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Trademark Appeal Case

称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−685005(T2011−685005/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際登録第1044057号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第1044057号商標(以下「本件商標」という。)は,「NINA L’ELIXIR」の欧文字を書してなり,2009年11月20日にEuropean Communityにおいてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し,2010年(平成22年)5月18日に国際商標登録出願,第3類「Bleaching preparations and other substances for laundry use;cleaning,polishing,scouring and abrasive preparations;soap;perfumery,essential oils,cosmetics,hair lotions;dentifrices.」を指定商品として,平成22年10月28日に登録査定,同年12月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,現に有効に存続しているものである。

(1)登録4671440号商標は,「ELIXIR」の欧文字を標準文字で表してなり,平成14年7月15日に商標登録出願,第3類「化粧品,せっけん類,香料類,歯磨き」を指定商品として,平成15年5月16日に設定登録されたものである。

(2)登録1822150号商標は,「エリクシール」及び「ELIXIR」の文字を上下二段に書してなり,昭和57年3月26日に商標登録出願,第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,昭和60年11月29日に設定登録されたものである。その後,2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,平成18年1月18日に,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(3)登録1881500号商標は,別掲のとおりの構成からなり,昭和58年3月2日に商標登録出願,第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,昭和61年8月28日に設定登録されたものである。その後,2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,平成18年6月14日に,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」とする指定商品の書換登録がされたものである。

以下,上記登録商標をまとめて「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第59号証を提出した。

<申立ての理由>

(1)商標法第4条第1項第11号について

引用商標は,「ELIXIR」の部分において,本件商標の「ELIXIR」と一致しており,その指定商品も本件商標と同一である。したがって,両商標に接した取引者,需要者は,「NINA」「L’」の部分に相違があったとしても,独立して把握,認識されるであろう「ELIXIR」の部分において称呼,観念及び外観を同一とする類似した商標であり,出所の混同を生ずることは容易に想起できるところである。よって,本件商標と引用商標とは,互いに類似するものであり,商標法第4条第1項第11号に該当し,商標登録を受けることができないものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

商標「ELIXIR」は,株式会社資生堂(以下単に「資生堂」という。)が製造販売する商品「化粧品」を指称する商標として需要者,消費者の間において広く知られ著名となっている商標である。したがって,かかる周知,著名な「ELIXIR」と同一の部分を含む本願商標を,出願人が使用した場合,あたかも資生堂の企業グループに属するか或いは同社と業務上何等かの関連を有していると,出所について誤認混同を生じさせるものであるから,商標法第4条第1項第15号の規定に該当する商標である。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,前記1のとおり,「NINA L’ELIXIR」の欧文字を書してなるところ,その構成中,「NINA」及び「L’ELIXIR」の各文字の間に半角程度のスペースを有しているとしても,同書,同大で表され,構成全体としてまとまりよく表示されているものであり,構成文字全体より生ずる「ニナルエリクシール」又は「ニナレリクシール」の称呼も一連に称呼できるものと認められる。

また,本件商標の構成中,「ELIXIR」の文字部分は「(一般に)万能薬.精髄,真髄」の意味を有する英語(ジーニアス英和辞典 大修館書店)であるとしても,「NINA L’ELIXIR」と表した構成文字全体よりは,全体をもって一体不可分の造語と理解し,把握されるとみるのが自然である。

他方,引用商標は,「ELIXIR」の文字,又は,「エリクシール」及び「ELIXIR」の文字を二段に書してなるものであるから,それぞれの構成文字に相応して「エリクシール」の称呼を生ずるものであり,また,「ELIXIR」の文字が,上記のとおりの意味を有することから,「万能薬,精髄,真髄」程の観念を生ずるものである。

そこで,本件商標と引用商標とを比較するに,本件商標から生ずる「ニナルエリクシール」の称呼と,引用商標から生ずる「エリクシール」の称呼とは,語頭における「ニナル」の音の有無により,また、本件商標から生ずる「ニナレリクシール」の称呼と,引用商標から生ずる「エリクシール」の称呼とは,語頭における「ニナレ」と「エ」の音の明確な差異により,互いに相紛れるおそれはなく,明確に聴別し得るものである。

そして,本件商標と引用商標とは,外観構成において顕著な相違があることから,外観上,相紛れるおそれはなく,観念については,本件商標が造語であることから,引用商標と比較することができない。

してみれば,本件商標は,称呼,外観及び観念のいずれの点からみても,引用商標と非類似の商標と判断するのが相当である。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る甲第4号証ないし甲第14号証,甲第19号証ないし甲第51号証の商品カタログ,新聞及び雑誌広告,チラシ,ポスター等からすれば,引用商標は,本件商標の登録出願時及び査定時において,申立人の業務に係る商品「化粧品」を表示する商標として取引者,需要者の間に広く知られていると認められるものである。

しかしながら,たとえ引用商標が申立人に係る商品「化粧品」に永年にわたり使用され,広く知られているとしても,本件商標と引用商標とは,前記(1)のとおり十分に区別し得る別異の商標であるから,商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,申立人の引用商標を想起,連想させるものではないというのが相当であり,申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録は維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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