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Trademark Appeal Case

使用証拠と商標同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−300133(T2009−300133/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4871726号商標の指定商品中、「第25類 全指定商品」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4871726号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)の構成からなり、平成13年2月2日に登録出願、第24類「布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服,仮装用衣服」を指定商品として、同17年6月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録は、平成21年2月10日になされたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ証拠方法として、甲第1号証ないし同第16号証(枝番を含む。)を提出した。

1 請求の理由

請求人が調査した結果、本件商標は、少なくとも過去3年以内に、日本国内で、商標権者により、その指定商品に使用されていないことが判明した。 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 弁駁の理由

(1)乙第2号証

乙第2号証に表示されている商標(以下「使用商標」という。)は、別掲(2)の構成よりなるところ、使用商標には「輪」が描かれていないから、本件商標と使用商標は異なる。

また、同号証は、靴下の口紙と称するものであるが、このような口紙は、業者に頼むと簡単に制作できるものであり証拠能力が小さい。

さらに、当該口紙を印刷した業者の証明がなく、同号証の撮影日や撮影者の記載もない。

(2)乙第3号証の1及び2

乙第3号証の1及び2は、販社納品書検索と称するものであるが、社名欄、店名欄の記載が消されているため、証拠にならない。

また、同号証は、被請求人の社内の伝票を使って数字を並べたにすぎず、出荷日の記載、出荷先が受領した旨の証明もない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を提出した。

1 請求に対する答弁

(1)商標権者は、本件商標を付した靴下を現在に至るまで継続して製造、販売している。靴下は、本件審判の請求に係る指定商品「被服」に含まれる商品である。

(2)乙第2号証は、商標権者が1998年4月から現在まで製造、販売している子供用靴下の表面及び裏面の写真である。口紙(靴下の場合、左右の商品の履き口を被せるように止めるという包装形態が多く、口紙と呼んでいる。)表面の上部には、使用商標が表示され、その右上に商標権者の企業ロゴ「GUNZE」が、製造販売元として表示されている。

パッケージの裏側上方には、品番「LE5602」の文字と共に「グンゼ株式会社」の文字が製造販売元として表示されている。

当該商品は、この状態で販売されている。

(3)乙第3号証の1及び2は、平成20(2008)年10月度に被請求人が、得意先A社の各店舗に対して、使用商標を付した上記商品を出荷した納品リストの写しである。当該納品リストには、出荷元の商標権者「チェーン本部」、納品日「20081023」、品番「LE5602」、納品先A社の各店舗名が記載されている。これにより使用商標が表示された「靴下」が出荷されていることがわかる。

また、出荷数からはこの期間に92.0デカ(920枚)販売されたことがわかる。

2 弁駁に対する答弁及び審尋に対する回答

(1)使用商標について

請求人は、「使用商標には『輪』が描かれていないから、本件商標と使用商標は異なる。」旨主張する。

請求人が主張する本件商標の「輪」とは、顔の輪郭部分を指していると思慮するが、使用商標は、白い背景に黄色の円が描かれ、円の中に縦長の目が二つ、口が一つ描かれてなる。

よって、白い背景と黄色い円という色彩の違いから、請求人使用の商標に接する取引者、需要者は、顔の輪郭部分を容易に理解可能であるため、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標であるといえる。

(2)乙第2号証について

乙第2号証に係る写真は、被請求人の社員が、平成21年3月18日に撮影したものである。中国において製造された口紙は、製造元が保存していないため、証拠として提出できない。

(3)乙第3号証の1及び2について

商標権者と得意先とは、オンラインで商品の受注、納品の管理を行っており、ペーパーレスであるため、注文書の写し、受領書の写し等の取引書類を用意することはできない。

そのため、受注から納品までの流れが販社納品書検索にどのように表れているかを以下説明する。

販社納品書検索中「分類Cd(コード)」とは、各取引先に付されたコードであり、「店Cd(コード)」、「得意先コード」とは、取引先の各店舗に付されたコードである。

得意先からオンラインで注文を受けると、販社納品書検索のデーター中「品番」、「カラー」、「サイズ」、「受注数」の欄に受注内容が反映される。

その後、中国に生産依頼をかけ、完成品が輸入されると、被請求人の各支社に製品が振り分けられる。「処理日」とは、この振り分け日を示す項目である。

そして、各支社から取引先の各店舗に納品されると、「納品日」、「納品NO(番号)」にその事実が反映される。

なお、同号証をマスキングしているのは、取引先に関する情報の公開を伏せたいからである。

(4)乙第4号証について

乙第4号証は、平成20年9月30日付けで、中国の靴下製造会社B社から商標権者に、使用商標が付された乙第2号証の靴下が発送されたことを示すコマーシャルインボイス及びパッキングリストである。

コマーシャルインボイスからは、B社が商標権者宛てに、中国製の品番「LE5602」の靴下を「501.9」デカ発送したことがわかる。

品番「LE5602」は、乙第2号証の靴下に付された口紙の品番と一致している。

また、パッキングリストから、品番「LE5602」のサイズ20の靴下を「226.5」デカ発送したことを、また、品番「LE5602」のサイズ22の靴下を「198」デカ発送したことがわかる。

(5)乙第5号証について

乙第5号証は、平成20年10月14日付けで、中国の靴下製造会社B社から商標権者に、使用商標が付された乙第2号証の靴下が発送されたことを示すコマーシャルインボイス及びパッキングリストである。

コマーシャルインボイスからは、B社が商標権者宛てに、中国製の品番「LE5602」の靴下を「226.5」デカ発送したことがわかる。

また、パッキングリストから、品番「LE5602」のサイズ20の靴下を「106.5」デカ発送したことを、また、品番「LE5602」のサイズ22の靴下を「120」デカ発送したことがわかる。

3 むすび

以上のとおり、商標権者が、本件審判請求に係る指定商品「被服」について、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に使用している事実があることから、本件審判の請求は成り立たない。

第4 当審の判断

商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては、同条第2項において、その審判の請求の登録(本件の場合、平成21年〔2009年〕2月10日)前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用をしていることを被請求人が証明しない限り、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。

1 被請求人は、本件商標の請求に係る指定商品中の「被服」について、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内で使用していたと主張するので、以下、乙各号証について検討する。

(1)乙第2号証について

乙第2号証は、口紙で包装された靴下の写真(写し)であるところ、当該口紙の表面には、使用商標が表示され、また、「GUNZE」、「サイズ 19〜21cm」等が記載されている。さらに、当該口紙の裏面には、商標権者の名称、「MADE IN CHINA」、「LE5602」、「(999)」等が記載されている。

被請求人は、第2答弁において、中国において製造された口紙は、製造元が保存していないため、証拠として提出できないとし、この点にかかる請求人の指摘に何ら答えていない。さらに、これに関連した口紙の印刷依頼書や受領書など、被請求人側自らの提出もないものであるから、乙第2号証をもって本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる使用商標を本件商品に使用したと認めることは困難といわざるを得ない。

(2)乙第3号証の1及び2について

乙第3号証の1及び2は、表題部分に「販社納品書検索」及び「GUNZE」と記載された一覧である。

同号証の上部に「元支店(チェーン本部)」、「月度:200810」、「納品日」の欄に「20081023」記載、品番の欄に「LE5602」カラーの欄に「00999」、サイズの欄に「00020」又は「00022」、受注数及び出荷数の欄に「1.0」、「2.0」又は「3.0」、処理日の欄に「20081021」、得意先コードの欄に「020000609」等が記載されている。

そして、支社名、社名、店名及び出荷金額などの欄はマスキングされている。

これに対し、審尋において、同号証以外に当該取引を証する書面(注文書の写し、受領書の写し、等)を提出を求めたが、被請求人は、第2答弁において、ペーパーレスであるため、通常の売上伝票、請求書などはない旨回答し、審尋に何ら答えていない。商品の納品の際に相手先と実際に取り交わされる受領書などの提出もないものであるから、乙第3号証の1及び2をもって本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる使用商標を本件商品に使用したと認めることは困難といわざるを得ない。

(3)乙第4号証及び同第5号証について

乙第4号証は平成20年9月30日付けで、及び同第5号証は平成20年10月14日付けで、中国の靴下製造会社B社から商標権者に、使用商標が付された乙第2号証の靴下がそれぞれ発送されたことを示すコマーシャルインボイス及びパッキングリストであって、コマーシャルインボイスからは、B社が商標権者宛てに、中国製の品番「LE5602」の靴下を発送したことが認められるが、たとえ中国製の品番「LE5602」から乙第2号証の口紙の品番と一致したとしても、靴下の製造元から被請求人までの商品の搬入した行為のみをもって、本件商標を日本国内において使用したと認めることはできない。

2 前記事実からすれば、被請求人が提出した乙各号証によっては、本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)が本件審判の請求の登録前3年以内に取消請求に係る指定商品中「被服」について使用されたことを証明したものということはできない。

他に、本件商標が請求に係る指定商品について使用されていると認め得る証拠はない。

3 むすび

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていることを証明していないものといわざるを得ず、また、被請求人は、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。

したがって、本件商標の指定商品中、「第25類全指定商品」の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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