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Trademark Appeal Case

称呼の類否と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900051(T2011−900051/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5368922号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5368922号商標(以下「本件商標」という。)は、「FREY」の欧文字を横書きしてなり、平成22年5月27日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月6日に登録査定、同年11月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人ピエール フレイ(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録第2447377号商標(以下「引用商標」という。)は、「PIERRE FREY」の欧文字と「ピエール フレイ」の片仮名とを二段に横書きしてなり、平成元年10月5日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年8月31日に設定登録され、その後、指定商品については、平成16年2月25日に第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされている。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人の業務に係る引用商標は、1935年から76年の歴史を誇り、世界的な名声を獲得して周知著名となっているものであること(甲第1号証ないし甲第41号証及び甲第44号証ないし甲第58号証)、引用商標と本件商標とは、「FREY」の文字部分を共通にすること、引用商標が使用される商品と本件商標に係る指定商品とは高い関連性を有し、需要者・取引者も共通にすることを総合勘案すれば、商標権者が本件商標をその指定商品について使用した場合、その需要者・取引者は、「FREY」の文字部分から世界的に周知著名な引用商標を想起・連想し、申立人あるいは申立人と経済的若しくは組織的になんらかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その出所につき混同を生じるおそれが極めて高い。

さらには、本件商標の登録と使用を容認すれば、世界的に周知著名な引用商標の指標力が希釈化され、毀損されることは明らかである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、「FREY」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「フレイ」の称呼を生ずるものであり、観念として知られているものとはいえないが、「(北欧神話)フレイ(豊穣・平和・富の神)」の意味合いを有するものと認められる。

他方、引用商標は、「PIERRE FREY」及び「ピエール フレイ」の文字を二段に横書きしてなるところ、これを構成する「PIERRE」と「FREY」及び「ピエール」と「フレイ」の各文字は、それぞれ外観上まとまりよく一体的に表現されており、前後の文字間に軽重の差はなく、その読みを特定したものと認められる片仮名に相応した「ピエールフレイ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人あるいは申立人の業務に係る商品を紹介する文中の極く一部に、「FREY(Frey)」なる記載のあることは認められるとしても、他の殆ど全ての箇所においては、「PIERRE FREY(Pierre Frey)」、「ピエール フレイ」なる一連一体の記載をもって、申立人あるいは申立人の商品の紹介がなされている事実が認められる。

そうとすれば、申立人の使用に係る引用商標は、その構成態様からみても、使用の実情からみても、構成全体をもって一体不可分の構成からなる商標として認識し把握されるものとみるのが自然であり、これよりは「ピエールフレイ」の称呼のみを生ずるものであり、全体として、申立人が主張しているところのデザイナーである「ピエールフレイ」、あるいは、特定の意味合いを理解させることのない一種の造語とみるのが相当である。

してみれば、本件商標からは「フレイ」の称呼を生ずるものであり、引用商標からは「ピエールフレイ」の称呼のみを生ずるものと認められるから、本件商標と引用商標とは、称呼において明らかな差異があり、外観、観念においても紛れるおそれのない別異の商標といわなければならない。

(2)出所の混同のおそれについて

上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、申立人の提出に係る証拠によれば、「PIERRE FREY(ピエール フレイ)」の構成からなる引用商標が申立人の業務に係る商品「家具、クッション、ブランケット、テーブルクロス、バッグ」等の商品を表示する商標として使用されていた事実は認められるにしても、これが「FREY(フレイ)」とのみ略称されて使用され、上記商品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く知られていたものとは認められない。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

また、上記のとおり、本件商標と引用商標とは、別異の商標と理解されるものであるから、本件商標の登録・使用により、引用商標が希釈化され、毀損されるものとも認められない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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