Trademark Appeal Case
結合商標の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−28914(T2010−28914/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ナチュラルカフェ」の片仮名を横書きしてなり、第43類「飲食物の提供,飲食物に関する情報の提供」を指定役務として、平成21年3月19日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同21年12月21日付け手続補正書により、「飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、「本願商標は、『自然なさま。天然。自然的。』の意味を有する『ナチュラル』の文字に『カフェ』の文字を付して『ナチュラルカフェ』と普通に用いられる方法で書してなり、全体として『自然な食材を使用した飲食物を提供するカフェ』の意味合いを容易に理解させるものであり、本願指定役務を取り扱う業界において、無農薬、低農薬などの自然に近い野菜等を素材に使い、健康によいとされる料理を売り物にしたレストランやカフェは多数存在しており、このようなレストランやカフェを表すものとして『ナチュラルレストラン』の文字や『ナチュラルカフェ』の文字が使用されている実情があるから、これをその指定役務中、『ナチュラルカフェ』の文字に照応する役務、たとえば『前記のカフェにおいて提供される飲食物の提供,前記のカフェに関する情報の提供』について使用するときは、単に役務の質、内容を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ナチュラルカフェ」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中「ナチュラル」の文字部分は、「自然なさま。天然。自然的」(広辞苑第六版)等を意味し、しばしば、「ナチュラル(自然)な素材」のような用例としても使用されている語であり(「デジタル大辞泉」(http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/164157/m0u/%E3%83%8A%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%AB/))、また、「カフェ」の文字部分は、「主としてコーヒーその他の飲料を供する店」(広辞苑第六版)を意味する広く知られた語であって、本願の指定役務である「飲食物の提供」について、その役務の提供の場所を表す語である。
そうすると、本願商標は、「ナチュラル」と「カフェ」の2語を結合したと容易に認識し得るものであって、その指定役務との関係においては、全体として、「自然な素材(食材)を使用した飲料等を提供するカフェ(お店)」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして実際に、本願の指定役務に関連する業界においては、原審において示した証拠(別掲参照)のとおり、より自然に近い、からだに優しいとされる食材を使用した飲料等を提供するお店を、「ナチュラルカフェ」と称して使用されている事実がある。
さらに、首都圏にある「ナチュラルカフェ」のお店を紹介するインターネットサイトの存在もうかがえる(別掲(キ)参照)。
してみれば、これを本願の指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、「自然素材(食材)を使用した飲料等を提供するカフェ(お店)における飲食物の提供及びこれらに関する情報の提供」であることを理解させるにとどまり、単に役務の提供の場所、質等を表示するにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「本願商標は全体として一連一体の造語であって、例えば『気取らないカフェ』等の造語的意味合いを表したものである。」旨主張する。
しかしながら、本願商標は、「自然な素材(食材)」のような用例としても使用される「ナチュラル」と「カフェ」との結合よりなるものと容易に認識し得るものであり、また、より自然に近い、体に優しいとされる食材を使用したカフェ(お店)を「ナチュラルカフェ」と称して、普通一般に使用されていること前記(1)のとおりである。
よって、本願商標が、一連一体の造語であることを前提とする請求人の前記主張は採用することができない。
イ 請求人は、「『ナチュラルカフェ』の語が一般名称化しているかどうかは、一般の需要者(専門家ではなく)が普通に使用し目に触れる、辞書、情報知識書等によって判断されるべきである。」旨主張する。
しかしながら、本願商標が自他役務としての識別機能を果たすか否かの判断にあたっては、本願商標に接した取引者、需要者をして、役務の質等を表示するものとして認識されるか否かが重要であり、必ずしも、辞書等に掲載されている事実は要しないとみるべきものである。
そして、「ナチュラルカフェ」の語は、別掲の新聞記事及びインターネット情報によれば、「自然な食材を使用した飲料等を提供するカフェ(お店)」程の意味合いで普通一般に使用されていること、前記(1)のとおりである。
してみれば、本願商標に接した取引者、需要者は、前記意味合い程の役務の提供の場所、質等を表示したものと理解するとみるのが相当であるから、係る請求人の主張も採用することができない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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