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Trademark Appeal Case

称呼類似と混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−685016(T2010−685016/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際登録第935915号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第9355915号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,2006年5月29日にイタリア国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2006年(平成18年)9月18日に国際商標登録出願,第9類,第16類,第25類,第28類,第30類,第32類及び第41類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成22年3月30日に登録査定,同年8月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,商標法第4条第1項第11号に該当する理由として引用する登録第5010968号商標(以下「引用商標」という。)は,「M MONSTER ENERGY」の文字を標準文字により表してなり,平成18年3月28日に登録出願,第32類「エネルギー補給用又はスポーツ用の炭酸入り又は炭酸抜きの清涼飲料」を指定商品として,同年12月15日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標の登録は取り消されるべきであるとして,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第37号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,「モンスターアラジー」の称呼を生じ,引用商標は,「エムモンスターエナジー」のほか「モンスターエナジー」の称呼を生じるものである。そして,「モンスターアラジー」と「モンスターエナジー」の称呼を比較すると,両称呼は,明瞭に発音され難い中間に位置する「アラ」と「エナ」の音が異なるのみで,需要者の注意を最も強く惹きつける語頭の「モンスター」の音と語尾の「ジー」の音において一致するから,音質及び語調語感が極めて近似することが明らかである。また,「モンスター」は,「怪獣,モンスター」を意味する外来語として親しまれているものであり,「モンスターアラジー」と「モンスターエナジー」の音は,互いに似通った観念,印象,イメージを需要者に連想させるから,本件商標と引用商標は,称呼において類似する商標である。

そして,本件商標の指定商品中の第32類の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であり,かつ,引用商標は,本件商標よりも先に登録出願されたものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は,その登録出願日前より,申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていた引用商標及び別掲2の構成からなる登録第5057229号商標・国際登録第1048069号商標(以下,これらを併せて「使用商標1」という。)並びに「MONSTER ENERGY」の文字からなる商標登録出願2010−54025の商標(以下「使用商標2」という。)と類似するものであり,申立人がこれらの商標を使用する商品と同一又は類似の商品に使用するものである。また,申立人は,前記の商標のほか「MONSTER」の文字を構成中に含む多数の登録商標を所有し,「MONSTER ENERGY」ブランドのシリーズ商品名として実際に使用している。

そうすると,本件商標がその指定商品中の第25類,第30類及び第32類の指定商品に使用された場合には,申立人の製造販売に係る「MONSTER ENERGY」ブランドの商品シリーズの一つと誤信され,あるいは,申立人と組織的又は経済的な関連を有する者の取り扱いに係る商品と誤信され,その出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,別掲1のとおり,「Monster」の文字と「Allergy」の文字をそれぞれの語頭の「M」と「A」を黒色にし(各文字には円又は扇形状等の数個の飾りが施されている。),その他の文字を籠文字風にして,同じ書体で上下二段に一体的に表してなるものであるところ,「Monster」が「怪物,怪獣」の意味を,「Allergy」が「アレルギー,異常過敏症」の意味を有する英語として,我が国において親しまれた語であること,また,その構成の一体性から,本件商標は,その構成全体から「モンスターアレルギー」の称呼を生ずるものであって,特定の観念を生じさせない造語を表したものとみるのが自然である。

一方,引用商標は,「M」,「MONSTER」及び「ENERGY」の各構成文字を一文字分の間隔をあけて,同じ書体・同じ大きさで一体的に表してなるものであるところ,「MONSTER」が「怪物,怪獣」の意味を,「ENERGY」が「活力,エネルギー」の意味を有する英語として,我が国において親しまれた語であること,また,その構成の一体性から,引用商標からは,その構成全体から「エムモンスターエネルギー」又は「エムモンスターエナジー」の称呼を生ずるものであって,特定の観念を生じさせない造語を表したものとみるのが自然である。

そこで,本件商標から生ずる「モンスターアレルギー」の称呼と引用商標から生ずる「エムモンスターエネルギー」及び「エムモンスターエナジー」の称呼を比較すると,両称呼は,語頭に「エム」の音の有無を有すること,中間に「アレ」と「エネ」又は,「アレルギ」と「エナジ」の差異を有することから,その構成音数の差,相違する各音の音質の差,音構成の差等により明瞭に聴別し得るものである。

そして,本件商標と引用商標の外観を比較すると,一部に他の文字と色を変え,かつ,装飾が施された文字を含み,全体として特徴ある書体で二段に表された本件商標と標準文字で表された引用商標とは,看る者に著しく異なる印象を与えるものであり,外観上明らかに相違するものである。また,本件商標と引用商標は,いずれも特定の観念を生ずるものではないから,観念上比較することができない。

そうすると,本件商標と引用商標は,その外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であり,その相違の程度は相当高いものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は,本件商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていた引用商標,使用商標1及び使用商標2と類似するものである旨主張するが,前記(1)のとおり,本件商標は,引用商標と非類似の商標であり,その相違の程度の高いものである。

次に,本件商標と使用商標2を比較すると,「MONSTER ENERGY」の文字からなる使用商標2は,その構成文字に相応し「モンスターエネルギー」及び「モンスターエナジー」を生じ,特定の観念を生じないものであるところ,両者の称呼は,中間に「アレ」と「エネ」又は「アレルギ」と「エナジ」の差異を有することから,相違する各音の音質の差,音構成の差等により明瞭に聴別し得るものである。そして,特徴ある書体で二段に表された本件商標と標準文字で表された使用商標2とは,外観上明らかに相違するものであり,また,観念上比較することができないものであるから,両商標は,その外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であり,その相違の程度は相当高いものである。

さらに,本件商標と使用商標1を比較すると,使用商標1は,使用商標2と同様にその構成中の「MONSTER ENERGY」と思しき文字部分との対比において,本件商標とは十分に区別し得る非類似の商標である上に,図形を有することから,その相違の程度はさらに高いものである。

そうすると,本件商標は,引用商標,使用商標1及び使用商標2と相紛れるおそれのない非類似の商標であって,かつ,相違の程度の高い全く別異の商標というべきものである。

また,引用商標,使用商標1及び使用商標2の日本における使用状況をみると,申立人の提出した証拠によれば,これらの商標がオートバイのレーシングチームで使用するオートバイの車体や選手のユニフォーム等に表示されていることは確認できるものの(甲第26号証等),申立人が製造販売していると主張する「エネルギー・スポーツ飲料」については,「ハワイ直輸入のモンスターエナジードリンク(MonsterEnergyDrink)を通信販売。日本未発売レアアイテム。」(甲第28号証)と記載され,日本において発売されている事実を確認することもできない。

そうすると,引用商標,使用商標1及び使用商標2が申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたと認めることもできない。

してみれば,商標権者が本件商標をその指定商品中の第25類,第30類及び第32類に属する指定商品に使用しても,その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく,その商品の出所について混同を生じさせるおそれはない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものとする。

よって,結論のとおり決定する。

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