結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2010−301101(T2010−301101/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4520764号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成12年5月31日に登録出願され、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物の売買に関する情報の提供,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金」を指定役務として、同13年11月9日に設定登録されたものである。
なお、指定役務中の「有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託」については、平成23年2月21日に登録を取り消す旨の審決がされ、その審決の確定登録が同年4月28日にされている。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出している。
本件商標は、その指定役務中「結論掲記の指定役務」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)被請求人(商標権者)は、乙第1号証は、「進化した、木の家。」という本であり、その表紙に本件商標と同じ商標が記載されていること及び本の内容は家に関するもので、本件商標権者の前身の名称等が記載されていると述べ、本件商標を第36類「建物の売買、建物又は土地の情報の提供」に使用している旨主張している。
しかしながら、第36類「建物の売買」は「建物」の「売買」に関するものであり、「建物又は土地の情報の提供」はいわゆる不動産情報(不動産の売買・賃貸・管理に関する情報)の提供である。乙第1号証は「建築工事」に係る事項が記載されている。そして、「建築工事」は第37類に属する役務である。
また、書籍「進化した、木の家」(乙第1号証)の発行日は、2000年7月25日であるから、本件商標が、審判請求登録前3年以内に使用されていたことの証明とはならない。
(2)まとめ
以上のとおり、被請求人の提出した証拠によっては、本件商標が、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者によって、その請求に係る指定役務について使用されていることの証明はされていない。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証(なお、被請求人は、証拠について甲第1号証として提出しているが、これを乙第1号証と読み替えた。)を提出している。
商標権者は、本件審判請求に係る指定役務のうち「建物の売買」及び「建物又は土地の情報の提供」については、本件審判請求がされた平成22年10月13日以前から現在に至るまで、本件商標の使用をしているものである。
乙第1号証は、「進化した、木の家。」という本であり、その表紙に、本件商標と同じ商標が記載されている。本の内容は家に関するものであり、商標権者との関係は、第131ページに問い合わせ先として、商標権者の前身であるOMソーラー協会の名称と、住所、電話番号が記載されている。
商標権者が本件商標を使用して、「建物の売買」及び「建物又は土地の情報の提供」を行っている証である。
(1)乙第1号証は、株式会社海象社(以下「海象社」という。)が2000年7月25日に発行した「進化した、木の家。」と題する書籍(「進化した、木の家。」編集委員会著)であり、表紙(1枚目左側)右下には、やや右側が欠けているものの、本件商標と社会通念上同一といえる標章(以下「使用商標」という。)が表示されている。また、3枚目の目次と思しきページには、「フォルクスFの『技術と素材』−57」、「en[縁]空間設計術 『簡素だけれど上質な住まい』−81 ルールを知って、あなたのフォルクスFを建てよう。」及び「『フォルクスFの施工』−121 高い精度、選りすぐりの部材、人に地球にやさしい工事」等の各ページがあることが記載され、そして、4枚目(130ページ及び131ページ)には、「こうしてあなたの住まいが[完成] 屋根裏の板金工事や、ルーフテラスの防水工事をします。」、「フォルクスFはこうしてできる」、「フォルクスF・工程表の例(基準工期)」、「知って納得、フォルクスFの住まいづくり。」、「どういう順序で家が建ち、工事が今どういう段階にあるのかを建て主が正確に知ることは、大切なことです。・・・(1)近隣への着工のあいさつ (2)地鎮祭 ・・・(6)上棟式 (7)外装確認・・・(14)竣工検査立ちあい 以上のポイントをおさえ、建て主が工事の流れを把握することが、よりよい家づくりへの参加につながります。」及び「*フォルクスFを施工するためには、・・・「Fフレーム登録施工工務店」であることが条件となります。登録施工工務店については、OMソーラー協会へお問い合わせの上、ご確認ください。」などが記載され、また、「OMソーラー協会」の連絡先として、住所、電話番号、FAX番号、ホームページアドレスが記載され、そのほかに、外装工事の施工状況等の写真が掲載されている。
(2)以上によれば、乙第1号証は、海象社が2000年7月25日に発行した書籍(以下「本件書籍」という。)であり、その書籍の表紙には、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標が表示され、書籍の内容は、家の建設を行う者が建てる際に参考となるような内容であり、特に、商標権者が取り扱う住宅「フォルクスF」の施工について紹介するものである。
また、その書籍の記載内容からすれば、商標権者は、「Fフレーム登録施工工務店」を会員として住宅の建設(施工)を進める会社であり、その建設を取り扱う住宅に「フォルクスF」と称するものがあることが認められ、また、本件書籍には、会員(工務店)についての問い合わせ先として商標権者の前身と認められる「OMソーラー協会」の電話番号、FAX番号、ホームページアドレスが記載されていることから、商標権者は、住宅建設希望者等からの前記フォルクスFに係る工務店についての問い合わせに対し、会員情報を説明し対応していたものと推認できる。
(3)しかしながら、以上の認定事実からは、仮に本件書籍が本件要証期間内に、販売、配布されていたとしても、以下のアないしウのとおり、商標権者が本件商標を「建物の売買」及び「建物又は土地の情報の提供」について使用をしているということはできない。
ア 使用商標は、本件書籍の表紙に記載されているものであって、これを仮に商標といえるとしても海象社が書籍に使用するものであって、商標権者が、本件請求に係る役務に使用するものということはできない。
イ 商標権者及びOMソーラー協会会員が「フォルクスF」の名称の住宅の建築の請負工事(施工)を行っていたとしても、本件商標と「フォルクスF」とは、構成態様が著しく相違するものであり、本件商標と「フォルクスF」の商標とは社会通念上同一の商標ということはできない。
ウ 被請求人は、商標権者が本件商標を第36類「建物の売買」及び「建物又は土地の情報の提供」について使用をしていると主張しているが、「標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定」による国際分類の類別表によれば、第36類に係る役務は、「保険 財政業務 金融業務 不動産業務」であり、「建築物に係る不動産管理者のサービス。すなわち,賃貸,鑑定又は融資のサービス。」を含むとされている。
なお、「建築物,道路,橋,ダム又は送電線の建設に関連するサービス及び塗装工,配管工,暖房設備取付工又は屋根職人のサービスのように建設分野を専門とする企業が提供するサービス」を含む「建築物の建設 修理 取付けサービス」の役務は、第37類に属するものである。
そこで、前記(2)において認定した商標権者の行っている役務についてみると、商標権者は、会員業者を介して(会員業者を通常使用権者として)住宅建設を請け負い、建築工事を行っていることは認められるとしても、当該役務は、一般的に不動産業者等が行う役務である「建物の売買」ということはできない。
また、商標権者が、住宅建設を希望する者からの問い合わせに対し、会員情報等を説明し対応しているとしても、その行為は、商標権者が、自己の業務に係る建築の請負に関して、当該請負の施工業者に関する説明を行っているのであって、第36類「建物又は土地の情報の提供」に該当する役務を行っているとはいえない。
以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その取消請求に係る指定役務について、本件商標の使用をしていることを証明したとは認められず、また、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定役務中「結論掲記の指定役務」について、取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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