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Trademark Appeal Case

周知団体名の登録

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900327(T2010−900327/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5340042号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5340042号商標(以下「本件商標」という。)は、「キャストパーシャル研究会」の文字を横書きしてなり、平成22年3月11日に登録出願、第41類「歯科医療に関する知識の教授,学会・セミナー・シンポジウム・会議・会合・講演会・講習会・研修会・討論会の企画・運営又は開催及びこれに関する情報の提供」を指定役務として、同年7月2日に登録査定され、同月23日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由(要旨)

本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第19号に違反して登録されたものである。

3 当審が通知した取消理由

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

ア 申立人は、平成6年3月に、「キャストパーシャルの研究開発と技術の共有化を図り、社会に貢献すると共に会員相互の親睦と福祉の増進に努めること」を目的として設立された社団であり、法人格を有しないものの、定款(キャストパーシャル研究会会則)を定め、代表者として会員の総会において選挙により選出される会長を置き、その設立以来、「キャストパーシャル研究会」との名称の下に、キャストパーシャルに関する各種研修会、学術大会等を主催してきたほか、他の団体が主催する研修会等にも協賛・後援しており、社団として独自の社会活動を営んでいる。

イ 申立人主催の学術大会は、概ね1〜2年に1回開催され、その大会に関しては、専門雑誌「日本歯技」(1995年11月号)、同「歯科技工」(2005年9月号、同年10月号、2006年8月号、同年11月号)に広告・掲載されたほか、各種資料が作成され、これらには、主催として常に「キャストパーシャル研究会」の名称が表示されている(甲第23ないし第32号証)。また、申立人は、キャストパーシャルに関する各種研修会を開催し(甲第13ないし第22号証)、その資料に主催として「キャストパーシャル研究会」の名称が表示されている(甲第13、第14、第16、第17、第22号証)。

他団体主催のキャストパーシャルに関する研修会等については、協賛・後援として「キャストパーシャル研究会」の名称が表示され、雑誌掲載や資料作成が行われている(甲第33ないし第37号証)。

ウ 申立人の会員は、キャストパーシャルに関する論文の発表を行ったり、研修会等の講師として活動しており、その際には、肩書きとして「キャストパーシャル研究会」の会員、役員、講師等であることが明示されている(甲第3ないし第12号証)。

エ 商標権者は、申立人の設立時から申立人に所属し、会長も務めたが、平成21年12月3日に退会届を提出し退会が承認された(甲第38号証)。

その後、商標権者は本件商標を登録出願したが、本件商標は、申立人が名刺、封筒、会報等に一貫して使用してきたロゴと同一の態様である(甲第16、第17、第37、第39及び第40号証)。

そして、商標権者は、本件商標の登録を受けると直ちに、申立人の会員及びキャストパーシャルに係る講座を開講している明倫学園に対し、「キャストパーシャル研究会」の名称の使用中止を求める旨の書面を送付した(甲第41ないし第49号証)ほか、自己のウェブサイトにおいて本件商標他4件の商標登録を取得した意義について掲載している(甲第50号証)。

(2)上記(1)の認定事実によれば、申立人は、権利能力なき社団、すなわち、商標法第77条第2項において準用する特許法第6条にいう「法人でない社団であって、代表者又は管理人の定めがあるもの」に該当することは明らかである。また、「キャストパーシャル研究会」の表示は、本件商標の登録出願時には既に、申立人の名称として、かつ、キャストパーシャルに関する研修会、学術大会等について使用する商標として、歯科技工士等の歯科医療分野において、広く認識されていたものというべきであり、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものといえる。

そして、本件商標は、申立人の承諾を得たものとは認められないし、申立人がキャストパーシャルに関する研修会、学術大会等について使用する商標と同一の構成からなるものであり、かつ、その指定役務も該商標が使用されている役務と同一又は類似のものといえる。

以上のとおり、本件商標は、他人である申立人の名称と同一であり、申立人の承諾を得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当するものである。

また、本件商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と同一であって、その役務に類似する役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。

(3)仮に、本件商標が商標法第4条第1項第8号及び同項第10号に該当するものでないとしても、上記(2)の認定事実によれば、本件商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と同一であるばかりでなく、商標権者は、かつて申立人の会員で、会長を務めたこともあり、申立人の存在及び申立人が使用している商標の存在を熟知しているというべきであるから、該商標が登録されていないことを奇貨として申立人に無断で剽窃的に本件商標を登録出願しその登録を受けたものと推認される。しかも、登録を受けるや否や、申立人の会員等に対し「キャストパーシャル研究会」の名称等の使用中止する旨の警告をしていることからすれば、商標権者は、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって本件商標を使用するものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。

4 当審の判断

平成23年5月25日付けで上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、上記3の取消理由は妥当なものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第10号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消す。

よって、結論のとおり決定する。

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