Trademark Appeal Case
称呼の類似と文字認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−19345(T2010−19345/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第16類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年9月9日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、当審における同22年8月26日受付の手続補正書により、第16類「名前表示用のラベル(布製のものを除く。)」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第2493728号商標は、「PIYO」の欧文字を普通に用いられる方法で書してなり、平成2年8月22日登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同5年1月29日に設定登録され、その後、同15年1月14日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同年5月28日に、第2類「謄写版用インキ,絵の具」、第8類「パレットナイフ」、第16類「文房具類」及び第24類「布製ラベル」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、別掲のとおり、4つの花弁を有する花のごとき図形と、当該花のごとき図形の上に右を向いたひよことおぼしき図形を描いてなるところ、当該左上の花弁中に「ピ」の片仮名を、当該右上の花弁中に「ヨ」の片仮名を、白地に黒色で目立つように書してなるものである。しかして、当該花のごとき図形及びひよことおぼしき図形部分と文字部分とは、視覚上分離して把握され、また、これらを常に不可分一体のものとしてのみ把握、認識しなければならない格別の事情も見出せないものであるから、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというのが相当である。
そうとすると、簡易、迅速をたっとぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中に顕著に表され印象に残る「ピ」及び「ヨ」の文字部分に着目して、当該文字部分をもって、取引に資することも決して少なくないものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成中の「ピ」及び「ヨ」の文字部分に相応して「ピヨ」の称呼を生じるものである。そして、当該文字部分は、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではないから、一種の造語として認識され、特定の観念を生じないものというのが相当である。
これに対し、引用商標は、前記2のとおり、「PIYO」の欧文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、当該文字よりは、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではない上に、我が国で広く親しまれた外国語にも見当たらないことから、一種の造語として認識され、特定の観念を生じないものというのが相当である。しかして、欧文字の造語からなる商標の場合には、我が国で親しまれたローマ字読み又は英語風の発音に倣って称呼されることが一般的であるところ、引用商標標の構成と同一の綴りからなる英語は見当たらない。他方、引用商標は、ローマ字読みにより無理なく自然に「ピヨ」と称呼しうるものである。
したがって、引用商標は、その構成全体に相応して「ピヨ」の称呼を生ずるものというべきである。
してみれば、本願商標と引用商標は、外観が相違し、観念においては比較できないとしても「ピヨ」の称呼を共通にする相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならず、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標からは、称呼は生じない旨主張する。
しかしながら、本願商標の文字部分は、前記(1)のとおり、目立つように顕著に表されており、花弁の図形部分に埋没しているものではないことからすれば、当該文字部分は、需要者の注意を惹き強く印象に残るものである。そうとすれば、当該文字部分の存在を捨象して、本願商標から称呼が生じないということはできない。
イ 請求人は、本願商標からはその形状に則してひよこ、花びら形状の算数用おはじき及び、おはじきに配置された「ピ」及び「ヨ」の文字が記載された名前表示ラベルの観念が生ずる旨主張する。
しかしながら、本願商標を構成するひよことおぼしき図形はさておき、ひよこの直下に描かれた図形は花のようにも看取しうるという程度のものにすぎず、請求人が主張するように、「算数用おはじき」と一概にいうことはできないものである。そうとすると、本願商標の形状がひよこ、算数用おはじき等から構成されることを前提とする請求人の主張は、その前提において当を得ないものといわざるを得ない。
ウ 請求人は、引用商標を構成する欧文字「PIYO」は、英語風に「パイヨ」と称呼される旨主張する。
しかしながら、前記(1)のとおり、引用商標は、ローマ字読みに「ピヨ」の称呼をも生じるというのが相当である。
エ 請求人は、本願商標から「ピヨ」の称呼が生じ、引用商標が「ピヨ」と称呼されたとしても、両商標の外観及び観念上の違いより、両商標が需要者に与える印象は全く異なるものとなり、両商標は出所について混同のおそれのない非類似の商標と判断される旨主張し、審決例を挙げる(第3号証ないし第7号証)。
しかしながら、本願商標の構成部分の一部である文字部分を抽出し、当該部分だけを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することの適否については、前記(1)のとおり、当該文字部分が本願商標の構成上顕著に表され、需要者に強い支配的な印象を与えるものと認められる本件においては、適切なものというべきである。
しかして、本願商標と引用商標とが、外観上相違するものとしても称呼が共通する本件においては、両者は類似の商標と判断するのが相当である。
また、本願商標及び引用商標は、前記(1)のとおり観念において比較することはできないものである。そうとすれば、本件は、請求人の主張する観念が相違する場合には、該当しないものである。
さらに、商標の類否は、対比する両商標の具体的な構成とその指定商品との関係から、個別かつ具体的に判断をなすべきものであるところ、本件においては、前記(1)のとおり判断するとともに、以上、説示したとおりである。
よって、前記の請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)結語
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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