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結論

敗訴(請求棄却)

商標「AVANCE」と「アバンシィ」の称呼類似性の判断(第4条第1項第11号|審判異議2011−685004(T2011−685004/J7))

審判番号
異議2011−685004(T2011−685004/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「AVANCE」引用商標「アバンシィ」
争点(論点)
称呼類似性の判断
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第10類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2011−685004(T2011−685004/J7)・異議)は、本件商標「AVANCE」と引用商標「アバンシィ」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼類似性の判断」です。指定商品・役務は第10類に属します。特許庁は「国際登録第1018067号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

国際登録第1018067号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件国際登録第1018067号商標(以下「本件商標」という。)は、「AVANCE」の欧文字を横書きしてなり、2009(平成21)年10月23日に国際商標登録出願、第10類「Surgical and medical apparatus;parts and fittings for the aforesaid goods.」を指定商品として、平成22年10月1日に登録査定、同年12月10日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

1 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4803043号商標(以下「引用商標」という。)は、「アバンシィ」の片仮名と「AVANSEE」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成16年2月13日に登録出願、第10類「眼内レンズ及びその附属品,眼内レンズ挿入用機械器具,その他の医療用機械器具」を指定商品として、平成16年9月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 申立ての理由の要点

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、欧文字「AVANCE」を左横書して構成され、他方、引用商標は、片仮名「アバンシィ」を上に、欧文字「AVANSEE」を二段併記して構成されるものである。

斯かる両商標の商標構成に徴すれば、本件商標から「アバンス」、引用商標から「アバンシィ」なる自然称呼の生じることは極めて明らかである。

そこで、両称呼を比較検討するに、両者はいずれも4音より構成され、その中、語頭部から「アバン」の3音を共通にし、僅かに語尾において「ス」と「シィ」の1音の相違が認められるにすぎない。

しかるところ、当該尾音の「ス」と「シィ」は、何れも50音図の「サ」行音に属する歯茎摩擦音として調音方法及び調音位置を同じくする相近似する音であると共に、無声音であるため、実際の称呼においては明確に発音聴取され難い音である。

してみれば、本件商標及び引用商標を全体として一連に称呼するときは、語頭部からの共通音「アバン」が特に聴者に強い印象を与える結果、両称呼は相紛らわしい語韻語調となり、時と所を異にした商取引の現場において彼此誤認混同を生じるおそれがある。

よって、本件商標と引用商標は、称呼上類似の商標である。

(2)むすび

以上のとおり、本件商標と引用商標とは称呼上類似の商標で、かつ指定商品も同一ないし類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、これに違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 本件商標

本件商標は、「AVANCE」の欧文字を書してなるところ、これは、「前進、先行、リード、前払い」等を意味するフランス語であるが、該語は、一般に親しまれ、使用されている語ではないことから、特定の意味合いを有しない造語として看取されるものというのが相当である。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「アバンス」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

2 引用商標

引用商標は、「アバンシィ」の片仮名と「AVANSEE」の欧文字を上下に書してなるところ、該両文字は、特定の意味合いを有しない造語と認められるものである。そして、その構成にあって、上段の「アバンシィ」の片仮名は、下段の「AVANSEE」の欧文字の読みを特定したものとして無理なく認識されるものである。

そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「アバンシィ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

3 本件商標と引用商標との類否

本件商標から生ずる「アバンス」の称呼と引用商標から生ずる「アバンシィ」の称呼についてみるに、両者は、「アバン」の3音を共通にし、語尾における「ス」と「シィ」の音において相違するものである。

しかし、語尾における「ス」と「シィ」の音は、強く発音される「バ」の音に吸収されるように弱く発音される「ン」の音に続く音であることによって、比較的しっかりと発音されるものであり、また、両称呼は、共に4音という比較的短い音構成からなる称呼であることも相まって、全体の称呼をそれぞれ一連に称呼した場合、語調、語感が相違したものとなり、互いに聴別し得るものというのが相当である。

また、本件商標と引用商標とは、前記した構成からみて外観上明確に区別し得るものであり、観念においては、いずれも特定の観念を生じないから比較することができない。

その他、本件商標と引用商標とは、これらを類似するものとすべき特段の事情は見いだせない。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れることのない非類似の商標である。

4 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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