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Trademark Appeal Case

母音違いの称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−7630(T2010−7630/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は,「STELLA」の欧文字を横書きにしてなり,第3類「香水類,化粧品」を指定商品として,平成20年11月13日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願商標は,『スティラ』の片仮名を横書きにしてなる登録第2434854号商標(以下『引用商標1』という。),『STILA』の欧文字を横書きにしてなる登録第4002704号商標(以下「引用商標2」という。),別掲1に示すとおりの構成からなる登録第4708842号商標(以下『引用商標3』という。),別掲2に示すとおりの構成からなる登録第4923228号商標(以下『引用商標4』という。)及び別掲3に示すとおりの構成からなる登録第4926489号商標(以下『引用商標5』という。また,引用商標1ないし5をまとめていうときには,以下「引用商標」という。)と称呼において類似の商標であって,同一又は類似の商品について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 本願商標と引用商標の類否について

(1)本願商標は,「STELLA」の欧文字からなるものであるから,その構成文字に相応し,「ステラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものとみるのが自然である。

他方,引用商標1は,「スティラ」の片仮名からなるものであるから,その構成文字に相応し,「スティラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものとみるのが自然である。

そこで,本願商標から生ずる「ステラ」の称呼と引用商標1から生ずる「スティラ」の称呼とを比較すると,両称呼は,ともに3音構成からなり,語頭の「ス」と語尾の「ラ」の音を共通にし,中間音において「テ」と「ティ」の音の差異を有するものであるところ,差異音である「テ」と「ティ」は,いずれも無声子音「t」に,「テ」は「e」の,「ティ」は「i」のそれぞれ母音を結合した音であり,その母音「e」と「i」は,調音方法が近い音であり,また,称呼上比較的聴取し難い中間に位置することから,本願商標と引用商標1は,それぞれを一連に称呼するときは,全体の語感が近似したものとなり,聴き誤るおそれがある称呼上類似するものといえる。

また,本願商標と引用商標1は,欧文字と片仮名の構成からなるものであるから,外観上明らかに相違するものであり,観念上は,互いに特定の観念を生じないものであるから,比較し得ないものである。

(2)引用商標2は,「STILA」の欧文字からなるものであるから,その構成文字に相応し,「スティラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものとみるのが自然である。

そうすると,引用商標2は,前記(1)と同様に,「ステラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じない本願商標と称呼上類似するものであって,観念上は比較し得ないものである。また,両商標は,互いに欧文字からなるものであるが,構成中の「EL」と「I」の文字の相違から,外観上相違するものである。

(3)引用商標3ないし5は,それぞれ,別掲1ないし3に示すとおり,図形と「stila」の欧文字からなるところ,これらの図形と「stila」の文字は,視覚上分離して看取され,また,一体のものとしての意味合いを認識させるものでもないから,それぞれが分離して看取され得るものであり,かつ,「stila」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるから,引用商標3ないし5は,その「stila」の文字部分に相応した「スティラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものとみるのが自然である。

そうすると,引用商標3ないし5は,前記(1)と同様に,「ステラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じない本願商標と称呼上類似するものであって,観念上は比較し得ないものである。また,両商標は,図形の有無から,外観上明らかに相違するものである。

(4)以上のとおり,本願商標と引用商標は,いずれも,その称呼において類似するものであって,相紛れるおそれのあるものといえるが,3音という短い音構成からなること,外観上相違すること,観念において比較し得ないことをも総合的に考察すると,その類似の程度は,高いものとはいえない。

2 取引の実情について

本願商標と引用商標の間において同一又は類似する商品である「香水類,化粧品」については,商品の性質及び需要者の商品に対する意識などからみて,これらを自己実現の手段の一つと捉える需要者が多いため,その取引に当たり,商品の出所についても強い関心が持たれる場合が多く,需要者が当該商品に係る商標につき注意を払い,称呼についても正確に識別した上で,これに接するものといえる。

加えて,請求人が提出した証拠によれば,本願商標「STELLA」が実際にその指定商品「香水類,化粧品」に使用されていること,また,当該「STELLA」が使用された「香水」などの商品がステラ・マッカートニー氏のデザインによるものとして,需要者の間にある程度認識されていることが認められる(甲第17号証及び甲第18号証,甲第33号証等,甲第37号証,甲第39号証,甲第41号証等)。

さらに,引用商標に類似する「stila」,「スティラ」もまた,実際にその指定商品「香水類,化粧品」に使用され(甲第131号証),かつ,本願商標「STELLA」が表示された化粧品と「stila」の商標が表示された化粧品が女性誌の化粧品を紹介する記事において同頁に掲載されていることが認められ(甲第98号証),本願商標と引用商標とが,香水類,化粧品の分野において,棲み分けをされていることが見受けられる。

3 商標法第4条第1項第11号の該当性について

前記1及び2のとおり,本願商標と引用商標は,称呼において類似するものであって,相紛らわしいものといえるが,その類似の程度は高いものとはいえず,加えて,「香水類,化粧品」における需要者の注意力の程度,本願商標と引用商標とが棲み分けされていることなどの取引の実情をも総合考慮すると,本願商標は,これをその指定商品に使用しても,引用商標とは出所の混同を生じない類似しない商標とみるのが相当である。

したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

第4 むすび

以上のとおり,本願商標と引用商標が称呼において類似する商標であるから,本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,妥当ではなく取消しを免れない。

その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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