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Trademark Appeal Case

商標不使用取消と使用権者

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−300593(T2010−300593/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4358705商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成10年12月11日に登録出願され、第31類「飼料,飼料用たんぱく」を指定商品として、同12年2月4日に設定登録され、その後、同22年2月16日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

なお、本件審判の請求の登録は、平成22年6月15日にされている。

第2 請求人の主張

1 請求の趣旨

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出している。

2 請求の理由

(1)請求人の調査では、被請求人は、過去3年以上にわたって、我が国において本件商標を指定商品について使用していないことが判明した。

よって、請求の趣旨のとおり審決を求める。

(2)弁駁

請求人は、被請求人の提出した平成22年7月30日付け答弁書及び同年9月7日付け答弁書(2)に対し、弁駁していない。

第3 被請求人の主張

1 答弁の趣旨

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第33号証を提出している。

2 答弁の理由

(1)概要

本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標の使用権者であるロイヤルカナンジャポン合同会社(以下「ロイヤルカナンジャポン」という。)の販売に係る犬用ペットフードである「飼料」に使用されている。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきでない。

(2)被請求人と使用権者との関係

ア 被請求人(商標権者)は、その関連会社であり、米国マースインコーポレイテッドの日本法人であるマースジャパンリミテッド(以下「マースジャパン」という。)に、我が国におけるペットフード事業などを実施するため本件商標の使用許諾をした。そして、当該マースインコーポレイテッドとマースジャパンは、被請求人の関連会社である。

イ ロイヤルカナンジャポンは、主にペットフード事業を行うフランスの企業ロイヤルカナンの子会社であり、マースインコーポレイテッドの傘下の企業であり、マースジャパンの関連企業でもある。

ウ ロイヤルカナンジャポンは、2004年8月にマースジャパンから犬用ペットフードに係る「アドバンス」ブランドを承継し、被請求人より本件商標の使用許諾を受けて、犬用ペットフードについて本件商標の使用をしている。

(3)ロイヤルカナンジャポンによる本件商標の使用実績

被請求人から本件商標の使用許諾を受けたロイヤルカナンジャポンは、本件審判の請求の登録前3年以内に、我が国において、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を、犬用ペットフードについて使用している。

ロイヤルカナンジャポンは、少なくとも2008年8月、9月及び12月の時点において、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付した犬用ペットフードを顧客に販売しており(商標法2条1項2号)、かかる取引に関する書類である売上伝票には、本件商標と社会通念上同一の商標が記載されている(商標法2条1項8号)。また、ロイヤルカナンジャポンは、少なくとも2008年4月及び5月に、フランスのロイヤルカナンより、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付した犬用ペットフードを輸入しており、かかる輸入に関する貿易関連書類には、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標が記載されている。

したがって、これらの行為が、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標の使用に該当することは明らかである。

(4)まとめ

以上より、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、被請求人から本件商標の使用許諾を受けた、本件商標に係る商標権の使用権者であるロイヤルカナンジャポンの販売に係る「飼料」に使用されている。

第4 当審の判断

1 被請求人は、「本件商標は、本件審判の登録前3年以内に、本件商標の使用権者であるロイヤルカナンジャポンが、その者の販売に係る犬用ペットフードである『飼料』について使用している」旨主張するので、以下、被請求人の提出した証拠及び主張について検討する。

(1)通常使用権者について

乙第1号証は、マースジャパンの「企業概要」と題するWebページであり、その掲載内容から、マースジャパンがマースインコーポレイテッドの日本法人であり、ペットフード事業を行っていること、また、その所在地が東京都目黒区下目黒1−8−1であることが認められる。そして、その住所は、被請求人の審判請求時の住所と一致する。

また、乙第2号証は、ロイヤルカナンジャポンの「創業から歩み」と題するWebページであり、その記載内容から、ロイヤルカナンジャポンは、マースインコーポレイテッドの傘下である仏のロイヤルカナンの子会社であって、マスターフーズリミテッド(現マースジャパン)のアドバンスブランドを引き継いでいることが認められる。

以上の認定の事実から、ロイヤルカナンジャポンがマースジャパンの関連会社であることが認められ、また、マースジャパンの所在地の記載から被請求人もマースジャパンと何等かの関係を有することが推認される。

そうすると、被請求人の「被請求人がマースジャパンが使用する商標の権利者としてかかる商標の管理・運営を行う会社であって、マースジャパンに本件商標の使用許諾を行っている」旨の主張は、信憑性のあるものであって、ロイヤルカナンジャポンを本件商標権の通常使用権者とみて差し支えないものとみるのが相当である。

そして、請求人は、この点について何らの反論もしていない。

(2)通常使用権者による本件商標の使用について

乙第3号証は、2008年12月9日付けで、ロイヤルカナンジャポンが、得意先である日本トランスシティ株式会社に宛てた売上伝票であり、品名欄に「アドバンスアダルト 15kg」の記載がある。

また、乙第15号証ないし乙第22号証は、同じく、2008年8月30日から同年9月25日までの間の日付で、ロイヤルカナンジャポンが、株式会社ドリーム21ほかの得意先に宛てた売上伝票8通であり、いずれの伝票にも「アドバンスアダルト 3kg」「アドバンスシニア 8kg」、「アドバンスアダルトセンシティブ 3kg」などと「アドバンス」の文字を含む商品の記載がある。そして、当該売上伝票に記載された年月日は、商品の販売日と解され、いずれも本件審判の請求の登録前3年以内のものである。

また、乙第6号証は、犬用ペットフードの収納用袋の写真とその展開図であり、そのいずれにも、長方形の図形部分の色彩を異にするものの本件商標と同一と認められる文字からなる社会通念上同一の商標(「ADVANCE」(「VA」の文字部分はモノグラム化されている。))が「TM」の文字と共に表示されているほか、「アダルト/ADULT/成犬用/適応年齢12カ月〜7歳」などのペットフードの用途と思われる記載や「8kg」「3kg」などの内容量が表示されている。また、収納用袋の裏面の下部には、被請求人の社名変更前の社名である「輸入元ロイヤルカナンジャポン株式会社」の記載がある。

以上において認定した、売上伝票に記載された「年月日」、「アドバンスアダルト 15kg」などの商品名欄の記載、成犬用ペットフードの収納用袋の表面に表示された「アドバンス」、「アダルト」、「8kg」及び「輸入元ロイヤルカナンジャポン株式会社」の記載に照らせば、「ロイヤルカナンジャポン」が、売上伝票に記載された年月日に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付された袋入りの犬用ペットフード(乙第6号証)と同種商品を顧客に販売したものと推認することができる。

2 むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者である「ロイヤルカナンジャポン」が、その取消請求に係る指定商品中の「飼料」に含まれる「犬用ペットフード」について使用をしていたものであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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