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Trademark Appeal Case

称呼と外観の非類似判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900418(T2010−900418/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5357297号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5357297号商標(以下「本件商標」という。)は、「NANODX」の文字を標準文字により表してなり、平成22年2月3日に登録出願され、第1類、第5類、第10類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成22年9月16日に登録査定、同年10月1日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第873906号商標(以下「引用商標」という。)は、「NANO−X」の文字を横書きしてなり、ドイツにおける2005年3月30日の商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権の主張をし、2005年9月30日に国際商標登録出願され、第1類「Chemicals used in industry; chemical preparations for scientific purposes (other than for medical or veterinary use); chemical preparations for use in photography; unprocessed artificial resins.」、第2類「Paints, varnishes, lacquers; antirust preparations; dyestuffs.」、第4類「Lubricants.」及び第42類「Computer software design ; industrial design; all the aforesaid services exclusively for the fields of chemical product manufacture and use as well as the field of surface coating development and manufacture.」を指定商品及び指定役務として、平成20年9月12日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立ての理由の要点

本件商標と引用商標とは、外観上及び称呼上類似し、両者の指定商品も類似するものである。また、申立人は、引用商標を申立人の商号の略称を表示する商標として盛大に使用しその周知を図っているところであり、引用商標に類似する本件商標が使用された場合には、引用商標と誤認混同することは必定というべきである。

したがって、本件商標は、本件申立てに係る、第1類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号又は第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標と引用商標との類否について検討するに、両商標は、上記1及び2のとおり、いずれも、欧文字を横書きした構成からなるものであって、親しまれた既成の観念を有する成語を表したものとはいえず、それぞれの構成文字に相応して、本件商標は「ナノディーエックス」の称呼を生じ、引用商標は「ナノエックス」の称呼を生ずるものと認められる。

しかして、上記「ナノディーエックス」の称呼と「ナノエックス」の称呼とは、構成音数を異にするばかりでなく、中間において「ディー」の音の有無という差異を有するものであり、しかも、この「ディー」の音は、外来音であって長音を伴い聴者の印象に強く残るものといえるから、前者は「ナノ」「ディー」「エックス」と3音節のように聴取されるのに対し、後者は「ナノ」「エックス」と2音節のように聴取される。

そうすると、この「ディー」の音の有無が称呼全体に与える影響は大きく、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の音感、音調が異なり、両称呼は、明瞭に区別することができるものである。

また、本件商標と引用商標とは、第5文字目が「D」とハイフン「−」とで相違しているほか、外観上、本件商標はまとまった1つの語として看取されるのに対し、引用商標はハイフンを介し「NANO」と「X」とに分離して看取されるから、いずれも全体として容易に判読することができることとも相俟って、外観上も彼此紛れるおそれはないといえる。

さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも親しまれた既成の観念を有しないものであるから、観念上両者を比較すべくもない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について

申立人は、引用商標を盛大に使用しその周知を図っている旨主張し、証拠(甲第6ないし第11号証)を提出しているが、以下のとおり、該証拠を精査してみても、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されているものとは到底認められない。

すなわち、甲第6号証は、「ナノテクノロジーによるソリューション」と題する書面の写しと認められるところ、その内容は、申立人会社及びナノテクノロジーの紹介が中心であって、申立人の取扱いに係る商品について引用商標が具体的にどのように使用されているかは必ずしも明らかでない。

しかも、上記書面の発行者、発行日、発行部数、頒布状況等は一切不明である。甲第7ないし第11号証は、2010年及び2011年に開催された「人とくるまのテクノロジー展」に関する「出展ブースの写真」、「報告書」、「パンフレット」及び「出展会社/小間番号一覧」の各写しと認められるところ、「出展ブースの写真」には、引用商標と思しき標章が表示されていることが窺えるが、具体的商品との関係は明らかでない。上記「報告書」、「パンフレット」及び「出展会社/小間番号一覧」には、出展会社として申立人の名称が表示されているにすぎず、引用商標やそれが使用される商品等については一切掲載されていない。

このように、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標の具体的使用事実、例えば、使用期間、使用態様、宣伝広告の期間・頻度・地域・媒体等が一切不明であるばかりでなく、引用商標を使用した商品の販売期間、販売高、業界におけるシェア、宣伝広告等具体的な事実も一切不明である。

その他、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されているものと認めるに足る証拠はない。

加えて、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標である。

かかる事情の下において、本件商標を本件申立てに係る指定商品、第1類「全指定商品」について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、本件申立てに係る指定商品、第1類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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