Trademark Appeal Case
称呼類似性:中間音の近似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−25944(T2010−25944/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Miracos」の文字を標準文字で表してなり、第3類「化粧品」を指定商品として、平成21年9月3日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして引用した登録第2117221号商標(以下「引用商標」という。)は、「ミロコス」の片仮名文字を表してなり、昭和61年9月4日に登録出願、第4類「化粧品、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録、その後、平成10年10月13日及び平成21年1月13日の2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同年4月22日に、第3類「せっけん類(薬剤に属するものを除く),歯みがき,化粧品(薬剤に属するものを除く),香料類」とする指定商品の書換登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、「Miracos」の欧文字からなるところ、その構成文字に相応して「ミラコス」の称呼を生じ、特定の観念を生じさせないものである。
他方、引用商標は、「ミロコス」の片仮名文字からなるところ、これより「ミロコス」の称呼を生じ、特定の観念を生じさせないものである。
そこで、本願商標から生ずる「ミラコス」の称呼と引用商標から生ずる「ミロコス」の称呼を比較すると、これらは共に4音からなり、称呼における識別上重要な要素を占める冒頭の「ミ」の音及び「コ」「ス」の3音を共通にし、第2音目の「ラ」と「ロ」の音に差異を有するのみである。
そして、相違する「ラ」と「ロ」の音は、明瞭に聴取し難い中間に位置するばかりでなく、子音の「r」を共通にする同行音であり、その母音「a」と「o」も発音方法において近似する音であることから、「ミラコス」、「ミロコス」の両称呼をそれぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感が近似し、互いに紛らわしいものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観において異なり、観念において比較できないとしても、称呼において類似する商標と認められ、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中に包含されるものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標及び引用商標の指定商品である「化粧品」は、需要者の身体に直接触れ、需要者の嗜好によって選択されるものであり、かつ、需要者の体質との相性も重要視されていることから、実際の取引において、需要者は、その商標について注意深く観察して商品を選択するものであり、また、近年、FAXやインターネットの普及に伴い、音声ではなく、確認等が行える文字での取引が多用されている取引の実情を鑑みれば、需要者は、外観の相違によって商品を明確に識別していることから、本願商標と引用商標を、需要者が別個の商標として区別することが可能である旨、述べている。 しかしながら、請求人はこれを裏付ける何らの証左も提出していない。
そして、仮に、本願の指定商品が外観の相違によって商品を識別していることがあるとしても、両商標は、外観において特段に強い印象を与えるものではなく、観念においても特定の意味を有し明らかに異なる印象を与えるものではない。
また、その指定商品を取り扱う分野において、電話等の口頭による商取引が行われていないなど、商標の称呼よりもむしろ外観や観念を重視して取引される特殊事情がある等の、特殊な取引の実情があるものとも認められないから、本願商標と引用商標の外観又は観念上の差異が、称呼の類似性を凌駕するほどのものとはいえない。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、これらの事例は、構成文字の組み合わせが異なるものであり、本願とは事案を異にするものであるから、請求人のかかる主張も採用することはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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