結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2010−301096(T2010−301096/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4498865号商標(以下、「本件商標」という。)は、「フォルクス」の片仮名と「VOLKS」の欧文字とを2段に横書きしてなり、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物の売買に関する情報の提供,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金」を指定役務として、平成12年5月31日に登録出願、平成13年8月17日に設定登録されたものである。なお、指定役務中の「有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託」については、平成23年2月21日に登録を取り消す旨の審決がされ、その審決の確定登録が同年4月28日にされている。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出している。
本件商標は、その指定役務中「結論掲記の指定役務」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)被請求人(商標権者)は、乙第1号証から乙第6号証は「家」に関する情報が記載されていること及び乙第1号証ないし乙第6号証には本件商標と実質的に同一な商標が記載されていることを述べ、本件商標を第36類「建物の売買、建物又は土地の情報の提供」に使用している旨主張している。
しかしながら、第36類「建物の売買」は「建物」の「売買」に関するものであり、「建物又は土地の情報の提供」はいわゆる不動産情報(不動産の売買・賃貸・管理に関する情報)の提供である。乙第1号証ないし乙第6号証を見ると一見して、これらは「家」の「建築」についてのウェブサイト又は書面であることは明らかである。そして、「家の建築」は第37類「建築工事」に属する役務である。
したがって、被請求人提出の証拠によっては、本件商標が第36類「建物の売買、建物又は土地の情報の提供」に使用されていることは証明されない。
(2)まとめ
以上のとおり、被請求人の提出した証拠によっては、本件商標が、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者によって、その請求に係る指定役務について使用されていることの証明はなされていない。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証(なお、被請求人は、上記証拠について甲号証として提出しているが、これを乙号証と読み替えた。)を提出している。
これら乙第1号証の1ないし同3では、家の名称として、「VOLKS A」「フォルクス A」という商標を使用している。この商標は、「建物の売買」及び「建物又は土地の情報の提供」を行うために使用される。
さらに、使用商標「フォルクス A」や「VOLKS A」は、本件商標「フォルクス」「VOLKS」とは「A」の有無のみの違いであり、両者は実質的に同一である。
「フォルクス A」では、「フォルクス」が片仮名であり、「A」が欧文字で、文字種がことなることから、「A」の部分は単なる識別の符号に過ぎず、要部は「フォルクス」である。
さらに、このウェブサイトが本件審判が請求された平成22年10月13日以前から掲載されていることは、乙第1号証の3の「2010.8.10」付けの記事に「OMソーラー(株)の夏季休暇期間は次の通りです。2010年8月11日(水)〜8月15日(日)」と掲載されていること及び「2010.6.18」付けの記事に「フォルクスAサイトがリニューアルいたしました。今後、フォルクスAの情報をとんどん更新しますので、宜しくお願いいたします。」と掲載されていることから分かる。
乙第1号証の4は、サイトマップのプリントアウトであり、ここにも「VOLKS A」というロゴが使用されており、また、このページが作られた日付けとして、著作権のマークと「2005 OMソーラー(株)」の文字が掲載されている。これは少なくとも、2005年から継続して2010年12月20日まで存在することを示唆するものである。
乙第2号証及び乙第3号証は、商標権者作成の「VOLKS A BASIC」のパンフレットで、本件取消審判が請求された平成22年10月13日以前から現在に至るまで必要に応じて配布している。この乙第2号証及び乙第3号証中でも「フォルクス A」という商標を使用している。
乙第4号証の1及び同2は、商標権者の機関紙の「volume98」(2009年12月1日発行)及び「volume96」(2009年8月1日発行)の抜粋であり、その記事の中でも、「フォルクス」「フォルクス A」という商標が使用されている。
乙第5号証は、2006年9月1日付けで商標権者が作成し、現在も配布している「自分らしく。」のパンフレットで、その表紙に「VOLKS・A」というロゴが使用され、また、中に「フォルクス A」という商標が使用されている。
乙第6号証は、2006年9月1日付けで商標権者が作成し、現在も配布している「フォルクスA 国産集成材 からまつの家。杉の家。」のパンフレットで、その表紙に「VOLKS−A」というロゴが使用され、また、中に「フォルクス A」という商標が随所に使用されている。
しかし、建築=建築工事ではなく、建築とは建築物を造る人間の行為、あるいはその行為によって造り出された建築物をいうのであり、前記乙各号証は、あくまで「家」の紹介であり、第37類「建築工事」そのものの紹介ではない。
「建築工事」はどのような工法によるものかを内容とする。
また、完成した建物がどのようなものであるかを提供することは、まさに、第36類「建物の売買,建物又は土地の情報の提供」に係る役務である。
乙第1号証に表示している商標は、「建物の売買」及び「建物又は土地の情報の提供」を行うために使用されるものであり、「建築工事」を請け負うためのものではない。
乙第2号証は、「家族の生活が変わっても、暮らしの用に応えられる耐用性。」の項にある「フォルクスAベーシックは、必要な構造試験を行い」の記載や「心地よい空間に基づいた寸法」の項目も完成した家の説明であり、家の建築工事に関するパンフレットではない。
乙第3号証は、「強くて美しいフォルクスAベーシック」の項目にある「フォルクスAベーシックでは、あえて構造を隠しません。梁もボルトもむき出しだけど美しい。」の記載も家の説明であり、家の建築工事に関するパンフレットではない。
乙第4号証は、新居建築についての体験記である。家についての提供に係るものである。
乙第5号証及び乙第6号証は、いずれも家(建築)についてのものである。
(1)乙第1号証ないし乙第6号証について
ア 乙第1号証の1ないし同4は、商標権者のウェブサイトの各ページであり、そのトップページ(乙第1号証の1)は、「OM」と題するものであり、ページ中に「OMソーラーは、『設備機器をポンと取り付けて出来上がり』というシステムではありません。OMの家は地域の会員工務店がつくります。まずは近くの会員工務店を探して、見学会に行ってみましょう。」の説明がされているほか、「OMソーラーってなに?」「OMの家を建てるには?」「OMの家づくりガイド」等の項目があり、それぞれ項目中に小項目が設けられ、小項目ごとに詳細なページにリンクがなされている。
乙第1号証の2は、商標権者のウェブサイトの「いろいろなOMの家 OMソーラー(株)」と題するページであり、「OMソーラーが誕生して20年あまり。全国で20,000棟を超えるOMソーラーの家が建てられています。OMソーラーは工法を問いません。木造軸組工法(在来工法)・・・コンクリートブロック造など、さまざまな一般住宅が建てられています。」「なぜOMソーラーを選んだのか?家づくりの体験談、設計の工夫、暮らしの実感など、全国の皆さんの声を紹介。」などの記載がされ、「自在な設計が可能なOMの家 VOLKS A フォルクスA」などと記載されたタグがある。
乙第1号証の3は、フォルクスAについてのページであり、「フォルクスAはOMソーラーと相性の良い高性能な家です。」「フォルクスAは独自の設計・構造ルールを設けることで高い性能を有した住宅を提案しています。自由設計型のフォルクスA BASICと、規格型のフォルクスA−Proがあります。」と説明され、「規格型フォルクスA−Pro」の項には、「フォルクスAのコンセプトを、パッケージとして提供します。パッケージ化により、費用・設計費用が低減されます。」と説明され、「自由設計型フォルクスA BASIC」の項には、「屋根形状、階数に応じて、様々なプランを取り揃えております。」と説明され、「フォルクスA事例集」のページにリンクするタグ等があり、また、「フォルクスAに興味を持ったら・・・」の記載があり、その右側に商標権者の会社名、住所、電話番号とともにOMソーラーお問い合わせフォーム」「フォルクスA−Pro専用資料請求フォーム」のタグがある。
乙第1号証の4は、「VOLKS A」に関するウェブサイトのサイトマップであり、「Home」のほか、「コンセプト」(「フォルクスAの特長」「開発者紹介」)、「ルール」(「設計ルール」「構造ルール」「施工ルール」「設計のポイント」)、「仕様」(「仕様詳細」「補足資料」)、「ラインアップ」(「パーツ」)、「プラン例(10例)」、「全国の事例」(「東京都」・・・)等の各ページがあることが記載されている。
イ 乙第2号証は、「VOLKS A BASIC」と題するパンフレット(作成者、作成日は不明。)であり、フォルクスAベーシックについて、建物の構造や「OMソーラー」についての説明がなされ、「フォルクスAベーシックは、OMソーラー協会が構造システムや部材を供給し、会員工務店が設計・施工して建てる家づくりです。」の記載がある。
ウ 乙第3号証は、「VOLKS A BASIC コツンとひ〜やり。」と題するパンフレット(作成者、作成日は不明)であり、フォルクスAベーシックの構造等の優位性について説明するものであり、裏表紙に「VOLKS A BASICのお問い合わせは、下記まで。」と記載され、通常、商品や役務の提供者を記載する位置に、その記載はないものの、四角の輪郭がある。
エ 乙第4号証の1は、2009年12月1日に商標権者発行の「ソーラーハウスを楽しもう。」と題する機関紙第98号であり、フォルクスA2階建てを2009年5月に竣工した、愛知県岡崎市のAさんの工法・業者選択の経験や入居後の感想等について特集しているものである。また、OM通信の欄に「これから家づくりをお考えの方は、ぜひ、全国のOM会員工務店が開催する見学会へ。」などの記載がある。
乙第4号証の2は、2009年8月1日に商標権者発行の上記機関紙第96号であり、フォルクスA2階建てを2006年12月に竣工した、茨城県水戸市のBさんの工法・業者選択の経験や入居後の感想等について特集しているものである。また、OM通信の欄にOMソーラーが対象となる住宅建築に対する補助事業制度の紹介が掲載されている。
オ 乙第5号証及び乙第6号証は、OMソーラー協会(なお、商標権者の旧名称は「株式会社オーエムソーラー協会」である。)が2006年9月1日及び2004年9月15日に発行した、「フォルクスA」に関するパンフレットであり、いずれもその特長、構造等について紹介するものである。
(2)以上によれば、被請求人(商標権者)は、「OMソーラー」と称する工法による住宅建設を進める会社であり、同工法による住宅建設は、商標権者がOMソーラーの構造システムや部材を供給し、「OMソーラー」工法に賛同する会員工務店が設計・施工して建てるものである。そして、「OMソーラー」工法による家について、「FOLKS A」「フォルクスA」の商標を使用し、さらに当該工法による住宅の設計・建設には、設計、構造、施工について一定のルールがあり、これらをパッケージにし、費用・建設費用を低減した規格型の「フォルクスA−Pro」や、屋根の形状、階数に応じた様々なプランから選べる自由設計型の「フォルクスA BASIC」(以下、これらの商標をまとめて「使用商標」という。)などをモデルパターンとして提供していることが認められる。
そして、商標権者は、住宅の建設を希望する者に対しては、ウェブサイト(乙第1号証の3)や機関紙(乙第4号証の1及び同2)を通じて、OMソーラー工法によるフォルクスAの特長等を宣伝・広告していることが認められる(なお、乙第2号証及び乙第3号証のバンフレット発行日はいずれも不明であり、また乙第5号証及び乙第6号証のパンフレットは、2006年9月1日又は2004年9月15日に発行されたものであって、本件審判請求の登録日前3年以内に配布されたとする証拠はないが、いずれもその内容は、OMソーラー工法によるフォルクスAの特長等を宣伝・広告するものである。)。
また、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標であると認め得るものである。
(3)ところで、被請求人は、商標権者が本件商標を第36類「建物の売買」及び「建物又は土地の情報の提供」に使用していると主張しているが、「標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定」による国際分類の類別表によると、第36類に係る役務は、「保険 財政業務 金融業務 不動産業務」に関する役務であり、「建築物に係る不動産管理者のサービス。すなわち,賃貸,鑑定又は融資のサービス」を含むとされている。なお、第37類に係る役務は、「建築物の建設 修理 取付けサービス」に関する役務である。
そこで前記(2)において認定した商標権者の行っている役務についてみると、商標権者は、会員業者を介して(会員業者を通常使用権者として)住宅建設を請け負い、建築工事を行っていることは認められるとしても、当該役務は、一般的に不動産管理者が行う役務である「建物の売買」ということはできない。
また、被請求人は、完成した建物がどのようなものであるかを提供することは、第36類「建物の売買,建物又は土地の提供」に係る役務である、と主張しているが、提出された証拠中は、いずれも家造り(建築)についての記載があり、建築工事に係る広告物であり、(完成後の)建築物の説明があったとしても、その内容は、商標権者等が建築を請け負う建物に関する情報であって、不動産取引等に係る建物に関する情報を提供するものではない。したがって、当該役務は、第36類「建物又は土地の情報の提供」に該当する役務ということができない。
さらに、商標権者は、ウェブサイト等において、請求人の取り扱うOMソーラー工法による建物の広告を行っていることは認められるが、当該広告は、被請求人自らの利益のために行う広告というべきであり、独立して取引の対象となりうる他人のために行う労務又は便益の提供とはいえないものである。
以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その取消請求に係る指定役務について、本件商標の使用をしていることを証明したとは認められず、また、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定役務中「結論掲記の役務」について、取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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