Trademark Appeal Case
欧文字商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900009(T2011−900009/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5361516号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1の構成よりなり、平成22年7月6日に登録出願、第14類「時計」を指定商品として、同年9月28日に登録査定、同年10月15日に設定登録されたものである。
第2 本件登録異議申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第5号、同法第4条第1項第11号及び同第16号に該当するものであるから、同法43条の2第1項の規定により取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
1 引用商標
申立人の引用する登録第4730932号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりやや丸みを帯びた「swatch」の欧文字を横書きしてなり、平成15年3月4日に登録出願、第14類「時計,時計の部品及び附属品,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,キーホルダー,貴金属製宝石箱,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」を指定商品として、同15年12月5日に設定登録されたものである。
2 申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、その構成中に「腕時計、懐中時計」といった「携帯用の小さな時計」を想起させる「watch」の文字を有するものであるから、その指定商品中「置き時計,掛け時計,その他の携帯することがない時計,置き時計・掛け時計・その他の携帯することがない時計の部品及び附属品」について使用したときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第5号について
本件商標は、「Z」と「watch」とに分離して理解されるところ、「watch」の部分は、指定商品「時計」との関係では、自他商品の識別機能をもたない言葉であり、「Z」の部分は態様からして、極めて簡単でありふれた標章であり、自他商品の識別機能を有する部分が存在せず、商標法第3条第1項第5号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、外観上、相紛らわしい類似する商標であり、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中「時計,時計の部品及び附属品」とは抵触しているから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第5号について
本件商標は、別掲1のとおり、大きく書された「Z」と看取される文字の底辺の線を左から右に引き延ばして跳ね上げ、その線の上部に筆記体風の「watch」の文字を配してなるものであるから、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」に該当するということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第5号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおり、「Z」及び「watch」の欧文字を組み合わせてなるものと容易に看取されるところ、その構成に照らし「ズワォッチ」又は「ゼットウォッチ」の称呼を生じ、特に観念は生じないものというべきである。
他方、引用商標は、やや丸みを帯びた「swatch」の欧文字よりなるものであるから、その構成に照らし「スウォッチ」の称呼を生じ、特に観念は生じないものというべきである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、外観においては、語頭における本件商標の「Z」と引用商標の「s」の文字とに構成上明白な差異を有するものであって、申立人が言うようなほぼ同一に覚知される対象文字ということはできず、さらに、両商標は、各文字の丸みの有無というその態様においても明らかな差異が認められものであるから、全体としても、相紛れるところはないものである。
また、称呼においては、本件商標の称呼が「ズウォッチ」又は「ゼットウォッチ」であるのに対し、引用商標の称呼は、「スウォッチ」であるから、「ゼットウォッチ」と「スウォッチ」との比較においてはもとより、「ズウォッチ」と「スウォッチ」との比較においても、両称呼は、互いに促音を伴う4音という比較的短い構成音にあって、称呼上重要な要素を占める語頭において「ズ」と「ス」の音の差異が認められ、かかる差異が称呼全体に及ぼす影響は、決して小さいものでなく、両称呼を一連に称呼した場合には、十分に聴別し得るものである。
さらに、両商標は、格別の観念は生ぜず、これを比較することができないものであるから、観念上相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点よりみても、何ら相紛れるところのない、非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、前記2のとおり、全体として、特に観念の生じない造語よりなると認められるものであるから、これを殊更「Z」と「watch」とに分離して観察し得ないものであり、また、「watch」の語が「腕時計、懐中時計」等の「(携帯用の)時計」を意味するものであるとしても、本件商標に接する需要者は、必ずしも携帯用の時計を「watch」、柱時計、置き時計などを「clock」の如く、その意味を辞典に記載されているように正確に理解し、使い分けているものではなく、「watch」の語を単に「時計」と認識している場合も決して少なくないというのが相当である。
してみれば、その構成中に「watch」の文字を有することのみをもって、直ちに商品の品質が特定されるものということはできず、本件商標をその指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生じないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第5号及び同法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたものということができず、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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