成22年7月1日)に、「アイスクリームをコーヒー風味のスポンジケーキ生地などで巻いたロールケーキ状のアイスクリーム」又は「コーヒー風味のアイスクリームをスポンジケーキ生地などで巻いたロールケーキ状のアイスクリーム」について、「カフェロール」の名称で市販されていたという事実を明らかにする的確な証拠は存在しない。
したがって、申立人の提出した証拠によっては、本件商標の登録査定の時点において、「カフェロール」の語が、申立人のいうところの「スポンジケーキ生地などで巻いたロールケーキ状でコーヒー味のアイスクリーム」を認識させるものとして、取引上普通に使用されていたものと認めることができない。その他、本件商標が、その指定商品の品質等を表示するためのものとして、本件商標の登録査定時に、我が国において、取引上普通に使用されていたと認めるに足りる証拠は見いだせない。
以上によれば、本件商標が指定商品である「アイスクリーム」の品質等を具体的、かつ、直接的に表示する語でない以上、本件商標は、一体不可分の造語を表したものと認識されるとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、その指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもない商標といわなければならない。
なお、申立人は、本件商標が自他商品の識別機能を有しないとする主張の根拠の一つとして、「カフェ」又は「ロール」の文字を含む商標についてその登録出願が拒絶された事例(甲第24号証ないし甲第58号証)を挙げるが、本件商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、本件商標の構成態様及びその指定商品等に基づいて個別具体的に検討、判断されるものであるから、本件商標とは構成態様が異なる上記拒絶例に係る商標についての判断が、本件における判断を左右するものではない。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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