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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と音の差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900415(T2010−900415/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5356893号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5356893号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成22年5月13日に登録出願、第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年8月11日に登録査定、同年10月1日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録第4953455号商標(以下「引用商標」という。)は、「キュートステップ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成18年2月10日に登録出願、第25類「履物」を指定商品として、同年5月19日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標からは「キューステップ」なる称呼が生じ、引用商標からは「キュートステップ」なる称呼が生じること明らかである。

両者は、僅かに引用商標の中間音たる「ト」の音の有無の微差を有するに過ぎず、しかも、該「ト」の音は、強く発音聴取される「キュー」の音と、「歩み」等を意味する語として極めて耳慣れた、かつ促音を含むものとして強く発音聴取される「ステップ」の音との間に位置しているため、全体称呼においては明瞭には聴取され難い音である。

してみれば、本件商標と引用商標とをそれぞれ一連に称呼するときは、自ずと相紛らわしい語韻語調となり、時と所を異にした商取引においては彼此誤認混同を生じるおそれは必至である。

ちなみに、上記主張は、「サントフレックス」と「サンフレックス」とが類似するとの判断がなされた昭和63年拒絶査定不服審判第18663号審決によっても支持されるところである。

よって、本件商標と引用商標とは称呼上類似の商標であり、かつ、指定商品も同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、別掲に示したとおりの構成からなるところ、ややデザイン化されてはいるが、「Custep」の欧文字を表したと容易に認められるものであるから、該構成文字に相応して「キューステップ」の称呼を生ずるものと認められる。

一方、引用商標は、前記したとおりの片仮名を標準文字で表してなるものであるから、該構成文字に相応して「キュートステップ」の称呼を生ずるものである。

そこで、この両称呼を比較するに、両者は、そもそも5音と6音という構成音数において差異を有するばかりでなく、その音数の差をなしている「ト」の音は、舌先を上前歯のもとに密着させて破裂させる無声子音「t」と母音「o」との結合した音であって、それ自体、明瞭に発音され聴取されるものである。しかも、本件商標から生ずる「キューステップ」の称呼は、これより特定の意味合いを想起させないこととも相俟って、全体として平坦に発音、聴取されるのに対して、引用商標から生ずる「キュートステップ」の称呼は、これより「かわいい、魅力的な」等の意味を有する外来語の「キュート」と「歩み」等の意味を有する外来語の「ステップ」とを組み合わせたものと容易に理解、認識させることとも相俟って、前半の「キュート」と後半の「ステップ」との間にやや抑揚をもって称呼されるものとみるのが相当である。

そうとすれば、両称呼は、明瞭に発音、聴取される「ト」の音の有無の差異を有するばかりでなく、全体の語調、語感においても差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。

また、両商標は、前記の構成よりみて外観、観念においても相紛れるおそれはない。

その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は見出せない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

なお、申立人は、審決例(昭和63年拒絶査定不服審判第18663号審決)を挙げているが、該審決は、「サントフレックス」と「サンフレックス」とは非類似の商標である旨判断したものであり、該審決を自己の主張理由に有利に援用しようとしている申立人の主張は失当である。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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