Trademark Appeal Case
一般名称結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−12269(T2010−12269/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「食材クーポンカタログ」の文字を標準文字で表してなり、第16類及び第35類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年7月3日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品及び指定役務については、原審における平成22年1月27日付けの手続補正書により、第16類「食材を買う際に使用できるクーポン券のカタログ」及び第35類「食材を買う際に使用できるクーポン券のカタログ(携帯電話機又は電子計算機端末による通信を用いて行う電子的なクーポン券・トレーディングスタンプ又はポイント蓄積式カードを含む)の発行・管理及び清算」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『食材クーポンカタログ』を標準文字で表してなるところ、本願商標をその指定商品・指定役務に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、『食材を買う際に使用できるクーポンのカタログ,食材を買う際に使用できるクーポン券のカタログ(携帯電話機又は電子計算機端末による通信を用いて行う、食材を買う際に使用できる電子的なクーポン券のカタログを含む)の発行・管理及び清算』の意味合いを容易に理解し、商品の品質または役務の質を表示するものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識しないとみるのが相当である。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知(要旨)
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
本願商標は、「食材クーポンカタログ」の文字を標準文字で横書きしてなるところ、本願商標に関して行った職権による証拠調べにより認められた事実によれば、本願商標を、その指定商品である「食材を買う際に使用できるクーポン券のカタログ」や指定役務である「食材を買う際に使用できるクーポン券のカタログ(携帯電話機又は電子計算機端末による通信を用いて行う電子的なクーポン券・トレーディングスタンプ又はポイント蓄積式カードを含む)の発行・管理及び清算」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、本願商標について、単に、商品であるカタログが、「食材を買う際に使用できるクーポン券付き」の「カタログ」であることや、役務であるカタログの発行・管理及び清算が、「食材を買う際に使用できるクーポン券付き」の「カタログの発行・管理及び清算」であることを、それぞれ表記したものであって、当該商品の品質、役務の質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品及び自他役務の識別標識とは認識し得ない商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 証拠調べに対する意見の要旨
請求人は、「印刷物およびWEBサイトにて広く使用された結果、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものとなっており、本願商標は、仮に商標法第3条第1項第3号に該当したとしても、商標法第3条第2項の規定が適用され、商標登録を受けることができるものである。」旨述べている。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標「食材クーポンカタログ」は、その構成中、「食材」の文字が「料理の材料。」等の意味を、「クーポン」の文字が「一般に、割引券・優待券。」等の意味を、「カタログ」の文字が「商品目録。」等(いずれも株式会社岩波書店 広辞苑 第六版)の意味を、それぞれ有し、親しまれている語であって、日常的に使用されている一般的な語といえるから、本願商標を構成する「食材クーポンカタログ」の文字は、「食材を購入する際に使用するクーポン券付きのカタログ」程の意味合いを有する語として、取引者、需要者に認識されるものとみるのが自然である。
また、一般的な取引の場においても、「食材カタログ」や「クーポン券付きのカタログ」が多数使用されている実情が、前記3の証拠調べ通知に示した事実によっても認められるところである。
そうとすれば、本願商標は、「食材クーポンカタログ」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるにすぎないものであるから、本願商標の構成態様、本願商標を構成する文字の意義に照らすと、本願商標が、その指定商品である「食材を買う際に使用できるクーポン券のカタログ」や指定役務である「食材を買う際に使用できるクーポン券のカタログ(携帯電話機又は電子計算機端末による通信を用いて行う電子的なクーポン券・トレーディングスタンプ又はポイント蓄積式カードを含む)の発行・管理及び清算」に使用されても、これに接する取引者、需要者は、本願商標について、単に、商品であるカタログが、「食材を買う際に使用できるクーポン券付き」の「カタログ」であることや、役務であるカタログの発行・管理及び清算が、「食材を買う際に使用できるクーポン券付き」の「カタログの発行・管理及び清算」であることを、それぞれ表記したものであって、当該商品の品質、役務の質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品及び自他役務の識別標識とは認識し得ない商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項について
請求人は、「印刷物およびWEBサイトにて広く使用された結果、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものとなっており、本願商標は、仮に商標法第3条第1項第3号に該当したとしても、商標法第3条第2項の規定が適用され、商標登録を受けることができるものである。」旨述べ、その根拠となる証拠として、原審において甲第1号証ないし甲第5号証(審決注:「甲」の文字は当合議体で付与した。)及び当審において甲第6号証ないし甲第30号証を提出している(甲第13号証を除く。)。
ところで、商標法第3条第2項の要件を具備するためには、使用商標は、出願商標と同一であることを要し、出願商標と類似のもの(例えば、文字商標において書体が異なるもの)を含まないと解すべきである。
そこで、使用に係る商標についてみるに、提出された証拠の中には、本願商標とはその構成態様が異なる、縦書きの「食材」と横書きの「クーポンカタログ」の文字が使用され、また、「ぐるなび通信 食材クーポンカタログ」のように、当該文字以外の文字も併せて使用されているものも含まれており、本願商標と同一のものということはできないものであるから、「食材クーポンカタログ」の文字自体が単独で自他商品の識別標識として使用されているとは認め難い。
また、証拠調べ通知において、商標法第3条第2項の適用の主張に際して判断される事実につき通知したところ、請求人から提出された証拠によれば、カタログの使用開始は、2009年10月の創刊時からであり、本件審決時までに継続して使用したとしても、わずかに2年足らずに過ぎない。
さらに、提出に係る各証拠よりは、使用地域、発行部数、カタログ掲載社数、WEBサイトTOPページPV数、クーポンの利用数の累計等についての客観的裏付けがなく、使用の状況を示すものとしては不十分であるといわざるを得ない。
そうすると、その使用に係る商標は出願に係る商標とは同一のものではなく、本願商標が使用された結果、審決時において、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものとは認められない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものということもできない。
(3)請求人のその他の主張について
請求人は、過去の登録例を挙示して、本願商標もこれと同様に登録されて然るべきものである旨主張するが、その登録例は、商標の具体的構成や指定商品又は指定役務において本願商標とは事案を異にするものであり、しかも、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、その登録例に拘束されるべき理由はない。
したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(4)むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものでもないから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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