Trademark Appeal Case
素肌の記述的商標性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−19540(T2010−19540/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「素肌」と「SUHADA」の文字を二段に書してなり、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、平成21年7月9日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『おしろい等をつけていない肌』の意味を有する『素肌』の文字とそのローマ文字表記の『SUHADA』の文字を普通に用いられる方法により二段に書してなるところ、本願の指定商品には、おしろいなどのメークを落とすためのせっけん類や、素肌に用いる、あるいは素肌のように見せる化粧品が含まれており、これらに「素肌ソープ」「素肌化粧」「素肌化粧品」「素肌化粧水」のように使用されていることからすれば、本願商標をその指定商品中、メーク落とし用せっけん類や、素肌用化粧品に使用したときは、単に商品の品質、用途を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「素肌」の文字とそのローマ字表記である「SUHADA」の文字を二段に書してなるところ、「素肌」の語は、「衣服、特に、下着や、おしろい等をつけていないはだ。」(広辞苑)の意味を有するものであり、本願の指定商品である化粧品等との関係においては、構成全体として、「化粧をしていない肌」程の意味合いを想起させるものである。
そして、本願の指定商品の一つである化粧品は、化粧(顔などをよそおい飾ること)に用いる商品であり、せっけん類も肌を清潔にするために用いる商品であるところ、これらの本願指定商品との関係において、素肌(肌)の語は、上記意味合いの語として日常的に使用されているものである。
特に、ファンデーションやBBクリームなどの化粧下の商品は、素肌らしい、または素肌を美しく見せることを商品の特長として強調し宣伝、広告されている(別掲1参照)。また、素肌に潤いを保ち、肌荒れを防ぐためのクリームやローション(化粧水)は、素肌の美しさを保持促進するものであることを商品の特長として強調し宣伝、広告され(別掲2参照)、さらに、「素肌クリーム」、「素肌ローション」のように使用されている(別掲3参照)。シャンプーや化粧石けんについても、素肌に負担をかけない商品であることを商品の特長として強調し宣伝、広告され(別掲4参照)、「素肌ソープ」、「素肌せっけん」のように使用されている(別掲5参照)。
そうとすると、本願商標は、これを例えば、上記ファンデーション等の商品に使用するときは、「(美しい)素肌のようにする商品」であることを容易に理解、認識させるものであり、上記、クリーム等の商品に使用するときは、「素肌に効果的な商品」であることを容易に理解、認識させものであり、上記せっけん等の商品に使用するときは、「素肌に負担をかけない商品」であることを容易に理解、認識させるというべきであり、本願商標は、その指定商品に使用しても単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3項に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、せっけん類や化粧品の品質・用途と「素肌」とは全く異質のものであり、原査定が「素肌ソープ」や「素肌化粧」といった「素肌」の語の使用例を根拠に、「素肌」の語がせっけん類や化粧品の品質・用途を表示するものとして普通に用いられているとするのは適切ではなく、さらに、原査定は、本願商標をメーク落とし用せっけん類や、素肌用化粧品に使用したときは単に商品の品質・用途を表示したに過ぎないと認定しているが、メーク落とし用せっけん類に使用したときに一体どのようなメーク落とし用せっけん類の品質・用途を表示するというのか全く不明であり、またそもそも素肌用化粧品がどのようなものを意味するのかも極めて曖昧であるから、本願商標はその指定商品「せっけん類」および「化粧品」の品質・用途を普通に用いられる方法で表示するものではなく、当然ながら商品の品質について誤認を生じさせるおそれもない。「素肌」の語は他の語と結合したときに商品の具体的な品質・用途を表す場合があるとしても、「素肌」のみでは直ちに商品の具体的な品質・用途を表すとは言えず、「素肌」及び/又は「SUHADA」の文字のみで使用された場合には、せっけん類や化粧品の商品名として十分な自他商品識別力を発揮する旨、主張している。
しかしながら、本願の指定商品には「素肌」に使用するための商品(化粧せっけん、シャンプー、化粧品等)が多く含まれていることから、それらの商品との関係において、「素肌」の語の自他商品の識別標識としての機能は強いものとはいえないところ、加えて、前記実情よりすれば、これらの商品について、「素肌」の語が使用された場合には、これに接する取引者、需要者は、「素肌のように見せるため」、「素肌の健康(美容)に効果がある」、「素肌にやさしい」という商品の品質等を容易に認識するというべきであるから、本願商標は、指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当であり、当該主張は採用できない。
イ 請求人は、過去の審決例(登録例)を挙げ、本願商標も登録されるべき旨、主張している。
しかしながら、商標が識別力を有するか否かの判断は、査定時又は審決時において、取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準として、商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ、請求人が証拠として提出した審決例(甲第2号証及び甲第3号証)の商標はいずれも本願商標とは構成を異にするものであり、かつ、本件の審決時に職権により調査した取引の実情は別掲のとおりであるから、本件については上述のとおり判断するのが相当であり、当該主張は採用できない。
(3)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3項に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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