Trademark Appeal Case
UGGの要部抽出と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900042(T2011−900042/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5367506号商標(以下「本件商標」という。)は、「UGGLEBO」の欧文字を横書きしてなり、平成22年3月3日に登録出願、同年10月5日に登録査定がなされ、第25類「履物,木靴」を指定商品として、同年11月12日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)引用商標
ア 登録第2097985号商標(以下「引用商標1」という。)は、「UGG」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年5月13日に登録出願、同63年7月22日に登録査定がなされ、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年11月30日に設定登録、その後、平成10年12月22日及び同20年11月11日の二回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、同21年1月28日に指定商品の書換登録があった結果、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
イ 登録第5242761号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成21年3月19日に登録出願、同21年5月13日に登録査定がなされ、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年6月26日に設定登録されたものである。
ウ 国際登録第1037027号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成22年3月30日に登録出願、同22年9月10日に登録査定がなされ、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同22年12月17日に設定登録されたものである。
以下、一括していうときは、「引用商標」という。
(2)具体的理由
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、語頭に称呼上「ユージージー」または「ウグ」「アグ」としか発音できない「UGG」を配している。そして、本件商標は、辞書に掲載されている語ではなく、また、構成上ごく普通に発音するには全体を一気に発音しにくく、需要者にとって「履物」において既に著名となっている「UGG」を語頭に配していることから「UGG」部分が要部と認識される。そのため、本件商標と引用商標とは、共に称呼「ユージージー」または「ウグ」「アグ」及び外観「UGG」を共通にする類似のものである。
また、指定商品も互いに同一のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第15号について
申立人の商標「UGG」は、1920年代に誕生以来、1970年代に「UGG」ブランドとしてオーストラリアにて広がり、1978年からアメリカに渡り、1990年代以降はアメリカにおいてもブランドとして着実に普及し、2003年には、ハリウッド女優などの著名人達が愛用することで、アメリカにおいて大流行し、一躍世界的な人気ブランドに成長した。また、引用商標「UGG」は、世界各国で250以上の商標を取得し(甲第7号証)、「UGG」ブランドの売上高も莫大な金額である(甲第8号証)。
2006年には、日本でも流行し、著名人が愛用し、ファッション情報の発信地となる表参道ヒルズや銀座に「UGG」直営店を構えるまでになった。その人気は、今現在も拡大している。全国誌となるファッション雑誌などでも継続的に毎月複数の雑誌において「UGG」ブランドは紹介され、また、広告も出している(甲第6号証 2007年〜2011年 雑誌紹介記事及び広告)。
また、2011年4月には、地下鉄銀座駅全体を「UGG」で埋め尽くす広告をした(甲第6号証)。
上記のことから、商品「履物」について、「UGG」の文字からなる商標を広く使用し今日に至っており、商品「履物」の我が国における市場占有率も極めて大きなものとなっている。
また、本件商標は、指定商品が「履物」であり引用商標と完全同一であること、語頭に「UGG」を配し商標を構成していることから、需要者からすると「履物」において既に著名となっている「UGG」から新ブランドが出たと考えることが一般であり、むしろ「UGG」との関連性を否定することの方が難しい状況である。
してみれば、本件商標は、その指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「UGGLEBO」の欧文字よりなるものであるところ、その構成は、同じ書体、同じ大きさの文字を等間隔にまとまりよく一体的に表してなるものである。そして、これより生ずると認められる「アグレボ」または「ウグレボ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであり、他に構成中の「UGG」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせない。
してみれば、本件商標は、その構成全体をもって、一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当であるから、構成文字部分全体に相応して、「アグレボ」または「ウグレボ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、いずれも「UGG」の文字を書してなるから、これより、「アグ」または「ユージージー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、両商標は、外観が明らかに相違し、称呼においては、本件商標から生ずると認められる「ウグレボ」または「アグレボ」の称呼は、引用商標から認められる「アグ」または「ユージージー」の称呼とは、いずれもその構成音が明らかに相違し、これらを一連に称呼した場合であっても、十分に聴別し得るものである。
また、観念においては、両商標共に格別の観念が生じないから、これを比較すべきところがない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用商標が本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る「履物」を表示する商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたことは認められるとしても、本件商標と引用商標とは、上記したとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、他に混同を生ずるとすべき格別の事情も見いだせないから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人または同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項の規定に違反して登録されたものということができないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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