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Trademark Appeal Case

不使用取消と商品区分

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−301146(T2010−301146/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4404577号商標の指定商品中、「理化学機械器具」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4404577号商標(以下「本件商標」という。)は、「オプティフレックス」の片仮名と「OPTIFLEX」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成11年5月26日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,光ファイバ−,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,加工ガラス(建築用のものを除く。),電気通信機械器具,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として同12年7月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録は、平成22年11月17日にされたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出している。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品のうち「理化学機械器具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 弁駁の理由

被請求人は、本件商標を「光ファイバを用いたシート状の生体影響分析実験装置」(以下「本件商品」という。)に使用している旨述べ、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)及び資料1を提出しているが、被請求人が提出した上記証拠によっては、本件商標が「理化学機械器具」に使用されていることは証明されていない。

(1)被請求人が本件商標を使用しているとする本件商品は如何なるものか、被請求人提出の書面からは全く分からない。

被請求人は、乙第1号証の1及び2を援用して本件商品の説明をしているが、乙第1号証の1及び2のどこを見ても、その説明の根拠となる記述は見当たらない。

なお、被請求人は、本件商標が使用されている商品は「光ファイバを用いたシート状の生体影響分析実験装置」と述べているが、「光ファイバシート」又は「配線シート」が本件商品であるかの如く述べており、被請求人の主張には一貫性が全くない。

(2)被請求人は、本件商品が「理化学機械器具」に該当することが当然であるかの如く議論をしているが、本件商品が「理化学機械器具」に該当することの立証は全くなされていない。

請求人が「生体影響分析実験」及び「生体影響分析」についてインターネットで調べたところ、明確な定義を見つけることはできなかった(甲2、甲3)。

上記事実は、「生体影響分析実験」及び「生体影響分析」の内容又は範囲について共通認識が確立されていないことの証左である。このように、内容又は範囲が不明確な分野で使用される商品が当然に「理化学機械器具」に属するかの如く論じる被請求人の主張は到底認められない。

被請求人は、本件商標が使用されているとする商品が「理化学機械器具」に属することを明確に立証すべきである。

(3)「本件商品は、物理的な外的要因が生体へどのような影響を与えるのかを分析するための」実験装置という記載と、この記載中の「生体へどのような影響を与えるかを分析する」に着目すると、本件商品は、医療用機械器具ではないかと思われる。

乙第3号証にも「医学系研究における生体影響分析実験」なる記載があり、これは、上記推論を裏付ける記載であるといえる。また、乙第3号証の作成者である先生達の帰属は大阪大学大学院医学系研究科である。

これらの事実は、本件商品は、「理化学機械器具」ではなく、「医療用機械器具」であることを強く推認させる。特許庁においても、医療用分析装置は、「医療用機械器具」に属すると判断されている(甲4)。

(4)以上のとおり、被請求人の提出した書類によっては、本件商標がその指定商品中の「理化学機械器具」について使用されていることは証明されていない。

第3 被請求人の答弁及び審尋に対する回答

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)及び資料1を提出している。

被請求人は、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品である本件商品について使用している。

1 本件商品について

本件商品は、シリコーン系粘着剤が塗布されたPI(ポリイミド)基材の上に光ファイバをコイル状に配し、約25ミクロンのPI薄膜で覆った構成からなり、光ファイバの両端には光量の変化を捉えることのできる装置へ接続するためのFC(型光ファイバ)コネクタを備えてなるものである(乙1の1)。

本件商品は、BOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer:ブリルアン光パルス試験器/光ファイバの光学特性(光散乱周波数シフト)の変化から歪みを計測する装置)へ接続することで、光ファイバの任意区間の歪み量を確認することができる装置である。光ファイバの歪みは、外部から加えられる圧力や振動、温度といった物理的要因によって生ずることから、これを人体の下に敷設等することで、人体の特定の部位へどのような圧力や温度などが加えられているかを検出することが可能となる。具体的には、健常者が一般的なベッドで睡眠する場合、どのような姿勢で睡眠すると人体へどのような影響が生ずるかを分析する実験において、ベッドの上に本件商品を単数若しくは複数敷設し、その上に被疑者が横たわることで、被験者がどのような感覚を抱いたかという主観的な感想に加え、被験者のどの部位にどれだけの圧力がかかり、どれだけの熱がこもったかということを、実験実施者は客観的に確認することが可能となる。また、特定の部位に障害を有する看者に適したベッド(素材・形状等)を調べる実験では、患者を想定した被験者とベッドの間に本件商品を敷設することで、被験者の人体へかかる負担を、実験実施者は客観的に確認することが可能となる。

上記のように、本件商品は、物理的な外的要因が生体へどのような影響を与えるのかを分析するための実験装置として用いられるものであり、光ファイバの感度を高くするため、ファイバを覆うシートには極めて薄いPI素材を使用している関係上、PET(ポリエチレンテレフタレート)など比較的強度のある台材に本件商品を貼り付けた状態で取引される(乙1の2)。

本件商品の機能を示すものとして、商標権者が国内外の展示会等で本件商品の小型サンプルを配布する際に同封していたリーフレット(英文)を提出する(乙4)。これらの配布先や配布時期は記録していないため、乙第4号証は、本件商品の販売等を示す書証ではなく、本件商品の機能を示す書証として提出する。

被請求人は、従前より本件商標をネットワーク用光ファイバ配線システムについても使用しているが(資料1)、本件商品は、電気通信が目的ではなく、各研究機関における生体影響分析実験に専ら使用される点で、これらネットワーク用光ファイバとは大きく異なる。

2 本件商標について

使用に係る「OPTIFLEX」の商標は、本件商標と物理的に同一ではないものの、本件商標と同一の称呼「オプティフレックス」が生じ、社会通念上同一と認められるものである。

3 本件商品の使用について

被請求人は、本件商標が付された本件商品を取引先へ持参し、大学の医学系研究機関などに対して営業活動を行っている。本件商品は、その用途の特殊性から広く一般的に流通する類のものではなく、本件商品を必要としているであろう研究者への訪問販売という地道な営業を介した販売が基本であるため、最終的な売買契約には結びつきにくいものであるが、被請求人が現物を用いた営業活動を行っている証左として、乙第3号証を提出する。

大阪大学の春名教授、近江助教の両氏が、本件商品は、上記実験に用いられるものであることの説明を受けたことは、乙第3号証に添付の別紙3において、被請求人に係る生西省吾から「ベッド上の人体圧力センシングへの応用に関しても...」と述べていることからみてとれる。かかる説明から、本件商品は生体に影響する各種の物理的要因を分析するための商品であると両氏が理解したことは別段不自然なことではない。本件商品は、その用途等の特殊性から、訪問販売という営業形式が基本となるため、印刷物としてのカタログを制作せず、現物や資料等を封入したクリアファイルを直接顧客へ提示しているのであって、不自然とみるべきものではない。

以上より、少なくとも2010年7月28日の時点において、第三者に対して譲渡を目的に生産された本件商品に本件商標が付されていたことがわかる。また、乙第2号証は、本件商標が付された被請求人が扱う各種光ファイバシートに関するウェブサイトであるが、「配線シート」として掲載されているもののうち、生体影響分析実験に特化したものが本件商品であり、同ウェブサイトが本件審判の請求の登録前から存在していたことは、乙第3号証の宣誓にあるとおりである。

これら証左が示すとおり、被請求人は、業として生産した本件商品に本件商標を付すと共に、本件商品に関する広告を内容とするウェブサイト情報にも本件商標を付してネット上で提供を行っている。

4 まとめ

前記事実から、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者により、請求に係る指定商品中の本件商品について使用されていることから、商標法第50条の規定により取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断

1 事実認定

被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。

(1)乙第1号証について

乙第1号証の1は、本件商品の写真とするものであり、だいだい色の半透明のシート状の基材に光ファイバをコイル状に配置し、該光ファイバの両端にコネクタ接続した形状からなるものであり、基材の左上には欧文字等が表示されている。

乙第1号証の2は、台材に上記形状の商品を貼り付けた状態を写した写真である。

乙第1号証の3は、上記欧文字等を拡大した写真であり、上段に「OPTIFLEX(右肩に「○内にR」の記号が付されている。)」の文字が表示されており、2段目に「S/N:」及び3段目に「TYPE:」として、それぞれに手書きによるアルファベットと数字が記載されており、最下段には「MITSUBISHI CABLE INDUSTRIES,LTD.」の社名が表示されている。

そして、乙第1号証の1ないし3は、平成22年12月23日に撮影されたものである。

(2)乙第2号証について

乙第2号証は、被請求人のウェブサイト(URL http://www.mitsubishi-cable.co.jp/seihin/hikarinetwork/fibersheet/Top.htm)とするものであり、1枚目には、「OPTIFLEX(右肩に「○内にR」の記号が付されている。)光ファイバシート」の表題の下に、「スペースがない、冷却の妨げになっている 光が安定しない、モードが安定しない ファイバ長を精密に調整したい メタル配線は限界、光にしたいけど」と記載されており、2枚目には、1枚目と同じ表題の下に、「配線シート」なる副題があり、8本の光ファイバを凹凸状に配置した写真などとともに、「特徴」として、「・ファイバを高精度配線(長さ誤差1%以内)」、「・視認性が高い」、「・豊富な光ファイバ」、「・高信頼性・難燃性」などが記載されており、その外に、主な仕様が記載されている。

(3)乙第3号証について

乙第3号証は、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻・医用物理工学講座・特任教授の春名正光(以下「春名教授」という。)及び大阪大学大学院医学系研究科助教の近江雅人の連名の平成22年12月21日付け宣誓書であり、次のとおり記載されている。

1.2010年7月28日、三菱電線工業株式会社の生西省吾氏および中原秀起氏と面談し(以下、「本件面談」という。)、商標「OPTIFLEX」が付された別紙1に示す同社商品(以下「本件商品」という。)の提示を受けたこと。

2.本件商品は、光ファイバシートであって、医学系研究における生体影響分析実験において、生体に影響する各種の物理的要因を分析するための商品であると理解したこと。

3.本件面談において、商標「OPTIFLEX」が付された別紙2に示す資料の提示を受けたこと。

4.本件面談において、本件商品を実際に購入することが可能である旨の説明を受けたこと。

5.本件面談の翌日である2010年7月29日、別紙3に示す電子メール(以下「本件メール」という。)を生西省吾氏より受領したこと。

6.本件メールに記載されているウェブサイト(http://www.mitsubishi-cable.co.jp/seihin/hikarinetwork/fibersheet/Top.htm)が別紙4に示すものであったこと。

以上のとおりに相違ありません。

そして、かかる宣誓書には、別紙1から別紙4が添付されており、別紙1は、本件商品の写真とするものであり、乙第1号証の2とほぼ同じものが袋状のシートに納められている。

別紙2は、OPTIFLEX光ファイバーシート資料の写しであり、1枚目の上段に、「OPTIFLEX(右肩に「○内にR」の記号が付されている。)光ファイバシート」の表題と「三菱電線工業株式会社」の各文字が記載され、下段に、上記と同じ表題の下に、「光ファイバを操る」の文字と共に、各種商品の写真が掲載されている。

2枚目には、上段に1枚目と同じ表題の下に、「光ファイバを自在に操る技術」などの記載、下段に、上記と同じ表題の下に、「配線シート」なる副題があり、8本の光ファイバを凹凸状に配置した写真などとともに、「特徴」として、「・ファイバを高精度配線(長さ誤差1%以内)」、「・視認性が高い」、「・豊富な光ファイバ」、「・高信頼性」などが記載されている。

3枚目には、上段に1枚目と同じ表題の下に、「光ファイバコイル」などの記載、下段に、上記と同じ標題の下に、「カプラシート」などの記載がされている。

4枚目には、1枚目と同じ表題の下に、「ハイスペックな3種の製品群」、「・配線シート」、「・コイルシート」、「・カプラシート」などの記載とともに各種商品の写真が掲載されている。

別紙3は、三菱電線工業株式会社、生西省吾から春名教授、近江助教にあてた2010年7月29日付け電子メールの写しであり、「昨日は、貴重なお時間とお話ありがとうございました。」とともに、「ベッド上の人体圧力センシングへの応用に関しても、ベッド開発の方あるいはセンサー開発の方々が、少しでも御興味があるようでしたら可能性があるようでしたら、御紹介させて頂きたい...」旨記載されている。

別紙4は、三菱電線工業株式会社ウェブサイトの写しであり、1枚目には、「OPTIFLEX(右肩に「○内にR」の記号が付されている。)光ファイバシート」の表題の下に、「スペースがない、冷却の妨げになっている 光が安定しない、モードが安定しない ファイバ長を精密に調整したい メタル配線は限界、光にしたいけど」と記載されており、2枚目には、1枚目と同じ表題の下に、「配線シート」なる副題があり、8本の光ファイバを凹凸状に配置した写真などとともに、「特徴」として、「ファイバを高精度配線(長さ誤差1%以内)」、「視認性が高い」、「豊富な光ファイバ」、「・高信頼性・難燃性」などが記載されており、その外に、主な仕様などが記載されている。

そして、上記別紙4は、その記載内容からして乙第2号証と同じものである。

(4)乙第4号証について

乙第4号証の1は、平成23年7月11日に撮影した本件商品のサンプル袋の写真とするものであり、袋の表面には、「Optical Fiber Flat Coil Sheet」の表題の下に、「APPLICATIONS」、「FEATURES」、「SPECIFICAT」の副題の下、欧文字による説明が記載され、最下段には「MITSUBISHI CABLE INDUSTRIES,LTD.」の社名が記載されている。

そして、サンプル袋には、だいだい色の半透明のシート状の基材に光ファイバをコイル状に配置したものが納められている。

乙第4号証の2は、上記袋に納められた商品の写真であるが、本件商標などの記載はない。

乙第4号証の3は、上記サンプル袋の表面に記載された文字などと同じ態様からなるリーフレットの写しとするものである。なお、その訳文には、「用途」の項に、「光学検出:温度、圧力、振動、他」、「特性」の項に、「薄い、小さい、軽い 高密度供給、高密度配線配置」のほか、仕様などが記載されている。

2 判断

(1)商品の写真(乙1の3)、ウェブサイト(乙2)、宣誓書(乙3)の別紙1及び2に記載された「OPTIFLEX」の文字(以下「使用商標」という。)は、「オプティフレックス」の片仮名と「OPTIFLEX」の欧文字とを二段に横書きしてなる本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。

また、商品の写真(乙1の3)に記載された「MITSUBISHI CABLE INDUSTRIES,LTD.」の欧文字は、商標権者の社名を欧文字で表したものと優に推認することができるから、使用商標の使用者は、商標権者(被請求人)ということができる。

さらに、宣誓書(乙3)に記載された、商標権者が営業活動をしたとする「2010年7月28日」は、本件審判の請求の登録前3年以内に該当する。

上記について、当事者間に争いはない。

(2)被請求人は、業として生産した本件商品に本件商標を付すとともに、本件商品に関する広告を内容とするウェブサイト情報にも本件商標を付している旨主張するところ、商標法第50条所定の商標不使用取消審判請求の審理に際し、商標権者(専用使用権者又は通常使用権者を含む。)において商標を使用している当該商品が、請求人が取消しを求めた「指定商品」に含まれるか否かを判断するに当たっては、商標権者等の使用に係る当該商品について、単に形式的、画一的に考察すべきでなく、取引の実情や需要者、取引者の認識、社会通念等を総合して考察すべきと解される。

以下、これを踏まえて検討する。

ア 被請求人が本件商標を使用したとする本件商品は、だいだい色の半透明のシート状の基材に光ファイバをコイル状に配置し、該光ファイバの両端にコネクタを接続した形状からなるものであることが認められる(乙1の1〜3、乙3の別紙1)。

しかし、本件商品には、使用商標のほか、「S/N:」及び「TYPE:」などの表示を認めることができるものであるが、商品の性状などを説明する記述は見当たらない(乙1の1〜3、乙3の別紙1)。

イ 被請求人のウェブサイト(乙2)には、光ファイバシートについて、「スペースがない」、「冷却の妨げ」、「メタル配線は限界、光にしたい」などの記載が認められ、2枚目には、「配線シート」の副題の下、8本の光ファイバを凹凸状に配置した写真などとともに、「特徴」として「・ファイバを高精度配線(長さ誤差1%以内)」、「・視認性が高い」、「・豊富な光ファイバ」、「・高信頼性・難燃性」などの記載が認められる。

ウ 宣誓書(乙3)には、春名教授らが商標権者に係る者から本件商品の提示を受けたこと、本件商品は、生体影響分析実験において、各種の物理的要因を分析するための商品であると理解したこと、別紙2の提示を受けたこと、別紙3の電子メールを受領したことなどの記載が認められる。

そして、別紙1は、乙第1号証の1ないし3とほぼ同じ商品であり、別紙2は、2枚目が乙第2号証の2枚目と主要な記載を同じくするものであることが認められる。

また、別紙3には、「昨日は、・・・お話ありがとうございました。」及び「ベッド上の人体圧力センシングへの応用」に関しても、「ベッド開発、センサー開発の者に紹介させていただきたい」旨の記載が認められる。

さらに、別紙4は、乙第2号証と同じものと認められる。

エ 本件商品の機能を説明する証拠(乙4の1〜3)には、サンプル袋の表面及びリーフレットに、「Optical Fiber Flat Coil Sheet」の表題の下に、「APPLICATIONS」、「FEATURES」、「SPECIFICATION」の副題の下、欧文字による説明が記載されており、これらは、「用途(APPLICATIONS)」の下に「光学検出:温度、圧力、振動、他」、「特性(FEATURES)」の下に「薄い、小さい、軽い 高密度供給、高密度配線配置」の意味を表すものと認められる。

ところで、請求に係る指定商品「理化学機械器具」は、自然科学の研究用又は実験用に専ら使用される機械器具(「商品及び役務の区分解説〔国際分類第9版対応〕」特許庁商標課編)であり、日常一般に使用される商品とはいえず、その需要者は、相当の専門的な知識を有するとみられることから、その注意力は比較的高いと考えられるとしても、被請求人が本件商品を示すものとして提出した乙各号証には、これが「生体影響分析実験装置」であることを取引者、需要者が認識、把握し得るとみるべき表示は見当たらない。

また、被請求人の主張によれば、本件商品は、物理的な外的要因が生体へどのような影響を与えるのかを分析するための実験装置であって、ベッドの上に本件商品を単数若しくは複数敷設するものであるところ、ウェブサイトなど(乙2、乙3の別紙2)には、「スペースがない」、「冷却の妨げ」、「メタル配線は限界、光にしたい」、「視認性が高い」などと記載されているのであり、これらのような表示に接した取引者、需要者が本件商品をベッドに敷設して使用する実験装置を認識するとは到底いえないものであり、むしろ、光ファイバは、「光を送るための極めて細い線状のガラス。光通信や医学用内視鏡などに用いる。」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店発行)を意味する語として一般に知られているといえるものであるから、たとえ、本件商品に係る取引者、需要者の注意力が比較的高いといえるとしても、ウェブサイトなど(乙2、乙3の別紙2)は、請求に係る指定商品「理化学機械器具」ではなく、通信などに用いる商品の広告表示として認識されるとみるのが自然である。

そして、「配線シート」の文字自体が「生体影響分析実験装置」を意味するものとみるべき証拠はなく、かかる文字中の「配線」の語は、「電気機械や電子機器の各部分品を電線で連絡すること。また、その電線。」(前出「広辞苑第六版」)、「回路や回線を構成するため、電線や通信線をつなぐこと。また、その線」(「大辞林第三版」株式会社三省堂発行)を意味するものとして一般に知られているものといえるから、ウェブサイトなど(乙2、乙3の別紙2)に、かかる「配線シート」の文字とともに、「特徴」として各種記載があることをもってしても、これに接する取引者、需要者は、本件商品が「生体影響分析実験装置」なる商品あるいは「理化学機械器具」に使用される商品とは理解し得ないというべきである。

また、ウェブサイトなど(乙2、乙3の別紙2)には、「配線シート」の副題の下に、8本の光ファイバを凹凸状に配置した写真などが掲載されているところ、その形状は、被請求人が主張する本件商品の形状と明らかに異なるものであり、該ウェブサイトなどの記載全体を総合してみても、被請求人が主張する「『配線シート』として掲載されているもののうち、生体影響分析実験に特化」した本件商品を取引者、需要者が直ちに認識、把握するとはいえない。

さらに、被請求人の提出に係る証拠を総合的にみても、「シート状の基材に光ファイバをコイル状に配置」した形状自体から、「生体影響分析実験装置」なる商品を取引者、需要者が直ちに認識、把握するとみるべき事情も見いだせない。

したがって、ウェブサイトなど(乙2、乙3の別紙2)は、請求に係る指定商品「理化学機械器具」に関する広告ではなく、通信などに用いる商品の広告といわざるを得ない。

なお、付言するに、被請求人に係るウェブサイト(別掲参照。URL http://www.mitsubishi-cable.co.jp/ja/products/field/info-tech.html)には、「光ファイバ応用製品」の見出しの下、「配線型ファイバシート」の項に「用途」として「通信機器、ハイスペックPCなど」、「使用メリット」として「多数の光ファイバを一括にオンデマンドに配線することにより省電力で高速度通信が可能になります。」と記載されており、該「配線型ファイバシート」の部分をクリックすると、乙第2号証の1枚目のウェブサイトにに遷移することからも、上記のように判断することが妥当である。

次に、宣誓書(乙3)には、春名教授らが「本件商品は、光ファイバシートであって、医学系研究における生体影響分析実験において、生体に影響する各種の物理的要因を分析するための商品であると理解した」と記載されているところ、該宣誓書に添付された別紙1ないし4は、上記のとおりであり、たとえ、春名教授らが極めて高度な知識を有する者であるとしても、いかなる記述をもって、かかる理解に至ったのかは、明らかでなく、そもそも、宣誓書全体の記載をみても、2010年7月28日の面談時において、本件商品がいつの時点で取引可能な商品であるかまでも明確にしたものとは認められない。

そして、商標法第50条所定の「商品」とは、流通性があり市場で取引の対象となり得るものと解されるところ(東京高等裁判所平成15年(行ケ)第14号同年5月20日判決参照)、取引市場で販売される前に販売促進のために商品の模型、見本を展示、頒布する行為は、「商品に関する広告を頒布する行為」(商標法第2条第3項第8号参照)に該当するとみられるとしても、広告を目的としない商品を開発する過程で製作された見本などは、いまだ取引市場で流通するものではなく、広告を頒布する行為にも該当しないから、たとえ、商品の開発に従事する者が他人に、かかる見本を提示したとしても、これをもって、商標法上の商品ということはできないと解される。

そうすると、本件商品は、「光を送るための極めて細い線状のガラス。光通信や医学用内視鏡などに用いる。」(前出「広辞苑第六版」)を意味する語として一般に知られている光ファイバを人体への影響を分析するための実験に用いるために開発していたものということができるとしても、宣誓書(乙3)をもって、本件審判の請求の登録前3年以内に市場で取引の対象となったものとはいえない。

(3)被請求人の主張について

ア 被請求人は、本件商品は一般的に流通する類のものではなく、本件商品を必要としているであろう研究者への訪問販売が基本であるとして、被請求人が現物を用いた営業活動を行っている旨主張し、乙第3号証を提出する。

一般的に流通するようなものでない特殊な商品は、訪問販売によって取引されることを何ら否定するものではないが、本件商品が製造され、取引可能となっているのであれば、たとえ、訪問販売を基本としたとしても、顧客が、販売に係る商品の機能、用途、使用方法などを客観的に認識できる商品説明書やパンフレットなどが作成されているのが通常であると考えられるところ、被請求人の生西省吾らが春名教授らに提示したものは、商品の現物や乙第2号証と同様の被請求人のウェブサイトの写しのみであって、被請求人が本件商品の機能を示すものとするリーフレット(乙4の3)や商品説明書、パンフレットなどが提示された形跡は認められない。

さらに、本件商品が業として生産され、市場で取引の対象となっているのであれば、価格表を顧客に提示することに支障があるとは考えられないものであるが、被請求人は、春名教授らに価格表ですら提示していない。

しかも、本件商品の左肩に表示されている「OPTIFLEX」の欧文字の下には、「S/N:」及び「TYPE:」として手書きによるアルファベットや数字が記載されており(乙1の3、乙3の別紙1)、これが完成された商品にして現に製造・販売されている商品であるとするならば、このような手書きの文字が記載されているのは、あまりにも不自然なことといわなければならない。

そして、かかる訪問販売において春名教授らが提示された被請求人のウェブサイト(乙3の別紙2、同4)は、前記(2)のとおり、その記載内容をもって、「生体影響分析実験装置」なる商品を認識、理解し得ないというべきものである。

したがって、被請求人の上記主張は、採用することができない。

イ 被請求人は、本件商品は電気通信が目的ではなく、各研究機関における生体影響分析実験に専ら使用される点で、ネットワーク用光ファイバと大きく異なる旨主張する。

しかし、本件商品は、前記(2)のとおり、乙各号証によって「生体影響分析実験装置」であることを取引者、需要者が認識、把握し得るとみるべき表示は見当たらず、また、ウェブサイトなど(乙2、乙3の別紙2)に記載された「スペースがない」、「冷却の妨げ」、「メタル配線は限界、光にしたい」、「視認性が高い」などの表示に接した取引者、需要者が本件商品をベッドに敷設することを認識するとは到底いえないものでもあるから、通信などに使用される商品と認識されるとみるのが自然であり、請求に係る指定商品「理化学機械器具」の範ちゅうに属する商品と認識されるといえない。

したがって、被請求人の上記主張は、採用することができない。

(4)小括

以上によれば、被請求人が本件商標を使用しているとするウェブサイトなど(乙2、乙3の別紙2)は、請求に係る指定商品「理化学機械器具」あるいは本件商品に係る広告とは認められず、また、本件商品は、商標法上の商品、すなわち、流通性があり市場で取引の対象となるものとも認められない。

なお、当審は、平成23年6月10日付け審尋において、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品について本件商標の使用を証明する証拠の提出を求めたが、被請求人は、本件商標が請求に係る指定商品に使用されていたと認めるに足る新たな証拠を提出していない。

したがって、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品のいずれかについて本件商標の使用をしたとは認められない。

3 まとめ

以上のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、請求に係る指定商品「理化学機械器具」についての登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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