sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−28476(T2010−28476/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第16類「印刷物」を指定商品として、平成22年4月12日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、拒絶の理由に引用した登録第4854774号商標(以下「引用商標」という。)は、「メッセージF」の文字を書してなり、平成16年6月15日登録出願、第9類「携帯用通信機械器具,携帯電話用ストラップ,カーナビゲーション装置及びその部品,その他の電気通信機械器具,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラムに関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD−ROM等の記録媒体,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラム等の技術に関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD−ROM等の記録媒体,ダウンロード可能な電子出版物,ダウンロード可能な画像(動画・静止画を含む)」、第16類「携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラムに関する印刷物,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラム等の技術に関する印刷物,その他の印刷物」及び第38類「移動体電話による通信,無線呼出し,移動体電話・電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供,無線LANによる通信ネットワークへの接続の提供,移動体電話・電子計算機端末による無線LANへの接続の提供,電子メールその他の電子計算機端末による通信,電子掲示板通信,付加価値通信網による通信,電子計算機によるメッセージ・音声・画像・データの伝送交換,その他の電気通信(放送を除く。),電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与,インターネットによる映像及びそれに伴う音声その他の音響を送る放送,インターネットによる音声その他の音響を送る放送」を指定商品及び指定役務として、同17年4月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標との類否について

本願商標は、別掲のとおり、「MESsAGE」の欧文字を書してなるところ、その構成中4文字目の「s」が小文字であり、いずれの文字もやや斜体にデザインされているとしても、いまだ普通に用いられる程度の域を脱し得ない態様で表されているものであって、「メッセージ」と称呼され、「伝言、言づて、口上、挨拶」等の意味で我が国において広く親しまれた英語「message」の欧文字からなるものと容易に看取されるものである。

そうすると、本願商標は、その構成に相応して「メッセージ」の称呼及び「伝言、言づて、口上、挨拶」等の観念を生ずるものというのが相当である。

これに対し、引用商標は、前記2のとおり、「メッセージF」の文字を書してなるところ、その構成中「F」の欧文字は、商品の規格、品番を表すための記号、符号として商取引上、類型的に使用される欧文字一文字の一つであって、それ自体で自他商品の識別標識としての機能を果たすものではない。他方、引用商標構成中の「メッセージ」の文字部分は、それ自体で自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすものである。そうとすると、当該「F」の欧文字と「メッセージ」の文字部分とは、取引者、需要者に与える印象、記憶において顕著な差異を有するものというべきである。

そして、当該「メッセージ」の文字部分と「F」の欧文字とは、字種を異にするものであるから、視覚上も「メッセージ」と「F」の文字部分は分離して看取されるものである。

また、当該「メッセージ」の文字部分と「F」の欧文字とを常に一体不可分のものとしてのみ観察しなければならない格別の事情は認められない。

そうとすると、簡易、迅速をたっとぶ取引の実際において、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中前部に位置し、自他商品の識別標識として強く印象づけられる「メッセージ」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼、観念をもって取引に資する場合も決して少なくないものというのが相当である。

してみれば、本願商標は、その構成文字全体から「メッセージエフ」の称呼を生ずるほか、「メッセージ」の文字部分より「メッセージ」の称呼及び「伝言、言づて、口上、挨拶」等の観念をも生ずるものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有するとしても、「メッセージ」の称呼及び「伝言」等の観念を共通にする互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。

以上からすれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、引用商標構成中の「メッセージ」の文字は、「伝言、メッセージ」等を意味する英語「MESSAGE」に由来する外来語として、我が国において極めてよく知られ、日常的に使用されているありふれた語といえ、当該語は、雑誌や書籍の題号として使用されているばかりでなく(第6号証の1及び第6号証の2)、携帯電話機や電話機などの電気通信機械器具や電子計算機に関連する分野において一般的に使用されている実情にある(第7号証の1ないし第7号証の5)とし、当該「メッセージ」の文字は、自他商品の識別力が弱い旨主張する。

しかしながら、引用商標の構成中の「メッセージ」の文字が題号に使用された雑誌、書籍が存するとしても、直ちに当該文字が「印刷物」についての自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないと断定することにはならない。また、本願の指定商品と抵触する引用商標に係る指定商品には、第16類「その他の印刷物」も存するところ、当該指定商品の内容となりうる分野は多岐にわたるものであって、請求人の主張する「携帯電話機や電話機などの電気通信機械器具や電子計算機に関連する分野」に限られるものではないから、請求人の主張する「一般的に使用されている実情」が、「印刷物」一般に当てはまるものではない。

そうすると、請求人の主張は、その前提を欠くものである。

イ 請求人は、引用商標に係る「メッセージF」からなる文字は、引用商標の権利者に係る業務である携帯電話向けメッセージ配信サービス、プッシュ型情報配信サービスについて使用する商標として広く知られているから、引用商標は、全体として常に一体的に把握されるとみるのが相当であって、引用商標構成中の「メッセージ」の文字部分に相応して生ずる「メッセージ」の称呼をもって取引に資されるとみるのは、取引の経験則に照らして必ずしも妥当でない旨主張する。

しかしながら、本願の指定商品と抵触する引用商標に係る指定商品には、第16類「その他の印刷物」も存するところ、請求人の提出する証拠によっても、引用商標が当該指定商品についての周知著名性を有する商標ということはできない。

そうすると、請求人の主張は、その前提を欠くものである。

ウ 請求人は、本件に関連するものとして審決例及び審査例を提示し、その主張を裏付けようとする。

しかしながら、それらの事例は、いずれも本件の審理に係る商標とは、構成を異にする商標の事例であるか、あるいは、本件の争点となる商品「印刷物」とは別の商品に係る事例であって、本件に適切なものということはできない。

さらに、商標の類否は、対比する商標の具体的な構成とその指定商品(役務)との関係から、個別かつ具体的に判断がなされるべきものであって、他の審決などの事例により本件の判断が左右されるものではない。

なお、前記の審決の事例の提示に関し、請求人は、引用商標に係る第9類及び第16類の指定商品と、請求人提示の審決において識別力の有無が判断された役務とは分類が異なるものであるが、両者は共に、「電子計算機やインターネットに関連する」商品・役務であるといえるとの主張をする。

しかしながら、本件の争点となる商品「印刷物」が、電子計算機あるいはインターネットに関連する印刷物に限られるわけではないから、請求人提示の審決の事例により、その主張が裏付けられるということはできない。

また、請求人は、前記アないしウの他にも縷々述べるところがあるが、本件の審理に影響を与えるものではない。

したがって、前記の請求人の主張は、いずれも採用することはできない。

(3)まとめ

以上からすれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。