Trademark Appeal Case
和装礼法の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−11627(T2010−11627/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「和装礼法」の文字を標準文字で表してなり,第41類「着物に関する知識の教授」を指定役務として,平成21年4月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定において,「本願商標は,『きもの等の日本風の服装時における礼儀・マナー』の意味合いを認識させる『和装礼法』の文字を表してなるものであるから,これをその指定役務に使用するときは,『きもの等の日本風の服装時における礼儀・マナーに関する知識の教授』であることを認識させるにとどまり,単に役務の質,内容を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べをした結果,以下の事実を発見したので,商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対して証拠調べ通知書を送付した。
(1)辞典類
ア 「広辞苑第六版」
「和装」の項,「日本風の服装または装飾。」の記載。
「礼法」の項,「作法。れいほう。」の記載。
イ 「三省堂五十音引き漢和辞典」(三省堂)
「和」の項,「和装」に「和服を着ること。また,その服装」の記載。
「礼」の項,「礼法」に「礼儀・作法のやり方やきまり。らいほう。」の記載。
ウ 「角川国語辞典 新版」(角川書店)
「和装」の項,「日本ふうの服装。和服のいでたち。」の記載。
「礼法」の項,「礼儀作法」の記載。
(2)新聞記事 (下線は,当合議体によるものである。)
ア 「心つなぐ美 感じて 西脇で企画展 帯結び13通り紹介」
神戸新聞 2011.02.06 朝刊 23頁
「西脇で企画展 帯結び13通り紹介/小学生に
着付けなどを指導している
『西脇市装道
和装礼法
こども教室』の実行委員会などは,同市西脇の旧来住家住宅で,帯結び展を開いている。」との記載。
イ 「和装で『はいっ』 児童47人かるた 近江八幡で大会=滋賀」
読売新聞 2011.01.06 大阪朝刊 29頁
「子どもたちが浴衣やはかま姿でかるた取りをする大会が5日,近江八幡市宇津呂町の八幡コミュニティーセンターで開かれた。同市装道
和装礼法
こども教室実行委員会(内藤郁子代表)の主催で,今年で5回目。教室は文化庁の委託事業で,
和装に親しむきっかけとして,浴衣の着付けや礼儀作法を教えている。
」との記載。
ウ 「江戸の遊び優美に 伊賀で着物教室 浴衣で児童扇子投げ」
中日新聞 2010.08.26 伊賀版 14頁
「【三重県】伊賀市の小田地区市民センターで二十五日,
着物の着方や礼法を学ぶ
『装道
和装礼法
こども教室』が開かれ,市内の小学生ら二十人が参加した。」との記載。
(3)インターネット情報 (下線は,当合議体によるものである。)
ア 「ユニバーサルビューティカレッジ」のウェブサイトにおいて,「
着付(和装礼法)
」の見出しのもと「美容を志すものとして着付けの仕事は重要なポイント。着付けの技術を身につけることは,美容の世界で働く上で大きな財産となります。
振袖や正装,普段着,浴衣など和装時のTPOやマナーも併せて指導。
」との記載(http://www.unibi.jp/unibi_manabi/kitsuke.html)。
イ 「尾形礼法きもの教室」のウェブサイトにおいて,「日本の伝統文化である
和装や礼法
の基本は,かつて家庭教育のひとつとして,親から子へ,母から娘に伝えられていったものです。きものを着ることを通して,美しい立ち居振る舞いや正しい言葉遣いを身につけていったのです。(中略)昨年度は文化庁委託財団法人伝統文化活性化国民協会(会長 平山郁夫)事業として,『花巻市装道和装礼法こども教室』を開催させていただきました。/小学校1年生から6年生までの男女19名が,10回にわたり土曜日の午前中に,
ゆかたの着装と礼法の基本を学びました。はじめの1時間はゆかたの着装を習い,あとの1時間はゆかたを着ての立ち居振る舞いを勉強しました
。」との記載(http://ogatakimono.com/kodomo.html)。
ウ 「社団法人全日本きものコンサルタント協会」のウェブサイトにおいて「小中高での
和装・礼法マナー教育の実施
」の見出しのもと,「昭和48年1月に(社)全日本きものコンサルタント協会の提案により,『きもの議員連盟』(昭和51年11月「和装振興議員連盟」と改称)が超党派で結成され中学に和装教育の導入の運動が開始されました。以来30年,平成8年よりは署名運動を展開し54万人の署名を集め,遂に平成14年(2002年)4月,文部科学省の決定により中学校に和装教育が導入されました。これを機に,当協会では,健全な青少年育成に寄与することを目的に全国の小・中・高等学校において
和装・礼法マナー教育を積極的に実施しています
。」との記載(http://www.kimono-consul.org/contents/manner/main.html)。
(4)本願指定役務について
本願は,第41類「着物に関する知識の教授」を指定役務とするところ,該指定役務の提供としては,例えば,着物の着付け,着物文化(伝統文化等),立ち居振る舞い,マナー等について教授されている実情が窺える(参照:「長沼静きもの学院」(http://www.naganuma-kimono.co.jp/course/01.html),「ハクビ総合学院」(http://www.hakubi.net/))ものであり,本願指定役務には,これらに相当する役務が含まれるものということができる。
(5)「和装礼法」の文字については,上記(2)及び(3)によれば,本願指定役務の提供の場において,「着物の着付けや和装時の礼儀,作法」等を表すものとして使用されている事実が見受けられる。
そうとすれば,本願商標は,これをその指定役務に使用しても,これに接する需要者に,「着物の着付けや和装時の礼儀,作法」等に関する知識の教授であることを理解,認識させるに止まり,役務の質(内容)を表示する標章のみからなる商標であるから,自他役務の識別標識としての機能は果たし得ないものである。
4 請求人は,前記3の証拠調べに対し,何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
本願商標は,前記1のとおり,「和装礼法」の文字よりなるところ,その構成中,前半の「和装」の文字は,「日本風の服装または装飾。」(広辞苑第六版)や「和服を着ること。また,その服装」(三省堂五十音引き漢和辞典 三省堂)を意味する語であり,また,後半の「礼法」の文字は,「作法,れいほう」(広辞苑第六版)や「礼儀作法」(角川国語辞典 新版 角川書店)を意味する語であることから,「和装礼法」の文字よりは,「着物の着付けや礼儀作法」程の意味合いを容易に理解,認識させるものである。
そして,「和装礼法」の文字が,本願指定役務の提供の場において「着物の着付けや和装時の礼儀,作法」等を表すものとして使用されている事実が存することは,前記3の証拠調べのとおりである。
そうとすれば,「和装礼法」の文字からなる本願商標を,その指定役務について使用したときは,これに接する取引者,需要者に,「着物の着付けや和装時の礼儀,作法」に関する知識の教授であると理解,認識させるに止まり,本願商標は,役務の質(内容)を表示する標章のみからなるものである。
したがって,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして,本願を拒絶した原査定は,妥当であって,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
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