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Trademark Appeal Case

複合商標の要部抽出と類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2010−890108(T2010−890108/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5345545号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

登録第5345545号商標(以下、「本件商標」という。)は、「Accessoires」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年1月19日に登録出願、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、平成22年8月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人が引用する商願2009ー51582号商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成20年11月28日に出願された商願2008ー96352をもとの出願とする商標法第10条に基づく新たな出願として、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、平成21年7月8日に登録出願されたものであり、前記商品を指定商品として、平成22年12月10日に設定登録(登録第5375083号)されたものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第11号証を提出した。

(1)無効事由

本件商標は、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものであり、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。

(2)審判請求の利益

請求人は、商願2009−51582(甲第2号証)の出願人である。

したがって、本件商標の無効処分につき利害関係を有するものであり、本件審判の請求人適格を有する者である。

(3)無効原因

ア 引用商標にかかる出願は、平成21年7月8日に提出されたものであるが、商願2008−96352(甲第5号証)を原出願として適法に出願分割されたものである。したがって、引用商標にかかる出願は商標法第10条第2項の利益を享受することになり、もとの商標登録出願の時にしたものとみなされるため、平成20年11月28日に出願したものとみなされる。

すなわち、引用商標に係る出願は本件商標の出願の日よりも先に出願されたものである。

そして、本件商標が査定を受けた時点で有効に存続していたもので、現在では登録の審決を受けている(甲第4号証)。

イ 指定商品については、本件商標と引用商標の出願のいずれも第18類の「かばん類、袋物」を指定しており、同一であることは明らかである。

ウ 次に、商標について検討するに、本件商標は欧文字「Accessoires」で標準文字からなる。

一方、引用商標は、上部に「spick」「and」「span」の文字が黒四角形中に白抜きで書されており、その下に「accessoires」の文字が配された構成からなる。この「accessoires」の文字は黒四角形の中に配されておらず、文字の太さも「spick」「and」「span」とは異なるため、視覚上上部と下部は分離して把握される。

また、称呼においても欧文字全部を一体に発音できるも「スピックアンドスパンアクセソワ」とかなり冗長となるため、外観上の分離される「spick」「and」「span」と「accessoires」とで別々に発音される場合があると考えるのが自然である。

以上から、引用商標は「accessoires」のみからも称呼が生じ、この称呼は本件商標と同一となる。したがって、本件商標と引用商標は類似の商標である。

かかる判断は特許庁でも同様になされている。即ち、請求人は引用商標のもとの出願である商願2008−96352(甲第5号証)に関して、拒絶理由通知を受けた(甲第6号証)。拒絶理由には商標法第4条第1項第11号に該当するとの理由があり、以下が引例として挙げられた。

(ア)登録第4973930号(甲第7号証)

(イ)登録第5026228号(甲第8号証)

(ウ)商願2006−5355

(エ)商願2008−74460

このうち、(ア)と(イ)は被請求人が権利者となっている商標登録であり、商標は本件商標と同一である。

なお、引用商標についても商標法第4条第1項第11号に関する拒絶理由通知を受けたが、挙げられた引例は上記4つと同じである(甲第9号証)。この引用商標にかかる出願は拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判を請求し、平成22年11月19日付発送で登録すべき旨の審決をうけている(甲第4号証)。この審決書によると商標法第4条第1項第11号が解消した理由について「本願商標の指定商品は、引用商標1ないし4の指定商品及び指定役務とは類似しないものとなった」と述べている。これは商標が同一又は類似であることを前提としている。

さらに、請求人は、引用商標に係る出願を分割した出願(商願2010−36441)を平成22年5月11日行った(甲第10号証)。この出願も上記2出願と同じ拒絶理由とする拒絶理由通知書を受け取っている(甲第11号証)。このように特許庁においても本件商標と引用商標は類似の商標と判断している。

そして、指定商品も第18類の「かばん類、袋物」と第25類「被服」や第14類「身飾品」はファッション性の高い商品であり、販売場所や需要者層につき一致を見る場合が多いため、上記で挙げた特許庁の判断例は事案を共通にするもので、本件商標と引用商標の類似を判断するに考慮しなければならない事案である。

エ 以上述べたとおり、本件商標は、引用商標と同一又は類似する商標で、同一又は類似の商品を指定しており、引用商標よりも出願日が後であるにもかかわらず登録されたものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、答弁していない。

4 当審の判断

(1)本件商標は、「Accessoires」の欧文字を横書きに表してなるところ、その構成文字に相応して「アクセソワール」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念を生じさせない造語として看取されるというのが相当である。

他方、引用商標は、別掲に示すとおりの構成からなるところ、上段の黒塗り矩形部分と下段の「accessoires」の文字部分とは、視覚上明らかに分離している上、観念的にも常に不可分一体に観察しなければならない理由は見いだせない。そして、上段の矩形内に表された「spick and span」の欧文字も、「新調の、真新しい」を意味する既成の英熟語であって、その語義を指定商品との関係でみれば、識別力が決して強いとは言い難いものである。

しかして、「accessoires」の欧文字部分は、独立しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、該「accessoires」の欧文字に相応して「アクセソワール」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念を生じさせない造語からなるものとして看取されるというのが相当である。

(2)本件商標と引用商標との類否について判断する。

本件商標と引用商標とは、全体としての外観構成は相違するが、本件商標の構成文字「Accessoires」と、引用商標の構成中、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「accessoires」の欧文字部分とは、語頭が大文字か小文字かの相違がある以外、他の構成及び文字列を同じにするものであり、かかる部分における印象は酷似するものである。

そして、該文字部分は、ともに「アクセソワール」の称呼を共通にするものであるから、称呼上相紛らわしいものである。

また、両商標は、観念において比較し得ない。

(3)そうとすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較し得ないとしても、外観において、「Accessoires」の欧文字と「accessoires」の欧文字部分が酷似し、それらの称呼である「アクセソワール」を共通することとなどを総合してみた場合、本件商標と引用商標とを同一又は類似する商品に使用すれば、同一の事業者の製造又は販売に係る商品であるかの如く、商品の出所について誤認混同を生じるおそれがあるから、類似する商標と判断されるものである。

また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、ともに「かばん類,袋物」であるから、両商標は、同一又は類似の商品に使用されるものである。

そして、引用商標は、本件商標の出願よりも先の出願に係るものであることが明らかである。

したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に規定する最先の出願ということはできないものである。

(4)以上のとおり、本件商標は商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項に基づき、その登録を無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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