Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−273(T2010−273/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「のりかえ便利マップ」の文字を標準文字で表してなり、第16類「鉄道の乗り換え・出口情報が記載された印刷物その他の印刷物,鉄道の乗り換え・出口情報が記載された書籍その他の書籍,鉄道の乗り換え・出口情報が記載された小冊子その他の小冊子」を指定商品として、平成20年8月25日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、『乗り換えに便利な地図』の意を認識され、指定商品『鉄道の乗り換え・出口情報が記載された地図』等との関係において商品の品質表示として理解される『のりかえ便利マップ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これをその指定商品中、前記の商品に使用するときは、単に商品の品質について普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における平成23年2月3日付け審尋について
当審において、請求人に通知した審尋の内容は、別掲のとおりである。
4 当審の判断
(1)本願商標は、「のりかえ便利マップ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「のりかえ」の文字は、「乗りかえること。」の意味を有し、また、「便利」の文字は、「都合のよいこと。うまく役立つこと。『これは―な道具だ』」の意味を有し、そして、「マップ」の文字は、「地図。多く、特定の用途を持ったものをいう。『ロード―』『観光―』」の意味を有する語(語意はいずれも「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)としてそれぞれ良く親しまれる語であることから、これらを結合した本願商標からは、全体として「乗り換えのために便利なマップ(地図)」という程の意味合いを容易に認識させるものであるというのが相当である。
そして、上記3の審尋で例示した新聞記事情報及びインターネット情報からすれば、「のりかえマップ」「便利マップ」などの用語が「電車などの乗り換えに役立つ情報を内容とするマップ(案内図)」などとして、一般に使用されている状況にあることがうかがえるものであることからすれば、本願商標は、「電車などの乗り換えに役立つ情報を内容とするマップ(案内図)」の意味合いを容易に認識させるものというべきである。
してみれば、本願商標を、その指定商品中、例えば「鉄道の乗り換え・出口情報が記載された地図,鉄道の乗り換え・出口情報が記載された地図を内容とする冊子」などに使用しても、これに接する取引者・需要者は、「鉄道などの乗り換えに役立つ情報を内容とする地図,鉄道などの乗り換えに役立つ情報を内容とする冊子」であるというほどの、商品の品質、内容を表したにすぎないものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
また、前記商品以外の商品に使用するときは、それが前記意味合いに照応する商品であるかのごとく、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるといわなければならない。
(2)請求人の主張(要旨)について
ア 請求人は、本願商標の構成中、「マップ」の語は、その動名詞「マッピング」との関係からも、「地図」以外の意味合いを有することから、本願の指定商品との関連において、本願商標全体として商品の品質を具体的かつ直接的に表示するものではなく、自他商品識別力を有する一種の造語として認識される旨を主張する。
しかしながら、「マップ」の文字は、「マッピング」の語と関係なく、通常、「地図」の意味合いで一般に広く親しまれる外来語であること、また、本願の指定商品である「印刷物」には、例えば、「地図」、「地図付きムック」、「地図帳」、「地図付きガイドブック」などといった商品が含まれることからすれば、これに接する取引者、需要者は、該「マップ」の語より「地図」の意味合いを容易に理解するものというのが相当である。
そうとすれば、請求人の主張は採用できない。
イ 請求人は、本願商標を、インターネット上で検索エンジンにより検索した際に、請求人に関係するサイトがヒットすることから、本願の指定商品を取り扱う業界において、本願商標が、商品の品質等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実はない旨主張する。
しかしながら、前記4(1)で述べたとおり、本願の指定商品との関係において、本願商標を構成する文字に相応して、「乗り換えのために便利なマップ(地図)」という意味合いを理解させるものであるから、インターネット検索で請求人に関係するサイトがヒットした事実のみをもって、品質表示ではないとすることはできないから、請求人の主張は採用できない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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