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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号・第4条第1項第15号「結合商標の要部認定」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2010−27588(T2010−27588/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2010−27588(T2010−27588/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
結合商標の要部認定
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2010−27588(T2010−27588/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「結合商標の要部認定」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第33類「ウイスキー等の蒸留酒類を炭酸で割ったカクテル」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、平成21年11月26日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、「セカイノハイボール」の称呼を生じる登録第5340639号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)本願商標は、東京都所在のキリンホールディングス株式会社が、商品「ハイボールカクテル」に使用して著名となっている商標「世界のハイボール」の文字を有してなるものであるから、これを本願の指定役務に使用するときは、その役務があたかも前記会社と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本願商標は、別掲1のとおり、「サントリー」の文字と「世界のハイボール」の文字とを上下二段に横書きしてなるところ、その構成中の上段の「サントリー」の文字は、本願の指定商品を含むアルコール飲料を取り扱う分野においては、請求人である「サントリーホールディングス株式会社」の代表的出所標識(いわゆるハウスマーク)として、その取引者、需要者に広く知られているものである。

同じく、その構成中の下段の「世界のハイボール」の文字についてみるに、飲食物を取り扱う業界においては、別掲2に示すとおり、ビールやワイン等の商品名に「世界の」の語を冠することにより、自己の取り扱いに係る商品が世界各国のものであること、ひいては多種多様なものであることを示すことが一般に広く行われているというのが実情であり、また、「ハイボール」の文字が「ウイスキー・ジンなどをソーダ水などで割った飲料」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店発行)の意味を有する語として一般に広く知られていることからすれば、これらの語を結合してなる「世界のハイボール」の文字は、看者をして、容易に「世界各国のウイスキーなどをソーダ水などで割ったハイボール」程の意味合いを想起するというのが相当である。

そうとすれば、本願商標の構成中の「世界のハイボール」の文字部分は、本願の指定商品「ウイスキー等の蒸留酒類を炭酸で割ったカクテル」との関係においては、取引者、需要者をして、商品の品質を表示したものとして理解し、認識するものであるから、該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか又は極めて弱いものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標をその指定商品である「ウイスキー等の蒸留酒類を炭酸で割ったカクテル」に使用した場合には、その構成中の「サントリー」の文字部分が、取引者、需要者に対して、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべきであり、これを捨象した「世界のハイボール」の文字部分のみをもって取引にあたるとみるべき特段の事情は認められない。

したがって、本願商標から「セカイノハイボール」の称呼をも生ずるとし、その上で、本願商標が引用商標と類似するとした判断は、妥当ではない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本願商標の構成中の「世界のハイボール」の文字部分が、その指定商品との関係において、出所識別標識として機能し得ないものであることは、上記(1)で認定、判断したとおりであるところ、別掲3に示すとおり、酒類を提供する飲食店等においても同様に、「世界のハイボール」の文字が「世界各国のウイスキーなどをソーダ水などで割ったハイボール」程の意味合いを表す語として一般に広く用いられているのが実情であることからすれば、該文字は、本願の指定役務との関係においても、自他役務の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いものとみるのが相当である。

そうとすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、本願商標の構成中の「サントリー」の文字部分を捨象した「世界のハイボール」の文字部分のみに着目して取引にあたることはないというべきである。

してみれば、たとえ本願商標がその構成中に「世界のハイボール」の文字を有するものであるとしても、取引者、需要者による役務の出所識別において、該文字が強く支配的な印象を与えることはないから、本願商標をその指定役務に使用しても、該役務がキリンホールディングス株式会社又は同社と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのように認識され、役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似するものではなく、また、本願商標をその指定役務に使用しても、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれはないから、本願商標が商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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