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Trademark Appeal Case

称呼類似と混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900401(T2010−900401/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5353870号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5353870号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成22年2月9日に登録出願,同22年8月5日に登録査定がなされ,第16類「蛍光ペンその他の文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙製包装用容器,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,印刷物,写真,写真立て」を指定商品として,同22年9月17日に設定登録されたものである。

2 本件登録異議申立ての理由

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第46号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)引用商標

申立人が引用する登録第875225号商標(以下「引用商標」という。)は,「スタンピー」の片仮名を横書きしてなり,昭和42年7月8日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同45年10月8日に設定登録,その後,同56年3月31日,平成2年11月26日,同12年10月3日及び同22年9月7日の4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,指定商品については,同13年2月7日に指定商品の書換登録があった結果,第7類「印刷用又は製本用の機械器具,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器」となったものである。

(2)申立ての理由

申立人は,昭和41年3月より自動押印機に「スタンピー」の商標を付して使用開始し,甲第3号証のとおり,カタカナのデザイン文字からなる「スタンピー」の商標,欧文字のデザイン文字からなる「STAmPEE」(以下,これらを「使用商標」という。)の商標等を継続して使用し,かつ,文房具業界においても申立人の自動押印機が使用されているところから,多くの業界において,申立人の引用商標は,広く知られている周知・著名な商標となっている。

したがって,本件商標の指定商品は引用商標が使用されている自動押印機の分野と異なるものの,「Stampy」,「スタンピー」の各文字及び「スタンピー」の称呼からなる本件商標が本件指定商品に使用された場合には,その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。

したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものである。

3 当審の判断

(1)本件商標は,別掲に示したとおり,青・黄・赤の色彩が施され,やや図案化された「Stampy」の欧文字と,その下段に赤色の「スタンピー」の片仮名を配した構成からなるものであるから,「スタンピー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものであり,その指定商品を第16類「蛍光ペンその他の文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙製包装用容器,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,印刷物,写真,写真立て」とするものである。

他方,引用商標は,「スタンピー」の片仮名からなるものであるから,「スタンピー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものであり,その指定商品を第7類「印刷用又は製本用の機械器具,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器」とするものである。

また,使用商標は,カタカナのデザイン文字からなる「スタンピー」及び欧文字のデザイン文字からなる「STAmPEE」であり,これらからは,「スタンピー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものであり,その使用商品は,「自動(高速)押印機」(ラベル,伝票,カード,検査票,ポリ袋,ビニール袋,はがき,小切手,証券等など,平面・立体を問わず,それらの表面に,文字,名称,商標名,数字,数量,日付,消印,期限,製造番号,デザインによる刻印など,押印が必要とされるあらゆる媒体に自動的に押印することができる機械)である。

そこで,本件商標と引用商標及び使用商標を比較すると,両商標は,観念上比較し得ないものであり,また,本件商標が片仮名と図案化された欧文字の二段からなるのに対し,引用商標及び使用商標が文字のみからなるものであるから,外観上相違するものであるが,両商標は,「スタンピー」の称呼を共通することにより,称呼上相紛れるおそれのある類似の商標ということができる。

しかし,外観上の相違や観念を考慮するとその類似の程度は高いものとはいえない。

(2)申立人提出の甲各号証によれば,以下の事実が認められる。

申立人は,大正13年(1924)に森幸電機製作所として設立,通信・電話機用部品の製作を主たる業務としていたところ,郵便業務に関係の深い機器の開発・研究に力を注ぐことになり,その結果,昭和7年(1932)に“森幸式”自動押印機の国産化に成功し,昭和41年3月に自動押印機に「スタンピー」の商標を付し,その商標の使用を開始した(甲第4号証)。

そして,自動押印機「スタンピー」は,標準型の「スタンピーM型」から,「スタンピーM3型」,「スタンピーE型」,「スタンピーMC型」と改良され,「スタンピーMC型」は,生産ラインにおいてベルトコンベアシステムにより,立体的製品及び半製品に必要な数字,文字などを明確に自動押印する機械装置であり,完製品・半製品等の立体物に水平打ち・垂直打ち・又は二つの同時打ちや文字別に縦又は横に並べることも可能であり,また,各型機械の併用により,上面・側面に2列打ち,3列打ちにて押印することも可能であるとされている(甲第6号証)。

また,その「スタンピーM・MC型」の納入先は,電々公社,都道府県庁,税務事務所,日本放送協会,日本住宅公団,公共団体,証券会社,百貨店,各商事会社などであり,医薬・医薬用外品・化粧品・農薬・動物薬・肥料・飼料・工業薬品などの化学関係会社,食料品・飲料・菓子・調味料・油脂・水産加工・農産加工・畜産加工・種苗・その他食品関係会社,製造工業メーカー,物産販売の観光関係会社,娯楽関係会社,マスプロ生産関係の会社とある(甲第6号証)。

さらに,申立人は,使用商標が表示された「押印機」を,社団法人日本包装技術協会が主催する「東京国際包装展」(TOKYO PACK/東京パック)に1974年から2010年まで,社団法人日本包装機械工業会(甲第39号証)が主催する「日本国際包装機械展(JAPAN PACK/ジャパンパック)」に1964年から2009年まで継続して出展している(甲第34号証ないし甲第41号証)。

そして,以上の事実及び甲第8号証ないし甲第33号証で示された商品カタログを見れば,甲第42号証(枝番号を含む。)の「ユーザーリスト」も不自然なところがなく,申立人の自動押印機がそのリストに掲載された企業に納入されていることがうかがわれる。

(3)以上の認定した事実によれば,引用商標及び使用商標は,申立人が自動(高速)押印機(卓上型,立体型,ボトル・缶容器用等様々な展開はあるが)について,永年継続して使用した結果,包装機械や印刷機器の製造業者等の業界においては,申立人の業務に係る商品を表すものとして,相当の著名性を確立してきたものといい得るところである。

(4)次に,「自動(高速)押印機」と本件商標の指定商品の関連性についてみると,「自動(高速)押印機」は,主として,商品の包装やパッケージに文字を押印するものであり,その用途を産業用とするもの,すなわち,産業用機械器具の範ちゅうに属するものである。

そして,その生産者は,印刷機械や包装機械の製造業者であり,販売方法としては,主としてカタログや展示会における商談を通じて販売されるものといえ,また,その需要者は,商品の製造メーカー等の各種企業であり,一般消費者は含まれない。

他方,本件商標の指定商品中の文房具は,主に文房具店で販売されるものであって,複雑な機構を有する機械器具は含まれず,その需要者は,主として学校関係者や一般消費者である。また,その他の指定商品についても同様に,複雑な機構を有する機械器具は含まれず,いわゆる日用品・雑貨品といえるものであって,主に雑貨店やスーパーで販売されるものであり,その需要者は,主として一般消費者である。

そうすると,「自動(高速)押印機」と本件商標の指定商品は,生産・販売部門,商品の品質・用途及び需要者の範囲等が相違するものであるから,両者の商品間の関連性は非常に低いものといえる。

(5)以上のとおり,引用商標及び使用商標は,印刷機械や包装機械の製造業者等の間において高い著名性を有するものであって,本件商標と類似するものといえる。しかし,両商標の類似の程度が高くないこと,両商標を使用する商品間の関連性が非常に低いことを考慮すると,本件商標をその指定商品について使用しても,これに接する需要者が申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかのごとく,商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(6)むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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