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Trademark Appeal Case

著名商標との混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900069(T2011−900069/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5370882号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5370882号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成22年4月20日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月19日に登録査定、同年11月26日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第40号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 申立人の引用する商標

(1)登録第5010968号商標は、「M MONSTER ENERGY」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年3月28日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月15日に設定登録されたものである。

(2)登録第5043703号商標は、「JAVA MONSTER」の欧文字を標準文字で表してなり、2005年12月8日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条により優先権を主張して、平成18年6月8日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年4月27日に設定登録されたものである。

(3)登録第5057229号商標は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成18年6月9日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年6月22日に設定登録されたものである。

(4)登録第5327467号商標は、「MUSCLE MONSTER」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年10月21日に登録出願、第5類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同22年6月4日に設定登録されたものである。

(5)登録第5375090号商標は、「PROTEIN MONSTER」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年10月15日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同22年12月10日に設定登録されたものである。

(6)登録第5389881号商標は、「X−PRESSO MONSTER」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年8月5日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同23年2月10日に設定登録されたものである。

(7)登録第5379390号商標は、「MONSTER」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年7月8日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月24日に設定登録されたものである。

(8)登録第5393681号商標は、「MONSTER ENERGY」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年7月8日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同23年2月25日に設定登録されたものである。

(9)登録第5394526号商標は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成22年9月9日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同23年2月25日に設定登録されたものである。

(10)登録第5431412号商標(商願2010-83700商標)は、「JAVA MONSTER」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年10月27日に登録出願、第5類、第29類、第30類、第32類及び第33類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、同23年8月12日に設定登録されたものである。

(11)国際登録第1048069号商標は、別掲(4)のとおりの構成からなり、2010年(平成22年)6月28日に国際商標登録出願、第9類、第16類、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年7月29日に設定登録されたものである。

なお、上記(1)ないし(11)の商標をまとめていうときは、「引用各商標」という。

2 具体的理由

(1)申立人による引用各商標の使用及び著名性

ア 申立人は、1930年代に創業した米国の飲料メーカーであり(甲第13号証、甲第14号証)、本件商標の登録出願前から、エネルギー補給・スポーツ飲料のブランド名として「MONSTER ENERGY」の使用を開始し、「MONSTER ENERGY」のブランドの飲料は米国を含む諸外国で販売されている(甲第15号証の1ないし6)。

イ 申立人は、「MONSTER ENERGY」のブランドのエネルギー補給・スポーツ飲料の製造販売開始に伴い、我が国では「M MONSTER ENERGY」の文字からなる商標を平成18年に商標登録している(甲第2号証)。また、申立人は、「M MONSTER ENERGY」の文字に対応するロゴマーク、「MONSTER ENERGY」の文字及び「MONSTER ENERGY EXPORT」のロゴマークなど、「MONSTER」の文字を構成中に含む数多くの異なる商標について商標登録を保有している(甲第3号証ないし甲第12号証)。

ウ これらの「MONSTER ENERGY」ブランドのシリーズ商品名は、「MONSTER ENERGY」、「JAVA MONSTER/IRISH BLEND」、「X−PRESSO MONSTER/HAMMER」、「JAVA MONSTER/LOCA MOCA」、「MONSTER ENERGY/LO−CARB」、「MONSTER/KHAOS」(甲第15号証の1ないし6)といった形で、実際に申立人の取り扱いに係るエネルギー補給・スポーツ用飲料の個別商品名として使用されている。

エ また、申立人は、「MONSTER ENERGY」のブランドの販売促進活動の一環として、「MONSTER ENERGY」の名称の下で、サーフライダー、スケートボーダー、オートバイドライバー、カーレーサーなど、様々な分野のスポーツで活躍する世界の一流選手やレーシングチームとスポンサー契約を交わし、その競技活動を支援している(甲第16号証ないし甲第27号証)。これらの選手等が使用するスポーツウェアー、スポーツ用具及び車体には「MONSTER ENERGY」の文字、そのロゴマーク及び「M」のデザインのロゴマークが付され、その写真やビデオが申立人のホームページ、ブログ、あるいは一般のニュースなどを通じて紹介されて話題になっており、我が国の需要者の間でも「MONSTER ENERGY」のブランド名とその関連商品は広く認識されるに至っている(甲第28号証、甲第29号証)。

オ 本件商標の構成中の「MONSTER HUNTER」の文字部分は、「MONSTER」の文字を含む点で、申立人の使用に係る「MONSTER ENERGY」の名称及び「MONSTER」の文字から構成されるシリーズ商品名と一致する。「MONSTER」及びその称呼「モンスター」は、「怪獣、モンスター」を直感させる外来語として我が国で広く親しまれているものであることに加え、本件商標の構成が不気味な鳥獣風の図柄も包含していることから、本件商標は「怪獣、モンスター」の観念、印象あるいはイメージを需要者に容易に想起、連想させる。さらに、本件商標に採択されている「MONSTER」の文字に「HUNTER」の文字を付加してなる構成は「MONSTER ENERGY」をはじめとして、当該ブランドのシリーズ商品名として申立人が使用している「MONSTER」の文字を構成中に包含する数多くの「MONSTER ENERGY」ブランドのシリーズ商品の個別名称と同一の形式である。

カ 本件商標が使用される指定商品は、申立人が「MONSTER ENERGY」のブランド名及び「MONSTER」の文字を含む当該ブランドのシリーズ商品名を使用中のエネルギー補給・スポーツ用飲料と同一又は類似の商品であることが明らかである。

キ 以上のとおり、申立人は本件商標の登録出願前から「MONSTER ENERGY」の名称をエネルギー補給及びスポーツ用飲料のブランド名として現在まで継続して使用し、また、当該ブランドのシリーズ商品の個別商品名として、「MONSTER」を構成中に包む多数の異なる名称を使用しており、「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER」の文字を含む名称(引用各商標)は、本件商標の登録出願日及び査定日には、申立人の取り扱いに係る当該商品を表示するものとして需要者の間で広く認識されていたことが明らかである(甲第15号証ないし甲第29号証)。

(2)商標法第4条第1項第15号について

以上のとおりであるから、本件商標が指定商品に使用された場合は、申立人の製造販売に係る「MONSTER ENERGY」ブランドのシリーズ商品の一つとして、また、申立人と組織的又は経済的な関連を有する者の取り扱いに係る商品と誤信され、その出所について混同を生ずるおそれがあることが明らかである。また、本件商標をその指定商品に使用するときには、「MONSTER ENERGY」のブランドの知名度、顧客吸引力にフリーライドし、その出所表示機能を希釈化するおそれがあるといわざるを得ない。

(3)結語

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消すべきである。

第3 当審の判断

1 引用各商標の著名性について

(1)申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査によれば、申立人は1930年代に創業した米国の飲料メーカーであり、本件商標の登録出願の日前から、米国において別掲(4)の商標を付してエネルギー飲料・スポーツ飲料を販売していることが認めることができる(甲第15号証の1)。

(2)しかしながら、提出した証拠のうち、本件商標の出願日前のものと認められる日本語の証拠は、甲第16号証の3、甲第24号証の1、甲第25号証の1、甲第26号証のみであり、それらにしても、例えば、甲第16号証の3は、ミニチュアのモデルカーの記事であり、また甲第24号証の1は「モンスターエナジー」なるラリーチームに関する紹介記事であって、「エネルギー補給・スポーツ用飲料」の記事は、甲第25号証の1、甲第26号証のみである。そして、我が国において引用各商標及び「MONSTER」の文字を含む標章を「エネルギー補給・スポーツ飲料」について、どの程度製造、販売されたか、どの程度広告、宣伝されたのかを示す証拠は見当たらない。

(3)そうとすると、本件商標の登録出願の日前はもとより、登録査定時においても、引用各商標及び「MONSTER」の文字を含む標章が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の取引者・需要者の間で広く認識されているものとは認められないと判断するのが相当である。

2 本件商標について

本件商標は、別掲(1)のとおり鳥獣風の図の下に、ややデザイン化した金色の「MONSTER」と「HUNTER」の欧文字を二段に表し、その下に極小さく「モンスターハンター」の片仮名を籠字で表した構成からなるものである。そして、本件商標は、その構成中「MONSTER」と「HUNTER」の欧文字部分は黒色で囲まれ、また、「モンスターハンター」の文字部分は同じ書体、同じ大きさ、等間隔で書され、いずれも外観上まとまりよく一体的に表され、各文字部分から生じる「モンスターハンター」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。さらに、該文字部分は、その構成中「MONSTER」「モンスター」の文字(語)が「怪物、化け物」、「HUNTER」「ハンター」の文字(語)が「狩りをする人、狩猟家」の意味を有するものとして親しまれた語であることから、それぞれ全体として「怪物のハンター(狩猟家)」の意味合いを認識させるものである。

そうとすれば、本件商標の構成中「MONSTERHUNTER」及び「モンスターハンター」の文字部分は、それぞれ「モンスターハンター」の称呼のみを生じ、「怪物のハンター」の意味合い(観念)を認識させる全体が一体不可分のものと認識されるものとみるのが相当である。

3 混同について

上記1のとおり、引用各商標及び「MONSTER」の文字を含む標章が本件商標の登録出願の日前はもとより登録査定時においても、申立人の業務に係る商品を表すものとして、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていたとは認められないものである。

そして、本件商標は、上記2のとおり、その構成中「MONSTERHUNTER」及び「モンスターハンター」の文字部分がそれぞれ一体不可分のものとして認識されるものであるから、「MONSTER」の文字部分が分離・抽出されて看取されるものではないといわなければならない。

そうとすれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が引用各商標、申立人が所有又は使用する「MONSTER」の文字を含む標章及び申立人のシリーズ商標としての「MONSTER」を連想又は想起させるもの認められず、その商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

4 まとめ

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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