Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−685001(T2011−685001/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第1026925号商標(以下「本件商標」という。)は、「SHOCKSKIN」の欧文字を横書きしてなり、平成22年1月5日に国際商標登録出願、第25類「Clothing for athletic use,namely,padded shorts,padded pants and padded shirts.」を指定商品として、同年7月7日に登録査定、同年10月29日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)申立人の引用する商標
申立人が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、次のアないしオのとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
なお、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。
ア 登録第5050726号(以下「引用商標1」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、2006年3月29日にオーストラリア連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成18年9月14日に登録出願、第10類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同19年6月1日に設定登録されたものである。
イ 登録第5144974号(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成19年9月21日に登録出願、第18類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同20年6月27日に設定登録されたものである。
ウ 登録第5345575号(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、2009年5月8日にオーストラリア連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成21年11月9日に登録出願、第10類、第25類、第28類及び第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年8月13日に設定登録されたものである。
エ 登録第5345576号(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、2009年5月8日にオーストラリア連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成21年11月9日に登録出願、第10類、第25類、第28類及び第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年8月13日に設定登録されたものである。
オ 登録第5345577号(以下「引用商標5」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、2009年5月8日にオーストラリア連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成21年11月9日に登録出願、第10類、第25類、第28類及び第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年8月13日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標「SHOCKSKIN」の構成中「SHOCK」の文字は、「衝撃、震動」等の意味を有する英語として我が国でも親しまれており、本件商標は、指定商品の表示(パッド入りのウエア)より、「衝撃の緩和・吸収」を主な機能・効果としていることが容易に想定でき、「SHOCK」の文字は、その指定商品との関係において、自他商品識別機能を有しないか、あるいは極めて弱いといわざるを得ない。
そうすると、本件商標中、自他商品識別標識として機能する部分は後半部分の「SKIN」のみにあり、本件商標からは、全体称呼「ショックスキン」の他に「スキン」の称呼も生ずる。
他方、引用商標1及び2からは、構成中の文字部分「SKINS」に相応して「スキンズ」の称呼が生ずる。また、引用商標3ないし5については、構成中の「SNOW」「TRAVEL」「SPORT」が「雪用の、冬用の」「旅行用の」「スポーツ用の、スポーツタイプの」を意味する語であり、自他商品識別力を有しないか、あるいは極めて識別力が弱いため、識別力を有する部分は「SKINS」の文字部分にあり、単に「スキンズ」の称呼も生ずる。
しかして、本件商標から生じる称呼「スキン」と引用商標1ないし5から生じる称呼「スキンズ」とは、「スキン」の音を共通にし、その差異は語尾における「ズ」の音の有無にあるところ、「ズ」の音は舌端を前硬口蓋によせて発音する有声摩擦音であることから、さほど強く発音されない音である上に、称呼識別上印象の薄い語尾におけるものであるから、当該差異が称呼全体に与える影響は少なく、それぞれ全体として一連に称呼するときは、語調、語感が近似したものとなり、両者は互いに聞き誤られるおそれがある。
また、本件商標の主要部でありインパクトを有する部分「SKIN」と引用商標「SKINS」からは、ともに「皮膚、肌、皮」の意味合いが生じるものであり、両者は観念上も相紛れるおそれがある。
以上により、本件商標と引用商標1ないし5とは、称呼及び観念において相紛らわしく、類似の商標である。
さらに、本件商標の指定商品は、引用商標1ないし5の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人及び申立人の関連企業、さらには我が国総輸入代理店カスタムプロデュースの継続的かつ積極的な宣伝広告活動及び営業活動により、申立人の「SKINS」商標は、「外科治療用並びに医療用に供される圧迫衣服、運動用アンダーウエア(コンプレッションウエア)」の分野において、本件商標の出願日である平成22年1月5日、及び、登録査定日である平成22年10月29日のいずれの時においても、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、周知・著名となっていたものである。また、申立人は、「SKINS」商標の関連商標(グループ商標)として、「SNOWSKINS」「TRAVELSKINS」「SPORTSKINS」「JETSKINS」商標を使用・展開している。
次に、本件商標の指定商品は、申立人の商品と同種のものであり、申立人の商品に包含されるものである。
してみれば、本件商標「SHOCKSKIN」を、その指定商品に使用した場合、これらに接する取引者・需要者をして、「衝撃吸収や衝撃緩和効果を特徴とするSKINS(関連)商品」のごとく、あたかも申立人あるいは申立人の関連会社の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所の混同を生じるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、上記1のとおり、「SHOCKSKIN」の欧文字を横書きしてなるものであり、その構成文字は、同書、同大、等間隔に一体に表され、該文字から生じる「ショックスキン」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、たとえ、構成中の「SHOCK」の文字部分が「衝撃、震動」等を意味する語であるとしても、かかる構成においては、その構成中「SHOCK」の文字部分が本件指定商品との関係において「衝撃の緩和・吸収を主な機能・効果とする商品」といった商品の品質を具体的に表示するものとして直ちに認識されるとはいえず、むしろ、その構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが自然である。
また、本件商標は、その構成中「SKIN」の文字部分が分離・抽出され、取引に資されるとみるべき格別の理由は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ショックスキン」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものといわなければならない。
他方、引用商標1及び2は、別掲(1)のとおりの構成からなり、その構成中のデザイン化された欧文字から「スキンズ」の称呼及び「衝撃、震動」の観念が生じるものである。
また、引用商標3ないし5は、別掲(2)ないし(4)のとおりの構成からなり、それらの構成中の「SNOWSKINS」、「TRAVELSKINS」及び「SPORTSKINS」の文字は、同書、同大、等間隔に一体に表され、該文字から生じる「スノースキンズ」、「トラベルスキンズ」及び「スポーツスキンズ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであり、その構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが自然である。そして、それぞれの商標から「SKINS」の文字部分が分離・抽出され、取引に資されるとみるべき格別の理由は見いだせない。
そこで、本願商標と引用商標を比較すると、それぞれ上記の構成からなるものであるから、両者は、外観上、十分に区別し得る差異を有するものである。
また、本件商標の構成文字から生ずる「ショックスキン」の称呼と引用商標1及び2から生ずる「スキンズ」の称呼又は引用商標3ないし5から生じる「スノースキンズ」、「トラベルスキンズ」若しくは「スポーツスキンズ」の称呼とは、明らかに相違し、相紛れるおそれのないものである。
さらに、本件商標と引用商標の観念については比較することができないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、類似しない別異の商標というべきであり、かつ、他に両者が類似するというべき理由は見いだせないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の提出に係る甲各号証によれば、同人が周知・著名なものと主張する「SKINS」商標(以下「使用商標」という。)は、引用商標1及び2と同一の構成からなる商標と認められるところ、当該使用商標が商品「伸縮性繊維を使用した下着、パンツ、スポーツウェアー」等の商標としてオーストラリアを始め世界において使用している事実は認められる(甲第7号証ないし甲第19号証)。
しかしながら、本件商標の登録出願前における使用商標の使用(新聞、雑誌、インターネットの掲載等)は、わずか1年半程度にすぎず、提出された証拠の多くは本件商標出願後のインターネット記事等(甲第9号証、甲第13号証ないし甲第19号証)であるばかりでなく、その他、使用商標に係る上記商品についての我が国における販売数や販売高といった使用商標の周知・著名性を裏付ける具体的な証拠の提出もないことから、提出に係る証拠のみをもってしては、本件商標の登録出願時において、使用商標が取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。
また、上記(1)において、本件商標と引用商標とが類似しない別異の商標であると認定したことと同様に、本件商標と使用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても類似しない別異の商標というべきものである。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、使用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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