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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900043(T2011−900043/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5367633号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5367633号商標(以下「本件商標」という。)は、「フレアリッチ」の片仮名と「Flare Rich」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成22年5月10日に登録出願され、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類,つけまつ毛」を指定商品として、同年9月6日に登録査定、同年11月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第33号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)引用商標

ア 登録第4482153号商標(以下「引用商標1」という。)は、「フレア」の片仮名と「FLAIR」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成12年6月9日に登録出願され、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同13年6月15に設定登録、その後、同23年4月5日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

イ 登録第4570343号商標(以下「引用商標2」という。)は、「フレア」の片仮名を標準文字で表してなり、平成13年6月6日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤」を指定商品として、同14年5月24に設定登録されたものである。

以下、これらを一括して「引用商標」という。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本願商標と引用商標の構成は、前述のとおりであるから、本件商標からは形式的には一応「フレアリッチ」の称呼を生じ、引用商標からは、「フレア」の称呼を生ずる。

しかしながら、本件商標は字面上は一応「フレアリッチ」の称呼を生ずるものであったとしても「フレア」の称呼も生ずる。

すなわち、本件商標の後半部の「リッチ/Rich」は、研究者発行「リーダーズ英和辞典」(甲第4号証)に見られるように、第一義的に「富んだ」という語意を有する英語であり、英語の普及している今日、通常の英語の知識を有しているものであれば、当然に熟知している単語であって、本件商標に係る指定商品にあっては、その品質を表現するものとして普通に使用されている用語であるから、本件商標において、自他商品識別力を有する部分は「フレア/Flare」にある。

よって、本願商標は引用商標と「フレア」の称呼において、類似する商標である。

また、本件商標の指定商品中、「化粧品、せっけん類、歯磨き、香料類」は、引用商標1の指定商品及び引用商標2の指定商品中、「せっけん類、香料類、化粧品、歯磨き」と同一又は類似である。

したがって、本件商標は、その指定商品「化粧品、せっけん類、歯磨き、香料類」については、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、申立人が帯電防止剤、柔軟仕上剤に使用し、需要者や取引者に広く知られている。同時に、申立人はマスメディア(特にテレビ)を通じて大量のコマーシャルメッセージを流している。コマーシャルメッセージではCFヒストリーから明らかなように容器に表示した「フレア」又は「FLAIR」の文字を視覚に訴えるとともに「フレア」の音声を聴覚に訴えている(甲第14号証ないし甲第33号証)。

需要者や取引者の間に広く知られた商標は、強い指標力を有するため、本件商標のように一部構成であったとしてもそれ自身の持つ強い出所表示力で独自の出所表示の機能を果すから、仮に本件商標が引用商標に類似するものでないとしても、本件商標は、需要者や取引者の間に広く知られた「フレア」の文字を有し、「フレア」の称呼を含むが故に、需要者や取引者は、既に馴染み親しんでいる引用商標と同一の文字及びその称呼の部分に注意を引かれ、その指定商品との関係において、その出所を申立人又は申立人と何らかの関係あるものと認識し、混同する。

特に、本件商標の指定商品中「せっけん類」については、引用商標の指定商品中「家庭用帯電防止剤、洗濯用柔軟剤」とともに「洗浄の用途」に関係して用いられる商品であるから出所の混同を生じるおそれのあること明らかである。

してみると、本件商標は、その指定商品に使用すると他人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記1のとおり、「フレアリッチ」の片仮名と「Flare Rich」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、これを構成する片仮名及び欧文字の各構成文字は、いずれも外観上まとまりよく一体的に表現されているものであり、また、一般に欧文字と片仮名を併記した構成の商標において、その片仮名部分が欧文字の読みを特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、片仮名部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。

そして、その構成中、後半の「リッチ」「Rich」の語が「高価な,ぜいたくな,高級な」(株式会社大修館書店発行 ジーニアス英和大辞典)を意味する親しまれた語であるとしても、かかる構成においては直ちに商品の品質を表すものとして理解し得るものともいい難く、その構成全体をもって一体不可分の造語として認識し把握されるとみるのが自然であり、他に、構成中の「フレア」「Flare」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して「フレアリッチ」の称呼のみを生ずるものと認められ、特定の観念を生じないものである。

他方、引用商標は、前記2(1)のとおり「FLAIR」もしくは「フレア」文字からなるものであり、「フレア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

そこで、本件商標と引用商標を比較するに、両商標は、外観が明らかに相違し、称呼においては、本件商標から生ずる「フレアリッチ」の称呼と引用商標から生ずる「フレア」の称呼とは、いずれも音構成が明らかに相違し、これらを一連に称呼するときは全体の音感・音調が明らかに相違し、十分に聴別し得るものである。

また、本件商標と引用商標とは、観念においては、両商標共に格別の観念が生じないから、これを比較すべくもない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれよりみても相紛れるおそれのない、非類似の商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

ア 前記(1)の認定のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の別異の商標と認められるものである。

イ 申立人の主張によれば、引用商標に関して、「帯電防止剤,柔軟仕上剤」に使用し、需要者や取引者に広く知られている旨述べ、甲第14号証ないし甲第33号証を提出しているが、「もらう!花王株式会社『ハミングフレア フレグランス・コレクション』」と題する「モラタメnet」のウェブサイト(甲第14号証)、「ハミングフレアの通販|爽快ドラッグ」のウェブサイト(甲第15号証)、CFヒストリー及びヒストリー(甲第17号証ないし甲第33号証)からは「フレア」又は「FLAIR」文字のみのを使用した商品名は散見されるにすぎず、そのほとんどが「ハミング」あるいは「HUMMING」の語とともに使用されているものであることからすれば、この程度の資料をもってしては、申立人の引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知、著名であったとは認め難いものである。

ウ そうとすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これより直ちに、引用商標を連想、想起させるものとはいえないから、需要者をして、申立人又は申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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