Trademark Appeal Case
著名商標「OLYMPIC」との類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900314(T2010−900314/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5336468号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲とおりの構成よりなり、平成21年9月10日に登録出願、同22年4月23日に登録査定がなされ、第41類「セミナー又は講演会の企画・運営又は開催,やきとりに関するイベント・博覧会又はシンポジウムの企画・運営又は開催」を指定役務として、同22年7月9日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は、商標法第4条第1項第6号、同第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
第3 本件商標に対する取消理由の要点
1 本件登録異議申立人「コミテ アンテルナショナル オリンピック」(IOC、国際オリンピック委員会 以下「申立人」という。)の提出に係る甲各号証によれば、「Olympic(オリンピック)」の語(文字)は、オリンピック憲章に基づき開催されるオリンピック競技大会を組織・運営するIOC及びその承認のもとに大会を運営する各国オリンピック委員会(NOC)が営利を目的としない事業活動を表示するための標章であり、各国オリンピック委員会にその厳格な管理が委ねられているものである(甲第11号証)。IOCは、我が国においても、第41類の役務に「オリンピック」の片仮名からなる商標(登録第3275674号)、「OLYMPIC」の欧文字からなる商標(登録第4117280号)及び五輪の図形からなる商標(登録第3264562号及び登録第4117278号)を登録している(甲第2号証ないし甲第5号証)。
そして、オリンピック憲章では、IOCの使命として、「スポーツを文化や教育と融合させる試みを奨励、支援する」ことが規定されており(甲第11号証)、IOCは、かかる規定に基づき、オリンピック競技大会に関連する様々な教育・文化活動をオリンピック・ムーブメント(オリンピックの理念を具現化し、次の世代へと受け継いでいく様々な活動)の一環として世界的規模で行っており、「Olympic(オリンピック)」に係る各標章は、オリンピック競技大会に関連して行われる各種教育・文化活動においても広く用いられ、著名な標章であることは、申立人提出の証拠によっても認められる。
我が国においても、オリンピック憲章第4章28の2.1(甲第11号証)におけるNOCの役割に関する規定に基づき、日本オリンピック委員会(JOC)がオリンピック・ムーブメントの普及・啓発事業の一環として、オリンピック競技大会に関連する各種教育・文化活動を日本国内で精力的に行っている。
2 しかして、本件商標は、別掲のとおり、横一列で鎖状に並んだ赤色の5つの輪の中央を黄色の横線で貫いた図形と「YAKITOLYMPIC」の欧文字と「やきとリンピック」の文字とを三段に横書きしてなるところ、その構成中の欧文字「YAKITOLYMPIC」の部分は、上記「OLYMPIC」の文字を結合(包含)しており、これにより、これに接する者は、格段に強い出所表示力がある「Olympic(オリンピック)」に係る標章「OLYMPIC」を組み合わせ、ネーミングしたものと理解、認識するというべきであり、本件商標は、オリンピック憲章に基づく著名な標章である「OLYMPIC」を想起、連想するものであるから、著名な「OLYMPIC」の標章と類似する商標といわなければならない。
3 以上のとおり、本件商標は、IOC及びJOCを含む各国オリンピック委員会が営利を目的としない事業活動を表示するための著名な標章である「OLYMPIC」の標章と類似するものであるから、商標法第4条第1項第6号に違反して登録されたものである。
第4 商標権者の意見
商標権者は、前記第3の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。
第5 当審の判断
本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成23年5月18日付けで、前記第3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
そして、本件商標についてした前記第3の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第6号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定によって、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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