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Trademark Appeal Case

地名と商品の関連性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−27089(T2010−27089/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「YAMBADAM」の文字を標準文字で表してなり、第14類、第18類及び第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年11月17日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同22年5月17日付け手続補正書をもって、第18類「スーツケース,書類入れかばん」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類(Tシャツを除く)」と補正されたものである。

そして、その後さらに、当審における平成23年7月15日付け手続補正書をもって、上記本願に係る指定商品中、第25類に属する指定商品のすべてを削除する旨の補正がされたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『YAMBADAM』と書してなるところ、該『YAMBADAM』という表記は、群馬県の吾妻川中流域で建設が計画された重力式のコンクリートダムの『八ッ場ダム』を理解させる表示と認められ、該『八ッ場ダム』は、現在、ダムの本体工事は中止になったが、地元住民の生活再建を最優先するため、生活関連など一部のダム事業は継続とされている。そして、『八ッ場ダム』の名称は全国的に知られているから、該『YAMBADAM』の文字は、『八ッ場ダム』の建設計画地の地域の名称として理解されるものと認められ、また、商品は取引される地があることは一般によく知られているから、商品について地名は産地や販売地として理解されることが多いものと認められる。そうとすると、『YAMBADAM』の文字を書してなる本願商標をその指定商品に使用したときは、『八ッ場ダム』の建設計画地の地域の名称として理解されるにとどまり、商品の産地、販売地を表示したものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、前記1のとおり、「YAMBADAM」の文字を標準文字で表してなるところ、このように欧文字からなる標章については、我が国における英語の普及度に照らせば、その構成全体をもって、英語の一種を表したものとして認識し、その読みをもって発音するか、又は英語の成語としては認識し得ないものの、英語の読みに倣った読みをもって発音する場合も少なくないというのが相当である。

そうとすれば、該「YAMBADAM」の文字は、その構成文字に相応する「ヤンバダム」の読みを生じ得るところ、例えば、別掲のアないしカに示す内容に照らせば、これらの文字及び読みからは、群馬県北西部の吾妻郡長野原町にある利根川支流の吾妻川に建設中のダムである「八ッ場ダム」を想起させる場合も決して少なくないというのが相当である。

そして、「八ッ場ダム」についてみれば、原審においても説示するとおり、その建設の是非等をめぐり、マスコミによる頻繁な報道等が行われたことにより、少なくとも群馬県内に建設が予定されるダムの名称として、一般に広く知られているとみるのが相当である。

(2)ところで、「ダム」は、本来、発電、利水、治水等の目的で水をためるために、河川や渓谷等を横切って築かれる建造物であるところ、そのような「ダム」の中には、その立地や景観等とあいまって、その本来の目的とは別に、ダムやダム湖を含む周辺地域が観光地化しているものがあるというのが実情であり、また、観光地において、その観光の対象となる施設等の名称や絵図等を用いた様々な商品が土産品として販売されていることは、一般に広く知られているところである。

そして、商標法第3条第1項第3号における「産地、販売地」について、未完成の公共建造物(国又は地方公共団体・独立行政法人等の公法人が所有又は管理する建造物)の名称又は図形(これらの結合を含む。)を表示する標章のみからなる商標は、該建造物の完成後には該建造物の所在地又は周辺地域が著名な観光地として一般の需要者、取引者に認識される可能性がある場合であって、使用する商品が該地で生産され、販売されるものであろうと認識されるものである場合は、これを該商品の産地又は販売地を表示するものと解釈するのが相当である。

(3)以上を踏まえて検討するに、本願の指定商品は、前記1のとおり、「スーツケース,書類入れかばん」であるところ、該商品は、観光地の土産品としては馴染みのあるものではなく、また、職権をもって調査するも、該商品が土産品として一般に広く取り扱われているという事実を発見することはできなかった。

そうとすれば、本願商標を構成する「YAMBADAM」の文字からは、上記(1)のとおり、群馬県内に建設が予定される「八ッ場ダム」を想起する場合が少なからずあるとはいい得るものの、本願の指定商品が該ダムを含む周辺地域において生産され、販売されるものであろうと認識し得るとまではいい難い。

してみれば、本願商標は、その指定商品との関係においては、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るというのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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