結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2010−301019(T2010−301019/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2709432号商標(以下「本件商標」という。)は、「CYBAS」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年5月20日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成7年8月31日に設定登録がされ、その後、同17年8月9日に商標権の存続期間の更新登録、同18年1月25日に指定商品を第7類「起動器」及び第9類「配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」とする指定商品の書換登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成22年10月13日にされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
被請求人は、本件商標を、その指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」については継続して3年以上日本国内において使用していない。また、本件商標について専用使用権者は存在せず(甲第1号証)、通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しないから、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」について使用されていないものである。
(1)被請求人は、答弁書で、「当該カタログは本審判の請求登録前3年以前に使用されていたものであり、現在は使用されていないが本件商標に係る商品の内容を示すために提出するものである」と述べている。
しかして、乙第1号証及び乙第2号証は、本件商標が、平成19年10月14日から平成22年10月13日までの間に使用されていたことを証明するものではない。
また、検出ラック(オムロン検査制御システム)(乙第1号証)及びフレックスゾーンコントロールユニット(オムロン検査システム)(乙第2号証)は、「電子応用機械器具」の概念に属する商品ではない。
社団法人発明協会発行の特許庁商標課編「商品及び役務の区分解説(国際分類第9版対応)」によれば、「電子応用機械器具」の概念には、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものだけが含まれる(甲第2号証)。ただし、電気通信機械器具も何らかの形で電子の作用を応用しているものも多いが、電気通信機械器具という概念がある以上電子応用機械器具には含まれず、また、医療用のものについては、「医療用機械器具」に属するとされている(甲第2号証)。
この点、被請求人は、答弁書で検出ラック及びフレックスゾーンコントロールユニットが「電子応用機械器具」の概念に属する理由、すなわち、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としていることを一切明らかにしていない。乙第2号証によれば、フレックスゾーンコントロールユニットは、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素とするものではなく、フィルム、不織布などの検査を主目的とするものである。しかして、当該商品は、「電子応用機械器具」ではなく、「検査用機械器具」の範ちゅうに属するというべきである。特許庁ホームページの商品・役務名リストによれば、「検査用機械器具」は、類似群コード(10C01)の商品に分類されている(甲第3号証)。
したがって、検出ラック及びフレックスゾーンコントロールユニットは、「電子応用機械器具」の概念に属する商品ではない。
(2)乙第3号証の部品明細表には、部品名称として「電源監視・レシオラック」及び「検出ラック(A)」が記載されている。上記したとおり、乙第1号証及び同第2号証に関し、被請求人は、答弁書で、「当該カタログは・・・本件商標に係る商品の内容を示すために提出するものである」と述べていることから、前記部品「電源監視・レシオラック」及び「検出ラック(A)」は、乙第1号証の「検出ラック(オムロン検査制御システム)」及び乙第2号証の「フレックスゾーンコントロールユニット(オムロン検査システム)」に使用される部品であると思われる。
しかしながら、検出ラック及びフレックスゾーンコントロールユニットは、「電子応用機械器具」の概念に属する商品ではないので、乙第3号証に示された部品「電源監視・レシオラック」及び「検出ラック(A)」も「電子応用機械器具」の概念に属する商品ではない。
また、乙第3号証の部品明細表の納入先には、「CONFIDENTIAL」の記載があることから、当該部品明細表は、社外に頒布される性質のものではない。
しかして、当該部品明細表は、商標法第2条第3項第8号の「取引書類」に該当しないので、乙第3号証は、商標法第2条第3項第8号に規定する態様での「使用」を証明するものでもない。
したがって、乙第3号証は、本件商標が「電子応用機械器具及びその部品」に「使用」されていたことを証明するものではない。
(3)乙第4号証は、本件商標の使用状況を示す写真であり、当該写真には、乙第3号証に記載された「CYBAS−163」及び「CYBAS−167」が表示されている。しかしながら、上記(1)で述べたとおり、検出ラック及びフレックスゾーンコントロールユニットは、「電子応用機械器具」の概念に属する商品ではない。
したがって、乙第4号証は、本件商標が「電子応用機械器具及びその部品」に使用されていたことを証明するものではない。
(4)結論
以上のとおり、被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第4号証及び答弁書における被請求人の主張によっては、本件商標が、審判請求登録前3年以内に、その指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に使用されてきたという事実は何ら証明されていない。
被請求人は、本件審判の請求は認められない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
(1)被請求人の提出に係る乙第1号証及び乙第2号証をみるに、これらは「検出ラックのカタログ写し」とするものであるが、該カタログには、それぞれの末尾に「1987」、「1991」の数字があることから、その作成が「要証期間」よりも相当に古いものであること、及び、被請求人の「なお、当該カタログは、本審判の請求登録前3年以前に使用されていたものであり、現在は使用されていない」との主張記載によれば、当該商品が「要証期間」に使用されたということはできない。
また、乙第1号証には、その概要として「本検出ラックは形KZD−N10X電子走査形検出器(256ビットCCDイメージセンサ内蔵)と接続され,検出器からの出力信号に対し,レベル設定値,サイズ設定値と比較することにより,欠陥を弁別して,出力をとり出すものです。」、乙第2号証には、「オムロン検査システム」及び「検査対象を任意に分割して検査できる、インテリジェントなゾーン分割用ユニットです。」との記載がそれぞれあり、それらの記載に照らせば、当該商品は、「測定機械器具」の範ちゅうに属するものとはいい得ても、本件取消請求に係る商品「電子応用機械器具及びその部品」には属さないものといわざるを得ない。
(2)乙第3号証は、「部品明細表」の写し、とするものであり、当該部品明細表には、要証期間内と認められる2010(平成22)年3月19日の日付及び本件商標と社会通念上同一の商標と認められる標章「CYBAS−163」、「CYBAS−167」が表示されているものの、「電源監視・レシオラック」及び「検出ラック(A)」は、乙第1号証の「検出ラック(オムロン検査制御システム)」及び乙第2号証の「フレックスゾーンコントロールユニット(オムロン検査システム)」と同様の商品であると認められる。
そうとすれば、当該「電源監視・レシオラック」及び「検出ラック(A)」も「電子応用機械器具及びその部品」の概念に属する商品ではないといわざるを得ない。
また、当該「部品明細表」は、その表中に「秘密の、内密の、マル秘の」の意味を有する「CONFIDENTIAL」の文字の記載があることからすれば、社外に頒布される性質のものではなく、商標法第2条第3項第8号の「取引書類」に該当しないものというべきである。
(3)乙第4号証は、「本件商標の使用状況を示す写真」であって、「乙第3号証に記載された『CYBAS−163』及び『CYBAS−167』の使用状態を示すために、2010年10月25日に、オムロン株式会社の三島事業所で、オムロン株式会社検査システム事業部シート検査事業推進課所属の中佐吉伸によって撮影された写真である。」とするものであるが、その撮影の日付も確認できず、これをもって、本件商標の「要証期間」における使用とすることはできない。
しかしながら、被請求人は、請求人の弁駁及び上記の審尋に対し、何らの答弁もしていない。
また、被請求人は、取消請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があるともいえない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。