Trademark Appeal Case
略語の記述性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−2528(T2011−2528/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「FFP」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤」、第10類「医療用機械器具」、第35類「薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,医薬品の販売に関する情報の提供」、第40類「受託による医薬品の製造」及び第42類「医薬品の試験・検査又は研究・開発」の商品及び役務を指定商品び指定役務として、平成22年4月30日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『新鮮凍結血しょう』を意味する英語『fresh frozen plasma』の略語である『FFP』の文字を標準文字で表してなるから、これを本願指定商品中『薬剤』に使用するときは、その商品の品質を表示したにすぎず、また、指定役務のうち『新鮮凍結血しょう』に関する役務について使用するときは、その役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表してなるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の『薬剤,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,医薬品の販売に関する情報の提供,受託による医薬品の製造,医薬品の試験・検査又は研究・開発』に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「FFP」の文字からなるものであるところ、当該文字は、その指定商品及び指定役務中の「薬剤」及び「医薬品」に関連する商品及び役務との関係において、「新鮮凍結血漿」を意味する英語「fresh frozen plasma」の略語(「看護師のための看護・医学 略語・用語辞典」、2009年3月25日「株式会社秀和システム」発行)と認められるものである。
そして、「新鮮凍結血漿」は、輸血の際に投与される血漿製剤(「南山堂 医学大辞典」、2006年5月10日「株式会社南山堂」発行)であり、実際に、医療関係の業界において、「FFP」の文字が「新鮮凍結血漿」(fresh frozen plasma)を意味するものとして、広く一般に使用されていることは、別掲に示す新聞記事情報からもうかがい知ることができるものである。
してみれば、「FFP」の文字からなる本願商標は、これを、その指定商品中「薬剤」の範疇に含まれる「血漿製剤」に使用しても、単に商品の品質を表示してなるにすぎないものであり、また、その指定役務中「新鮮凍結血漿(薬剤及び医薬品)に関連する役務」に使用しても、その役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表してなるにすぎないものというべきであって、かつ、前記商品及び役務以外の「薬剤」及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
なお、請求人は、「『FFP』の文字は、各種業界において、種々の意味合いを示す英文字表記(一部片仮名文字表記)の略称を示すものとして広く使用されいるから、如何なるものの略称(略語)であるかを特定することができない。さらに、『血しょう(血漿)』の英語表記は、各種意味合いが理解されるところの『plasma』ではなく、『商品・役務名リスト(IPDL)』でも示すとおり、『blood plasma』である。そうとすると、『FFP』の文字は、『Fresh frozen plasma』の略称とみるより、むしろ、特定の文字の略称または特定の意味合いを理解することのできない一種の造語を表していると見るのが自然である」旨主張する。
確かに、「FFP」の文字は、各種業界において、種々の意味合いを示す英文字表記と認められるものである。
しかしながら、本願商標「FFP」の文字が、種々の意味合いを示す英文字表記であるとしても、その種々の意味合いのうち、どの意味合いを生ずるかは、その指定商品、指定役務との関係において、決せられるものであるところ、上記したとおり、「FFP」の文字は、その指定商品及び指定役務中の「薬剤」及び「医薬品」に関連する商品及び役務との関係においては、「新鮮凍結血漿」を意味するものであって、特定の文字の略称または特定の意味合いを理解することのできない一種の造語を表しているとはいえない。
そうとすると、かかる請求人の主張は、採用することができない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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