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Trademark Appeal Case

ケータイTOOL辞書の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−15974(T2010−15974/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ケータイTOOL<辞書>」の文字及び記号を横書きしてなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「電子計算機用プログラムの提供」を指定商品及び指定役務として、平成20年11月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ケータイTOOL<辞書>』の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成・態様からみて『ケータイTOOL』と『<辞書>』とに容易に分離でき、『ケータイTOOL』の文字部分にあって、その構成中の『ケータイ』の文字は『携帯』に通ずる語として近時使用されているものであり、『TOOL』の文字は『道具』を意味する親しまれた英語であるから、該文字部分からは『携帯用の道具』といった意味合いを容易に想起させ、他方『<辞書>』の文字部分はその内容が『辞書』であることを表したものと理解されるものであるから、本願商標からは『辞書を内容とする携帯用の道具』程の意味合いを理解させるものである。そして、本願指定商品・指定役務を取り扱う業界にあっては、電子辞書のような、辞書を内容とする携帯に適した電子ツール商品であるとか、携帯電話や携帯情報端末、コンピューター等に組み込んで利用できるプログラムにおいて、道具的な機能を果たすユーティリティプログラムを『TOOL』、『ツール』と称しているところ、そのうちの一として、辞書を内容とするプログラムが販売・提供されている事実が認められるところである。そうとすれば、本願商標を、その指定商品中、例えば『電子辞書』や『辞書を内容とする携帯電話機用・携帯情報端末用又は携帯型コンピューター用プログラム』といった上記意味合いに照応する商品、又はその指定役務中の『辞書を内容とする携帯電話機用・携帯情報端末用又は携帯型コンピューター用プログラムの提供』といった上記意味合いに照応する役務について使用した場合には、これに接する者をして、商品又は役務の内容・機能・用途を理解させるにとどまるものであり、商品の品質又は役務の質を表示すると認識されるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「ケータイTOOL<辞書>」の文字及び記号を横書きしてなるところ、その構成中の「ケータイTOOL」の文字部分についてみるに、本願に係る指定商品及び指定役務との関係において、別掲(1)ないし(3)に示す内容に照らせば、該「ケータイ」の文字は「携帯電話(機)」を意味する語として、同じく、「TOOL」の文字は、「ツール」と表音され、「便利な小道具として使用される比較的サイズが小さくて単機能の(コンピュータ)ソフトウェア」程の意味を有する語として、一般に広く知られているものというのが相当である。

また、本願に係る指定商品及び指定役務を取り扱う業界においては、近年における携帯電話機の普及及び高機能化又は多機能化等に伴い、「携帯電話(機)用のアプリケーションソフトウェア」についても多様化が進んでおり、該ソフトウェアの内容、用途としては、例えば、計算機、時計、カレンダー、ゲーム、音楽ファイル等のほか、国語辞典や英和・和英辞典といった辞典類があり、さらに、このようなソフトウェアは、予め携帯電話(機)にインストールされているもののほか、インターネットを通じてダウンロード、インストールすることができるものもある。

そして、上記「携帯電話(機)用のアプリケーションソフトウェア」を意味するものとして、「携帯ツール」又は「ケータイツール」の語が一般に広く用いられているというのが実情である(別掲(4)ないし(13)参照)。

以上を踏まえれば、本願商標「ケータイTOOL<辞書>」は、その構成全体をもって「携帯電話(機)用のアプリケーションソフトウェアであって辞書を内容とするもの」程の意味合いを容易に看取、認識し得るものであり、これを本願に係る指定商品又は指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品が携帯電話(機)用のアプリケーションソフトウェアであって辞書を内容とするものであること又は該役務の提供に係る電子計算機用プログラムが携帯電話(機)用のアプリケーションソフトウェアであって辞書を内容とするものであること、すなわち、商品の品質又は役務の質を表示したものとして認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。

また、本願商標は、これを上記意味合いに照応する商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。

なお、請求人は、別掲(1)ないし(13)を内容とする平成23年5月10日付け証拠調べ通知書に対する意見書において、該通知書の内容によっても「ケータイTOOL」及び「ケータイTOOL辞書」の語の使用事実が全くないことからすれば、本願商標の構成中の「ケータイTOOL」の文字部分は全体で特定の意味を有しない一種の造語として認識されるものであり、このことは自己の所有に係る登録第4878305号商標及び同第5207541号商標が有効に存続していることによっても裏付けられるものであること、及び「ケータイ」又は「TOOL」の語と自他商品識別力がない又は極めて弱い語を結合してなる商標が多数登録されていることからすれば、本願商標についても自他商品識別力を認めるべきである旨主張しているが、商標法第3条第1項第3号の品質(質)の表示に該当するというには、我が国の取引者、需要者が品質(質)を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであり、実際に品質(質)を表示するものとして使用されていることまでは必要としないと解される(例えば、平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日判決言渡 参照)ところ、本願商標「ケータイTOOL<辞書>」については、上記のとおり、取引者、需要者をして、商品の品質又は役務の質を表示したものとして認識するにとどまるものであり、また、請求人が挙げる該登録例は、いずれも本願商標とその構成、態様を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであり、同一に論ずることができないものであるから、請求人による上記主張は採用し得ない。

よって、結論のとおり審決する。

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