Trademark Appeal Case
季節名と酒種の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−24089(T2010−24089/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「春吟」の文字を標準文字で表してなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成21年4月22日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、春に蔵出しする吟醸酒を容易に想起させる『春吟』の文字からなるものであるから、これをその指定商品中『春に蔵出しする吟醸酒』に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審において通知した審尋
請求人に対して、平成23年5月12日付けで通知した審尋の内容は、別掲のとおりである。
4 当審の判断
(1)本願商標は、上記1のとおり「春吟」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、上記3の審尋のとおり、「春吟」の文字を標準文字で表してなる本願商標は、これをその指定商品中「春季限定の(又は春に適した)吟醸酒」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、該商品が「春季限定の(又は春に適した)吟醸酒」であることを表したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものというべきものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、これを上記以外の商品に使用するときは、該商品があたかも「春季限定の(又は春に適した)吟醸酒」であるかのように、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は辞典にも掲載されていない請求人が考えた言葉であり、インターネット上での使用はたった1件のみであるから識別力を有する旨主張している。
確かに、上記3の審尋で示した「春吟」の文字(語)の使用例は1件であるが、同審尋で例示したとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、「夏吟」の文字(語)が夏季限定の(又は夏に適した)吟醸酒を表す文字(語)として多数使用されていること、また、「春吟」及び「秋吟」の文字(語)についても、春又は秋の季節限定の(又は季節に適した)吟醸酒を表す文字(語)として使用されている例があることからすると、本願商標は、上述のとおり、取引者、需要者が「春季限定の(又は春に適した)吟醸酒」であるという商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものというのが相当である。
また、請求人は、「春」、「夏」、「秋」若しくは「冬」又は「吟」の文字を含む商標の登録例を挙げ本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、商標が自他商品の識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるところ、上記3の審尋で例示した実情からすれば上述のとおり判断するのが相当である。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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