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Trademark Appeal Case

EcoDiscの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−5979(T2009−5979/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、後掲のとおりの構成からなり、第9類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成19年5月21日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同22年10月8日付け提出の手続補正書により、第9類「読み出し専用の音声・画像・映像・文字情報を記録させたDVD,読み出し専用のコンピュータ用プログラムを記録させたDVD」に補正されたものである。

なお、原審における平成20年5月19日付け提出の手続補正書については、同22年5月31日をもって、願書に記載した指定商品の要旨変更を理由とする補正却下の決定がなされたものであり、当該決定は既に確定している。

第2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、ありふれた輪郭内に『EcoDisc』の文字を上段に大きく表し、下段に小さく『DVD ROM』の文字を書してなるが、その構成中『Eco』の文字は、近年、環境破壊の問題が極めて一般的にかつ、強く語られるようになったことから、リサイクルや省電力化等の自然環境に考慮した『エコロジー商品』の略称として広く一般に使用されており、また、『Disc』の文字は、『コンピュータの外部(補助)記憶装置の一つ』を、『DVD ROM』の文字は、『読み取り専用の記憶媒体の一つ』をそれぞれ意味し、その指定商品との関係からは、『DVD−ROM対応の商品』であることを容易に認識し得るものである。また、本願指定商品を取り扱う業界においては、新聞記事及びインターネットに記載された情報によると、省電力化や有害化学物質の不使用など、実際にも、自然環境に考慮した商品が取引されている事実が認められるところである。そうとすれば、これをその指定商品に使用しても、全体として『自然環境を考慮したDVD−ROM対応の商品』の意味合いを理解させるに止まり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成22年10月18日付けで証拠調べの結果を通知した。

第4 請求人は、別掲の証拠調べ通知に対して、意見を要旨以下のように述べている。

(1)本願商標の構成中「Eco」の文字が「Ecology」の略として環境に配慮すること、経済効率だけでなく地球環境を守る、地球環境に優しい等の意味で他の語に冠して普通に使用されている、とされているが、「Ecology」は狭義には生態学を意味し、現代用語としては環境問題に関する社会的政治的運動と解釈・認識されてはいるものの、日常的にはエコロジーとエコノミーどちらを意味するのか曖昧な言葉でもある。

また、「Eco」から派生する上記意味合いは商品の品質を表示するものとして具体性に欠け、その判断基準は主観的なものであるから、商標としての自他識別力の有無を考察する際参考にはならず、ましてや環境に配慮しない商品への使用は品質誤認云々との結論に至っては理解し難いものである。

(2)本願商標を使用するDVD ROMの品質について検討するに、証拠調べ通知では、ディスクの材質として、温室効果ガス増加の抑制に寄与する等のホームページの記載事実を挙げているが、環境問題が騒がれている今日、数多くの対応商品の一つとして、取り立てて問題にすべき品質とは思われず、記録媒体として購入する際の品質とは直接関連はない。

したがって、本願商標を付した商品を購入・使用にあって問題となる品質は、その容量、処理能力、耐久性等であって環境問題とは直接関係がない。

(3)本願商標は単純な文字商標ではなく、四つの角を丸く描いた長方形の図形の中に「EcoDisc」と「DVD ROM」の欧文字を配置よく上下2段に表記されたラベルマークで、このような構成においては組み合わせに特異性があり、各文字を抽出して考察することによって、敢えて環境問題にリンクさせなければならない特段の理由はないことから、本願商標は商品の品質とは無関係と認識される一体不可分の造語であり、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすと考える。

第5 当審の判断

本願商標は、後掲のとおり、角の取れたありふれた横長矩形の輪郭内、上段に顕著に「EcoDisc」の欧文字と下段に小さく「DVD ROM」の欧文字を併記してなるところ、「Eco」の文字(語)は、「(エコロジーの略)環境に配慮した」の意味を有する接頭語であり、「Disc」の文字(語)は、「円盤、円板、また、コンパクト‐ディスク、フロッピー‐ディスク・ハード‐ディスクなどの略。」を指称する語であって、併記された「DVD ROM」とあいまって、全体として「環境に配慮したDVD」の意を容易に認識させるものである。また、「DVD ROM」の文字(語)は、「(digital versatile disc read only memory)再生専用のDVD」を指称する語と認められる。

そして、別掲の証拠調べ通知に示したとおり、本願の指定商品の記録媒体である「DVD」を取り扱う分野において、トウモロコシのでんぷんから合成されたポリ乳酸を使用したもの、紙素材のペーパーディスクを使用したもの、原料中に有害化学物質を使用していないもの、従来よりポリカーボネートの使用量を50%に減少させたもの、リサイクルにより製造されたものなど、環境に配慮したDVDが多数取引されている実情にあることが認められる。

そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「環境に配慮した再生専用のDVD」程の意を表したものと認識し、単に商品の品質を表示する語として理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。

また、本願商標は、これを前記意に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

なお、請求人は、「本願商標は単純な文字商標ではなく、四つの角を丸く描いた長方形の図形の中に『EcoDisc』と『DVD ROM』の欧文字を配置よく上下2段に表記されたラベルマークで、組み合わせに特異性があり、各文字を抽出して考察しなければならない特段の理由はない。本願商標を付した商品を購入・使用にあって問題となる品質は、その容量、処理能力、耐久性等であって環境問題とは直接関係がない。したがって、本願商標は商品の品質とは無関係と認識される一体不可分の造語であり、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たす。」旨主張している。

しかしながら、本願商標は、前記認定のとおり、ありふれた輪郭内に、その指定商品の記録媒体と認識される「EcoDisc」及び「DVD ROM」の文字を表示してなるから、自他商品の識別力を有さないものと認められる。また、本願の指定商品の記録媒体であるDVDには、前記のとおり環境に配慮したものが多数取引されているから、本願商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者をして商品の品質を表示するものと認識されると判断するのが相当である。したがって、請求人の上記主張は採用できない。

また、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨述べているが、請求人が主張する過去の登録例に係る商標は、本願商標とは、その構成態様や指定商品等が相違するものであって、本願とは事案を異にするものであり、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの登録例に前記認定が左右されるものではない。

さらに、請求人は、外国において商標登録されていることを理由に挙げているが、これを本願商標に当てはめることは妥当でないから、請求人の主張は採用の限りでない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

後掲

(本願商標)

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