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Trademark Appeal Case

不使用取消 使用証拠の有効性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−301307(T2010−301307/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2317875号商標に係る指定商品中の「第25類 被服(但し,セーター類,ワイシャツ類,寝間着き類,下着,水泳着,水泳帽を除く)」については,その登録は取り消す。
審判費用は,被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2317875号商標(以下「本件商標」という。)は,「Touch me」の文字を横書きしてなり,昭和63年7月7日に登録出願,第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として平成3年6月28日に設定登録され,その後,平成13年2月6日に商標権の存続期間の更新登録がされ,さらに,平成13年2月28日に指定商品を第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」,第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」,第24類「布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする書換登録がされたが,このうち第20類及び第24類に属する商品についてのみ,平成23年1月25日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

なお,商標権の存続期間の更新申請がされないときは,その商標権は存続期間の満了の時にさかのぼって消滅したものとみなされるから(商標法第20条第4項),本件商標の指定商品の区分第22類及び第25類に属する商品については,第1回目の更新登録後の満了日である平成23年6月28日に消滅したものとみなされる。

一方,本件審判は平成22年12月10日に請求されているから,その請求時には上記第22類及び第25類に属する商品についても本件商標権は有効に存続していたものである。

第2 請求人の主張の要点

請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1及び第2号証を提出している。

1 請求の理由

被請求人は,本件商標を日本国内において,その指定商品中の第25類「被服(但し,セーター類,ワイシャツ類,寝間着き類,下着,水泳着,水泳帽を除く。)」について継続して3年以上使用していない。また,本件商標については,専用使用権者若しくは通常使用権者の登録もなく,別に使用権者による使用も何ら存在しない(甲第1号証)。さらに,本件商標については,不使用についての正当な理由も存在しない。

よって,本件商標は,商標法第50条第1項の規定により,上記指定商品についての登録を取消すべきものである。

2 弁駁の理由

(1)乙第2号証について

被請求人の提出に係る証拠で,本件商標の使用を立証しているのは,乙第2号証のみである。

被請求人は,乙第2号証について,平成20年に開催された「秋旬寝具特別大奉仕」キャンペーンの「はがきの案内状」と主張しているが,はがきの表裏の文言から不自然と認められる。

上記はがきの表書きには,「秋旬寝具特別大奉仕」及び「同時開催 秋のベッド大バーゲン」の文字が大きく顕著に記載され,その裏面には,上部に「秋の新作発売会」として「チョットお出かけ着」及び「紳士用チョットお出かけ着新登場(赤線で囲み)」の文字が大きく記載され,商品「ブラウス」と認められる商品部分に本件商標が表示されている。

しかし,はがきの案内状の表記は「秋旬寝具特別大奉仕」キャンペーンであり,同時に「秋のベッド大バーゲン」の案内状であるのに対して,その裏面の具体的な内容では,上部半分に表書きのキャンペーンや大バーゲンとは直接関係の認められない商品の紹介がなされている。

「寝具特別大奉仕」及び「ベッド大バーゲン」の案内にも拘らず,「秋の新作発売会」として,婦人用「ブラウス」,「ポシェット」,「パンツ」及び「バッグ」が掲載され,「ブラウス」の商品名の上にのみ本件商標の表記が認められるにすぎない。

キャンペーンやバーゲンのはがき案内において,案内文と異なる商品の紹介がなされていることは,被服或いは寝具や衣料関係における取引業界を含め一般取引においては通常考えられないものである。かかる態様におけるキャンペーンやバーゲンの案内について合理的な理由はなく,不自然といわざるを得ない。

さらに,商品「ブラウス」のみに商標を付して表示する態様については,当該商品の特殊性等から商標と一体に認められる特殊な商品と認められるのであれば,かかる使用態様も当該商品を特定する意図から首肯し得るが,本件商標が被請求人の商品「ブラウス」について使用する商標として取引者需要者間に周知著名である等の取引事情は全く認められていない。

しかも,当該はがきの記載では,婦人用「チョットお出かけ着」としての「ブラウス」を記載しているにも拘らず,赤線で囲み注視を促す「紳士用チョットお出かけ着新登場」の記載との関係が意味不明といわざるを得ない。

よって,本件商標の使用を証する乙第2号証は,その成立が疑問であるといわざるを得ない。

なお,被請求人は,平成20年8月29日から9月23日の間に開いた「秋旬寝具特別大奉仕会」について,被請求人株式会社西川産業と株式会社西川(以下「(株)西川」という。)によるバーゲンセールと主張しているが,乙第2号証には,「日本橋西川」と表示され,その住所が「東京都中央区日本橋1−5−3」と記載されているので,(株)西川を意味し,被請求人を意味するものではない。

すなわち,乙第2号証は,(株)西川によるはがきであって,被請求人は,該はがきとの共同使用者といえないことは明白である。

さらに,本件商標を商品に使用しているならば,通常は,その商品のタグ及び下げ札,或いは当該商品に関する取引書類としての商品納品書,商品納入書,物品領収書等の提出がなされるべきであるが,そのような証拠は,被請求人からは何等提出されていない。

よって,本件商標を商品に使用しているのかの点でも疑問がある。

(2)「Touch me」の商標の商品範囲について

被請求人は,上記はがきに小さく「Touch me」の文字が表示され,はがきの枠の中にブラウス,ポシェット,コーデュロイパンツ,丸手手下げバッグ,リュックショルダーバッグ,ショルダーバッグ等の商品が表示されているので,これらの総ての商品に本件商標を使用しているというのであろうか。その論に誤りがあることは明らかである。

商標が商品に使用されているか否かを判断するには,当該商標の大きさ,場所,位置,文言等を総合的に勘案して,一般需要者及び取引者がどの部分に商標として判断・認識しているのかが問題である。

すなわち,上記「Touch me」の文字が商標であると仮定したとしても,その位置が商品「ブラウス」に密着して表現されているので,「Touch me」の商標は,商品「ブラウス」にのみ使用されていると見るべきものであり,ポシェット或いはコーデュロイパンツ,バッグ等に使用されていると見るのは不自然である。

「Touch me」の文字が,商標として商品「ブラウス,ポシェット,コーデュロイパンツ,丸手手下げバッグ,リュックショルダーバッグ,ショルダーバッグ」にも使用しているといえるためには,もっと大きく表示し,しかも「秋の新作発表会」の文字の横或いは下に明瞭・顕著に記載するのが自然であり,「ブラウス」の文字の上に小さく「Touch me」と表示されることはない。

したがって,被請求人は,「Touch me」の文字を,商品「ブラウス」のみに使用しているとみるのが自然である。

事実,当該はがきの下の部分には,「●チョットお出かけ着ブラウス(綿100%)M・L・・・・・4,830円 50枚限り」と表示されている。

被請求人は,商品「ブラウス」について,「上半身用衣料はジャケットといっても良い」とし,さも「ジャケット」の一種の如く主張しているが,当該商品は,いわゆる「オーバーブラウス」であり,商品「ブラウス」の一種に属するものであることは明らかである。

したがって,被請求人が「Touch me」の文字を商標として使用していると仮定しても,その使用に係る商品は,「ブラウス」であり,本件審判の対象の商品ではない。

(3)上述のとおり,被請求人の答弁理由は認められず,本件商標は,商標権者及びその使用権者等の正当使用権者によっては,商品「被服(但し,セーター類,ワイシャツ類,寝間着き類,下着,水泳着,水泳帽を除く。)」について使用されていないし,不使用に正当理由があるとも認められない。

第3 被請求人の答弁の要点

被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1ないし第5号証を提出している。

1 本件商標の使用者について

被請求人西川産業株式会社及びその傘下の西川グループに属する法人である(株)西川は,平成19年以降,衣料及び寝装品に本件商標を付して販売を行っている。

被請求人は,東京都中央区日本橋富沢町8番8号に本社を有し,その傘下の西川リビング株式会社,株式会社京都西川,(株)西川,株式会社心斎橋西川,昭和西川株式会社等の13社と共に西川グループを構成している(乙第1号証)。

そして,被請求人の製品が西川グループに属する(株)西川によって販売され,商標も使用されているのである。

2 催事の開催について

被請求人の傘下の(株)西川は,「秋旬寝具特別大奉仕」と称して「引き取り買い替え付きキャンペーン」を行っている。上記販売の日程及び品目は,「開催日案内通知(はがき)」(乙第2号証)により明らかである。

上記はがきには年度の記載がないが,乙第3号証として提出するカレンダーにより年度は明らかにされ,平成20年であることは明らかである。

また,上記はがきには,被請求人のメイン商標でもあり西川グループが使用しているいわゆる「西川ボタンマーク」の登録第514950号及び登録第519592号商標(乙第4及び第5号証)が配され,該商標に続いて「日本橋西川」と記載されており,はがき記載の催事は,共に日本橋に所在の被請求人と(株)西川とが共同で開いたバーゲンセールであることが明らかである。

そして,そのバーゲンセールで販売された商品に,本件商標「Touch me」が使用されたのである。

なお,上記乙第4及び第5号証の登録商標は,被請求人と(株)西川との共有の権利ではあるが,本件商標は被請求人の承諾の上で(株)西川が使用しているものである。

3 商標使用の詳細について

乙第2号証は,平成20年8月29日(金)〜9月23日(火)まで開催された「秋旬寝具特別大奉仕」キャンペーンの2つ折りはがきの案内伏であって,案内状には乙第4及び第5号証の図形商標を配して西川グループの催しであることが示されている。

そして,このはがきは,記載された住所から(株)西川の差し出しに係るものと見られる。2つ折りにしたはがき裏面には「チョットお出かけ着」として,コーデュロイパンツを穿き,ブラウスを着用しポシェットを下げた立姿を画いているが,ブラウスとされている上半身用衣料はジャケットといっても良いようなデザインで,ブラウスと称するよりジャケットといっても良いと思われる。これら一連のパンツを含めた商品には「Touch me」の商標が示されている。これは正に本件商標の使用であり,被請求人が傘下グループの(株)西川にその商標の使用を認めていたから,該商標を使用できたのである。

さらに,グループ内の一社が所有する商標につき,使用権の設定登録を行わずグループ内の他社が使用するケースは多く,使用権の設定登録が無いからといって,当該商標の使用がなかったということはできない。

4 結び

以上詳述した如く,本件商標をその指定商品中「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳帽を除く被服」について継続して3年以上使用していないという事実はないので,本件審判の請求は成り立たない。

第4 当審の判断

1 本件商標の使用に係る商品について

(1)被請求人の提出に係る証拠によれば,以下の事実が認められる。

(ア)乙第2号証は,郵便はがきの一種であり,郵送する場合には2つ折りに圧着して用いられるはがき(圧着はがき)と認められるところ,その表面下半部には「秋旬寝具特別大奉仕」の文字が大きく表され,その下にやや小さな「無料引き取り買い換えクーポン券付きキャンペーン」,「8月29日(金)〜9月23日(火)」,「同時開催秋のベッド大バーゲン」,「粗品プレゼント」等の各文字が順次記載されている。

その裏面には,上半部に「秋の新作発売会」の表題下の囲み内に各種商品の写真が見出しと共に掲載されているほか,その下部に「数量限定!!超お買得価格!!」の表題と共に各種商品の価格等が掲載され,さらにその下部に,「西川」の文字を図案化した標章及び「日本橋西川」の文字が住所(東京都中央区日本橋1−5−3),電話等と共に掲載されている。

上記囲み内を詳細に見ると,左側には,「お散歩や小旅行をおしゃれに!!」及び「チョットお出かけ着」として婦人用ブラウス(以下「本件ブラウス」という。)を着用しコーデュロイパンツを穿き,ポシェットを下げた立ち姿の写真が掲載され,その着衣等の位置に対応するように,「ブラウス」,「ポシェット」及び「コーデュロイパンツ」の文字と価格が表示されている。そして,「ブラウス」の文字の直ぐ上に「Touch me」の文字が表示されている。右側には,商品の写真と共にそれに対応する「丸手手下げバッグ」,「リュックショルダーバッグ」及び「ショルダーバッグ」の文字及び価格が表示されている。また,最下部には「紳士用チョットお出かけ着新登場!!」の文字が赤線囲み内に表示されている。

さらに,上記「数量限定!!超お買得価格!!」のうちには,「●チョットお出かけ着ブラウス(綿100%)M・L・・・・・4,830円 50枚限り」等の表示も見られる。

(イ)乙第3号証(2008年カレンダー・暦)によれば,上記はがきに掲載された「8月29日(金)〜9月23日(火)」は,曜日の関係から2008年(平成20年)であると認められる。また,乙第1号証(被請求人会社の経歴書)並びに乙第4及び第5号証(商標登録第514950号及び第519592号の登録情報)によれば,(株)西川は,被請求人の傘下の西川グループの一員であり,中央区日本橋1丁目5番3号に住所を有し,「西川」の文字を図案化した商標(登録第514950号及び第519592号)を被請求人と共有していることが認められる。

(2)以上を総合すると,上記乙第2号証のはがきは,本件審判の請求の登録(平成23年1月4日)前3年以内の期間である平成20年8月29日(金)から9月23日(火)まで,(株)西川によって開催された「秋旬寝具特別大奉仕」キャンペーン及び「秋のベッド大バーゲン」の案内用はがきというべきであり,該はがきには,「チョットお出かけ着」として本件ブラウスが紹介されていることが認められる。そして,該はがきに記載された「Touch me」の文字は,「ブラウス」の文字の直ぐ上に表示されていること,他の「ポシェット」,「コディユロイパンツ」,「丸手手下げバッグ」,「リュックショルダーバッグ」及び「ショルダーバッグ」から離れて表示されていること,からすると,本件ブラウスについて使用される商標とみるのが自然である。

しかしながら,本件ブラウスは,「ワイシャツ類」の範疇に属する商品であって,本件請求に係る指定商品(「ワイシャツ類」が除かれている。)には含まれないものである。

他に,本件請求に係る指定商品について本件商標が使用されていることを認めるに足る証拠はない。

(3)被請求人は,「本件ブラウスは,ブラウスと称するよりもジャケットといってもよい」旨及び「コーデュロイパンツを含めた一連の商品に『Touch me』の商標が表示されている」旨主張している。

しかしながら,本件ブラウスは,裾をスカートやスラックスの上に出して着る,いわゆる「オーバーブラウス」と称されるものであって,「ブラウス」の範疇に属する商品であることは明らかであり,「洋服」の範疇に属する商品である「ジャケット」とはいえない。また,上記(2)のとおり,「Touch me」の文字は,本件ブラウスについて使用する商標とみるのが自然であるから,被請求人の主張は,いずれも採用することができない。

2 むすび

以上のとおり,本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に被請求人のグループ企業によって使用されたとしても,その使用に係る商品が本件請求に係る指定商品「被服(但し,セーター類,ワイシャツ類,寝間着き類,下着,水泳着,水泳帽を除く。)」のいずれにも含まれない以上,本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても,本件請求に係る指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。また,その使用していないことについて正当な理由があるものとも認められない。

したがって,本件商標は,商標法第50条第1項の規定に基づき,本件請求に係る指定商品「被服(但し,セーター類,ワイシャツ類,寝間着き類,下着,水泳着,水泳帽を除く。)」についての登録を取り消すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

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