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Trademark Appeal Case

結合商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第21060号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

本願商標は、「カードダイヤラー」の片仮名文字を横書きしてなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)、電気材料」を指定商品として、平成2年12月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、『この商標登録出願に係る商標は、指定商品との関係から全体として「カード型のダイヤラー」の意味合いを認識させるものであるから、これをその指定商品中前記意味合いに照応する商品、例えば「電話の自動ダイヤル機能付き電子手帳、電子ダイヤラー、ダイヤラー内蔵パーソナルコンピューター」に使用するときは、単に該商品の品質(機能、形状)を表示するにすぎない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。』と認定し、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

請求人は、「原査定を取り消す、本願は、これを登録すべきものとする。」との審決を求めて、審判を請求し、その理由を要旨次のように主張した。

(1)本願商標中の「ダイヤラー」の語は、旧第11類の指定商品を全類として登録となっており、決して商品の品質(機能、形状)を表示するものではない。

(2)本願商標と同様に「○○○+ダイヤラー」又は「○○○+DIALER」という形態からなる商標が数多く登録又は公告されているが、これらの中には「○○○」の部分が品質を表示する語、普通名称又はありふれた語であるにもかかわらず登録となっている。このように審査官説示のとうりなら「ダイヤラー」という語自体が登録とならなかったはずである。

(3)本願商標は、請求人の創作になる造語商標であり、自他商品の識別標識としての機能を充分に具有しているものである。

4 当審の判断

そこで判断するに、本願商標は、前記のとおり、「カードダイヤラー」の片仮名文字を横書きしてなるところ、その構成中の「カード」の文字部分は英語で「カード、厚紙、名刺」等の意味を有する語(card)、また、「ダイヤラー」の文字部分は「ダイヤルを回して電話する人」等の意味する外来語であり、電気通信機械器具、電子応用機械器具等を取り扱う業界においては、例えば「カード」の語と他の語を伴う場合には、「ICカード(集積回路チップを組み込んだカード)」「クレジットカード(販売通信機能、ID機能、決済機能を有するカード)」「ポイントカード(顧客への利益還元と顧客データ管理機能を有するカード)」「PCカード(パソコンのPCスロットに装着するクレジットカードサイズの周辺機器)」(imidas’98 1998年1月1目発行 株式会社集英社)、「メモリーカード(半導体が内蔵されたカード)」「磁気カード(カード表面に磁性材料を塗布し、データを記録させたもの)」「レーザーカード(レーザー方式による高密度磁気記録カード)」(imidasカタカナ語・欧文略語辞典 株式会社集英社発行)等の如く使用されている事実が認められる。同じく同業界においては「ダイヤラー」の語は「(電話機付属の)自動ダイヤル装置」等の意味合いで使用されている事実が認められる。

そうすると、本願商標は、商標全体としては、「カードサイズ(型)の自動ダイヤル装置、自動ダイヤル機能を組み込んだカード」の意味合いを容易に認識させるものである。

加えるに、本願商標の構成中の「ダイヤラー」の文字について自動ダイヤル装置(機能)を表している事実として、▲1▼化学工業日報(1988年10月6日5頁 化学工業日報社発行)によれば、「シャープが電子ダイヤラーなど、ビジネスの中でいつでも持って歩けるツールをシリーズ化した。・・・ICカードを介してワープロやパソコンとデータ交換が可能になった。」、▲2▼日経産業新聞(1996年5月29日9頁 日本経済新聞社発行)によれば、「アップルコンピュータが、インターネットに接続できる接統ソフト(インターネット・ダイヤラー)を内蔵した機種を発売」、▲3▼日経流通新聞(1996年2月1日16頁 日本経済新聞社発行)によれば、「シチズン時計が、ポケベルに送る文字などの変換表を組み込んであり、あらかじめ作成しておいたメッセージを簡単に送信でき、最大120人分の電話番号やポケベル番号を登録できるダイヤラー機能もある。」、▲4▼日経流通新聞(1994年12月20日2頁 日本経済新聞社発行)によれば、「トミーは、ボタンを押さずに電話をかけられるワンタッチダイヤラー・・・を発売」、▲5▼日経産業新聞(1994年12月14日18頁 日本経済新聞社発行)によれば、「トミーは、ワンタッチ操作で電話のダイヤルを回せるワンタッチ・ダイヤラーを発売する。」、▲6▼日経産業新聞(1988年6月9日7頁日本経済新聞社発行)によれば、「シャープは、・・長い番号も簡単な操作でかけられる電子ダイヤラーを発売する。」、▲7▼朝日新聞(1986年12月2日 朝刊8頁)によれば、「サンテレホンが、最高208件までのダイヤルがワンタッチでできる自動ダイヤル装置インデックス・ダイヤラーを売り出した。」、▲8▼読売新聞(1989年2月3日 東京読売朝刊9頁)によれば「カシオ計算機が、ワンタッチで電話がかけられる(オートダイヤラー機能)腕時計を発売する。」、▲9▼読売新聞(1988年6月9日 東京読売朝刊9頁)によれば、「シャープは、電話機の通話口に押しあててスイッチを押すだけであらかじめ記憶させた電話番号をダイヤルできる電子ダイヤラーを発売する。」、▲10▼化学工業日報(1989年10月2日3頁 化学工業日報社発行)によれば、「富士通は、ダイヤラー内蔵の電話機用4ビットマイクロコントローラを開発、販売を開始した。」、▲11▼化学工業日報(1988年12月21日5頁 化学工業日報社発行)によれば、「三菱電機は、基本通話回路ICにオンフックダイヤル制御機能や保留制御機能を内蔵したワンチップ電話機用通話ICを製品化・・・普及している汎用ダイヤラーICと組み合わせることによって、容易にオンフックダイヤル機能を実現できるため、特殊のダイヤラーICやダイヤラー内蔵マイコンなどを使用することなく、オンフックダイヤル機能付電話機を構成できる。」旨の新聞記事が報じられていることが認められる。

そして、請求人(出願人)においても、日経産業新聞(1987年10月14日14頁 日本経済新聞社発行)によれば、「キャノンは、自動ダイヤル機能を持つ電子手帳を発売。・・・登録した電話番号をワンタッチで自動発信するオートダイヤル機能が売り物。」との新聞記事が報じられていることも認められる。

してみれば、上記事実を併せ考慮すると、本願商標は、前記のとおり「カードダイヤラー」の片仮名文字を普通に用いられる方法で表した構成であり、これを本願指定商品中「電話の自動ダイヤラー機能付電子手帳、ダイヤラー内蔵付コンピュータ」等に使用するときは、「自動ダイヤラー装置(機能)を備えたカードサイズの電子手帳、自動ダイヤラー装置(機能)を備えたカードサイズのコンピュータの周辺機器」であることを認識させるものであって、商品の品質(機能、形状)等を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。

また、前記商品以外の「電気通信機械器具、電子応用機械器具」について使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

なお、請求人は、当庁における審査例を挙げて種々主張するところあるも、過去にされた審査例等は具体的、個別的な判断が示されているのであって、必ずしも確立された統一的な基準によっているものとはいえず、仮にその中に矛盾や誤りがあるとしても、具体的事案の判断においては、過去の審査例等の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、この点に関する請求人の主張も採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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