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Trademark Appeal Case

結合商標の要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900196(T2011−900196/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5393958号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件商標は、「MILKYGOLD」の欧文字を横書きしてなり、平成21年3月6日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同23年1月7日に審決され、同年2月25日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要点)

1 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとして引用する登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第537642号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、昭和27年7月31日に登録出願、第43類「飴菓子」を指定商品として、同34年6月24日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成21年4月22日に指定商品を第30類「飴菓子」とする指定商品の書換登録がなされたものである。

(2)登録第561994号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和32年2月9日に登録出願、第43類「飴菓子」を指定商品として、同35年12月10日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成13年5月30日に指定商品を第30類「飴菓子」とする指定商品の書換登録がなされたものである。

(3)登録第4026415号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成7年10月6日に登録出願、第30類「飴菓子」を指定商品として、同9年7月11日に設定登録され、その後、同19年4月3日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

以下、引用商標1ないし3をまとめていうときは「引用各商標」という。

2 引用商標「Milky」「ミルキー」の周知著名性について

引用商標の「Milky」は、申立人が、昭和27年の商品販売当時から現在までの約60年の長きにわたり、商品「飴菓子」に使用し、日本国内では、「ミルキーはママの味」「不二家のミルキー」の広告フレーズとともに、ほとんど知らない人はいないといってよい著名商標であり、申立人が所有する代表的な商標となっている。また、「Milky」の読み仮名である片仮名の「ミルキー」も、「Milky」同様、永年の使用により、著名になっている(甲8、甲11)。

「Milky」及び「ミルキー」が周知著名になっていることは、引用商標2及び引用商標3について、防護標章登録が認められていることからも明らかである(甲5、甲6)。

そして現在では、これらの商標は、飴菓子のみならず、広く練乳素材入りチョコレート、アイス、クッキー、ロールケーキ、プリン、ケーキ、乳飲料など、申立人が販売する幾つもの食品に用いられている(甲12)。

3 商標法第4条第1項第11号について

(1)指定商品の同一又は類似について

引用各商標の指定商品は、いずれも第30類「飴菓子」であって、本件商標の指定商品である第30類「菓子及びパン」に包含されるものであり、両商標の指定商品は同一又は類似する。

(2)本件商標と引用各商標との類似性について

本件商標は、「MILKY」の部分と「GOLD」の部分とを区切らずに一連に「MILKYGOLD」と書して構成されているが、その構成文字中の後半部の「GOLD」の文字は、「金」「黄金」「金色」等を意味する英語として一般的に親しまれているばかりでなく、飲食料品を扱う業界においては、前記の意味から転じて「上等」や「高級」といった商品の品位や等級を表すものとして認識されており、他の識別標識に「GOLD」の文字を組み合わせて使用することは、普通に行われているところである。

一方、前半の「MILKY」の部分は、「乳のような、乳白色の」といった意味を有する英語であって、商品の品質を表すものとして形容詞的に使用されることもある文字ではあるが、同じ綴りからなる引用商標1及び2は、上述のとおり、周知著名性を獲得した商標として広く需要者の間に認識されている。

これらを勘案すれば、「MILKYGOLD」と一連に書した構成であっても、その前半部と後半部の間には、主従の関係もしくは軽重の差があり、需要者をして、本件商標を全体として一つの一体不可分のものと認識するものではなく、著名商標「Milky」に、単に「GOLD」が結合したものと認識するものである。

さらに、これらを結合させたことによって、そこから何らかの熟語的な意味合いが生じるものでもない。

そうとすれば、本件商標に接する取引者・需要者は、その構成文字の後半部の「GOLD」の文字の部分を、上記の実情より、商品が優れているものであることを誇称的に表した商品の品質を表示する部分と捉え、本件商標における自他商品の識別機能としての機能を果たす部分は、前半部の「MILKY」の文字にあると容易に認識するものである。

したがって、本件商標の要部である前半の「MILKY」は、引用商標1の上段及び引用商標2とは、書体が相違するものの同じ綴りであり、また、そこから生じる「ミルキー」の称呼も引用各商標の称呼と共通するものであるから、本件商標と引用各商標とは類似する商標であると思料する。

4 商標法第4条第1項第15号について

引用各商標の周知・著名性については、前記3のとおり明らかである。

これに対し、本件商標は、「MILKYGOLD」と一連に書して構成されているが、既成語ではなく、さらには、前半の「MILKY」の部分は、その登録出願時前に既に著名性を獲得している申立人の引用商標1及び引用商標2とは書体が異なるものの同じ綴りであって、かつ、そこから生ずる「ミルキー」の称呼は、引用各商標と同一であり、また、後半部分の「GOLD」は、飲食料品を扱う業界においては、商品の品質を誇称的に表した商品の品質表示と容易に理解されるものであることから、需要者の印象・記憶に残り易い前半部分に構成された「MILKY」が、本件商標の要部としての機能を果たすのは明らかである。

このような本件商標が指定商品に使用された場合、その商品は、申立人あるいは同人の関連会社等、少なくとも申立人と何らかの組織的・経済的な関係を有する者の製造に係る商品であると需要者に誤認され、さらには、申立人の重要なブランド商品である「ミルキー」に関連する商品であるかのような印象を与え、申立人の業務に係る商品と商品の出所の混同を生ずるおそれがある。

5 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標について

本件商標は、前記第1のとおり、「MILKYGOLD」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって外観上一体に表されているものである。そして、その構成中、前半の「MILKY」の欧文字は、「ミルキー」の読みを生じ、「牛乳をたくさん入れた、乳状の」など(「グランドセンチュリー英和辞典第2版」株式会社三省堂 2008年12月20日発行)の意味を有する英語であり、また、その後半の「GOLD」の欧文字は、「ゴールド」の読みを生じ、「金、金色の、(金のように)貴重なもの」など(前出「グランドセンチュリー英和辞典第2版」)の意味を有する英語であり、いずれも我が国において良く知られた語であることから、本件商標は、その構成文字全体から「ミルキーゴールド」の称呼を生ずるものであるが、かかる称呼は、格別冗長といえず、無理なく一連に称呼し得るものである。

ところで、「Milky」の文字及びこれから生ずる読みを片仮名で表した「ミルキー」の文字についてした当審における職権調査によれば、別掲4のとおり、「Milky」及び「ミルキー」の各文字は、少なくとも本件商標の審決時に商品「菓子及びパン」を取り扱う業界において、他の語と組み合わせて使用されているほか、「牛乳をたくさん入れた」の意味をもって、取引上普通に使用されているものと認められる。

そうすると、「Milky」及び「ミルキー」の各文字は、本件商標の指定商品「菓子及びパン」を取り扱う業界において、自他商品の識別標識としての機能が弱いか又は無いといわなければならない。

以上によれば、たとえ、本件商標の構成中の「GOLD」の欧文字部分が商品の品質を誇称表示するものであり、また、「Milky」又は「ミルキー」の各文字は、後述のとおり、申立人が商品「飴菓子」などに使用する周知・著名な商標であるとしても、上記した構成からなる本件商標においては、その構成中の「MILKY」の欧文字部分が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるということはできない。

してみると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「MILKY」の文字部分に着目して取引に資するとはいえず、むしろ、構成文字全体をもって、親しまれた観念を生じない一連一体の造語として認識し、把握するというのが相当である。

したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「ミルキーゴールド」の称呼のみを生じ、観念は生じないというべきである。

(2)引用各商標について

引用各商標は、別掲1ないし3のとおり、その構成文字に相応して「ミルキー」の称呼及び「牛乳をたくさん入れた、乳状の」の観念を生ずるものである。

(3)本件商標と引用各商標との類否について

本件商標と引用各商標とは、その構成に照らし、外観上明らかに相違するものであり、観念については、本件商標が観念を生じないものであるから、比較することができず、観念をもって本件商標と引用各商標とが類似するといえない。

また、本件商標から生ずる「ミルキーゴールド」の称呼と引用各商標から生ずる「ミルキー」の称呼とは、「ゴールド」の音の有無の差異により十分区別し得るものである。

ほかに、本件商標と引用各商標とは、これらを同一又は類似の商品に使用した場合に、その商品の出所の混同を生ずるおそれがあるとみるべき取引の実情を見いだせない。

(4)小括

以上によれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る証拠によれば、引用各商標は、商品「飴菓子」などについて、別掲1ないし3のとおり、字画の末端部が丸みを帯びたやや肉厚の筆記体風の欧文字又は字画の末端部が丸みを帯びたやや肉厚の丸ゴシック体をもって使用された結果、需要者の間に広く認識されているものと認められる。

しかし、「Milky」又は「ミルキー」の各文字は、前記1のとおり、少なくとも本件商標の審決時において、「牛乳をたくさん入れた」などの意味を有する語として、我が国において広く知られており、商品「菓子及びパン」との関係において、自他商品の識別標識としての機能が弱いか又は無いといわなければならないものであるから、「Milky」又は「ミルキー」の文字からなる引用各商標の独創性は、決して高いといえないものである。

しかして、本件商標は、前記1のとおり、外観上一体的に表されている上、その構成中の「MILKY」の欧文字部分が引用商標2と明らかに異なる書体をもって表されているのであるから、商品「菓子及びパン」において、「Milky」又は「ミルキー」の各文字が取引上普通に使用されている実情を踏まえれば、本件商標に接する取引者、需要者が引用各商標を連想、想起するとはいえないものである。

しかも、本件商標と引用各商標とは、前記1のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきである。

そうすると、引用各商標の周知著名性及び独創性の程度、本件商標と引用各商標の類似性の程度等を総合的に考察するならば、本件商標は、その指定商品に使用したときに、これに接する取引者、需要者をして、申立人に係る引用各商標を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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