結論テキスト
審判費用は,被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2010−301350(T2010−301350/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2252544号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,昭和61年5月15日に登録出願,第22類「はき物」を指定商品として,平成2年7月30日に設定登録され,その後,平成12年5月16日及び平成22年8月3日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ,さらに,平成22年8月18日に,指定商品を第25類「履物」とする指定商品の書換の登録がされたものであり,その商標権は,現に有効に存続しているものである。
請求人は,結論同旨の審決を求めると申し立て,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べた。
(1)請求の理由
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから,その登録は,商標法第50条第1項の規定により,取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 本件商標は,丸みを帯びた二重の正方形の中に矢印のような図形を配した図形部分と,「SPIRALE」及び「スパイラル」の文字を二段書きした文字部分が結合したひとまとまりの商標である。
イ しかしながら,乙各号証の中には,「Spirale」,「SPIRALE」又は「スパイラル」の文字が表示されている事実が認められるものの,いずれにも本件商標の構成要素である図形部分は表示されていない。
本件商標中の図形部分は,独立して商品の出所表示機能を充分に果たし得るものであって,単に付記的部分であるということはできないものである。そうすると,当該図形部分を伴わない「Spirale」,「SPIRALE」又は「スパイラル」のみの使用は,本件商標と社会通念上同一の商標の使用であるとは到底いい得ないものである。
したがって,本件商標中の当該図形部分が他の構成要素とともに「履物」について使用された事実が証明されない以上,被請求人の示す使用例が,本件商標と社会通念上同一の商標の使用事実と認められる余地はない。
ウ 以上の理由から,乙各号証は,本件審判請求の登録前3年以内の本件商標の日本国内における指定商品「履物」についての使用事実を立証するものではない。
被請求人は,「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し,その理由を要旨次のとおり述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第6号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)使用の事実
商標権者又は商標権者から使用許諾を得ている通常使用権者は,以下のとおり,本件商標を,指定商品「履物(靴)」について,審判請求の登録前3年以上継続して日本国内において使用しており,現在も継続して使用している。
ア 乙第2号証は,使用状態を示す写真である。
乙第2号証の1は,靴箱内に靴が収納され,蓋を開いた状態で該蓋及びタグに「Spirale」の欧文字が表示されている,乙第2号証の2は,その靴箱から靴を取り出した状態,乙第2号証の3は,その靴の中底面に「Spirale」の欧文字が表示されている状態,乙第2号証の4は,該タグを拡大した状態,乙第2号証の5は,該タグを開き内面にも「Spirale」の欧文字が表示されている状態,乙第2号証の6は,該タグを外した状態で靴箱の上面及び靴の中底面に「Spirale」の欧文字が表示されている,乙第2号証の7ないし10は,靴箱を示す状態でその上面や側面に「Spirale」の欧文字が明確に表示されていると共に品番としての「DR5018」やカラーとしての「BLACK」,販売会社としての「SECAICHO CORPORATION」などが明らかにされている。乙第2号証の11は,これらの写真を撮影(作成)した事実の説明書である。
乙第2号証に示された履物(靴)は,世界長株式會社(以下「世界長」という。)の販売に係る商品であり,世界長は,本件商標の商標権者の100%出資子会社であって使用許諾を得ている通常使用権者である。
イ 乙第3号証は,世界長の販売に係る履物(靴)における2010年の新商品である「SPIRALE」の資料であり,イメージ写真,商品番号やカラーの記号などが掲載されている。
ウ 乙第4号証及び乙第5号証は,発注書及び売上伝票の写しである。
乙第4号証には,世界長が納入者である株式会社ローウェルジャパンに発注した日付(平成22年3月25日,平成22年5月24日)が明示されており,ブランド名として「SPIRALE」及び商品名/品番,カラーの記載もあり,該商品名/品番,カラーは乙第3号証の記載内容と一致するものである。
乙第5号証には,世界長が販売店である得意先名(セシール志度商品加エセンター,株式会社ワシントン靴店本部,株式会社ダイワ靴店など)と出荷日付(10年7月29日,10年8月5日,10年9月6日)と商品コード・品名が明示されている。該商品コード・品名などは,乙第3号証の記載内容と一致するものである。
エ 乙第6号証は,インターネット「Google」における「スパイラル靴」の検索資料である。乙第6号証に掲載されている品番(DR−S5008・5009・5010など)は,乙第3号証に掲載されている品番とは異なるが,2010年製品以前の例えば,2009年製品の品番であり,商品名・ブランド名としては「スパイラル」,「Spirale」として通販されている商品である。
オ 以上の乙号証は,本件商標の使用の事実を示す一例であるが,これらから商品「履物(靴)」について「SPIRALE」,「スパイラル」,「spirale」の文字が商標として表示されて使用されている事実が明らかであり,かつ,本件審判の請求の登録前3年以内に係る期間内であることも明らかである。
(2)むすび
よって,本件商標は,その登録を取消される理由がない。
(1)乙第2号証の1ないし乙第6号証の4によれば,以下の事実を認めることができる。
ア 乙第2号証の1ないし11は,平成23年3月3日に撮影された使用に係る商品「紳士靴」・その包装箱・紳士靴に付されたタグの各写真及び撮影(作成)説明書であるところ,包装箱の上蓋の上面及び側面には,「Spirale」の文字が大きく表示され,その下に,「by Dr.ASSY」の文字がやや小さく表示されている。また,靴の中底面,タグにも同様に,「Spirale」の文字が大きく表示され,その下に,「by Dr.ASSY」の文字がやや小さく表示されている(なお,タグを開いた状態の内側の表示は,「Spirale」の文字と「by Dr.ASSY」の文字とは,離れた状態で表示されている。)。さらに,包装箱のうち,靴を収納する箱の側面には,「Dr.ASSY」,「DR5018」,「25.0cm」,「BLACK」などと記載され,他の側面には,「SECAICHO CORPORATION」の文字が表示されている。
イ 乙第3号証は,「2010AW新製品」,「SPIRALE」との表示のもとに,4種類の品番の紳士靴が掲載された印刷物であるところ,これらの品番は,上から順に,「Dr5015」,「Dr5016」,「Dr5017」,「Dr5018」と記載されている。
ウ 乙第4号証の1及び2は,世界長が「(株)ローウェルジャパン」に宛てた平成22年3月25日付け及び平成22年5月24日付けの「発注書」であるところ,ここには,「ブランド名 SPIRALE by Assy 新製品」と記載され,「商品名/品番」欄には,乙第3号証に記載された品番と同一と認められる「DR5015」,「DR5016」,「DR5017」,「DR5018」の記載がある。
エ 乙第5号証の1ないし10は,世界長がその顧客である「セシール志度商品加エセンター」,「株式会社ワシントン靴店本部」,「株式会社ダイワ靴店」に宛てた,出荷日を2010年7月29日,2010年8月5日,2010年9月6日とする「売上伝票」10通であるところ,その「商品コード・品名」欄には,それぞれ「DR−5015」,「DR−5017」の記載がある。
オ 乙第6号証の1ないし4は,「スパイラル」,「Spirale」と表示された紳士靴がインターネットを介して通信販売されている事実を示すものであるが,ここには,世界長や商標権者の名称はなく,インターネット上で通信販売する第三者の名称が掲載されている。
(2)前記(1)で認定した事実によれば,本件商標の通常使用権者と認められる世界長(当事者間に争いのない事実。)は,その販売に係る商品「紳士靴」について,「Spirale」又は「SPIRALE」の文字よりなる商標を付して,本件審判の請求の登録(平成23年1月18日)前3年以内に,日本国内に所在する靴販売会社に販売していたと推認することができる。
(3)そこで,通常使用権者の使用に係る商標「Spirale」(以下「使用商標1」という。)及び「SPIRALE」(以下「使用商標2」という。)が本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるか否かについて,以下,検討する。
本件商標は,別掲のとおり,四隅を丸くした二重の正方形状輪郭内に,鉤状の図形を配した図形を描き,その下に,「SPIRALE」の文字と「スパイラル」の文字を二段に横書きした,図形と文字とを結合した構成からなるものである。そして,本件商標中の図形部分(以下「本件図形」という。)は,本件商標中,看者の注意を引くように,上段に大きく描かれているものであり,他方,本件図形の下に横書きされた「SPIRALE」,「スパイラル」の各文字部分も,本件図形と大きさの点において,優劣をつけがたい程度に看者の注意を引くような大きさで書されているものであって,本件図形と文字部分は,これらが本件商標中に占める大きさからみて,いずれもが主要部分として認識されるものであって,いずれかが付記的な部分として認識されるというものではない。
これに対して,使用商標1は,本件商標中の欧文字部分である「SPIRALE」の2文字以下を小文字で表したものの使用であり,使用商標2は,本件商標中の欧文字部分の使用であるから,使用商標1及び2は,本件商標において要部と認識される本件図形が存在しない。
してみると,使用商標1及び2は,本件商標とは,外観において著しく異なるものであるから,外観上同視することができない商標というべきであって,本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできない。
なお,付言すれば,本件商標中の「SPIRALE」の文字部分は,その下に「スパイラル」の片仮名表記があるものの,「スパイラル」と発音される英語「spiral」ではなく,「スピラレ」あるいは「スピラル」と発音されるフランス語,イタリア語又はドイツ語と認められるから,使用商標1及び2は,必ずしも「スパイラル」の称呼のみが生ずるものではない。また,被請求人は,「スパイラル」,「Spirale」と表示された紳士靴が通信販売されている事実を示す乙第6号証の1ないし4を提出するが,これらの証拠は,前記(1)オ認定のとおり,世界長や商標権者の名称はないから,当該証拠をもって,世界長や商標権者が紳士靴について,「スパイラル」,「Spirale」の各商標の使用をしているものと認めることはできない。
以上によれば,本件商標の通常使用権者は,本件審判の請求の登録前3年以内に,本件商標ないしこれと社会通念上同一と認められる商標の使用をしていなかったものといわざるを得ない。その他,商標権者ないし通常使用権者が,本件審判の請求の登録前3年以内に,請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標の使用をしていたことを認めるに足りる証拠は見出せない。
(4)むすび
以上のとおりであるから,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標の使用をしていたことを証明したとはいえず,また,使用をしていないことについて,正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。