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Trademark Appeal Case

公益標章の著名性と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900071(T2011−900071/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5371107号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5371107号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成22年8月3日に登録出願、第35類「葬儀業者のあっせん,仏壇・仏具販売業者のあっせん,墓石販売業者のあっせん,墓地提供者のあっせん,仏壇・仏具の販売に関する情報の提供,墓石の販売に関する情報の提供,葬祭用具の小売又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第45類「葬儀の執行,葬儀の生前企画,葬儀・法要の相談又は企画,葬儀の取次ぎ,インターネットによる葬儀の執行に関する情報の提供,インターネットによる葬儀の執行に関するコンサルティング,通夜・葬儀・納骨・法要の予約,通夜・葬儀・納骨・法要に関する契約の締結の媒介又は代理,通夜・葬儀・納骨・法要のための施設の提供,墓地又は納骨堂の提供,墓地又は納骨堂に関する情報の提供,墓地又は納骨堂の提供の契約の媒介,祭壇及び葬祭用具の貸与又はその契約の媒介,施設の警備,身辺の警備,身の上相談,衣服の貸与,装身具の貸与」を指定役務として、同年11月4日に登録査定、同月26日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

(1)本件商標について

本件商標は、枝葉をデザインしたとおぼしき図形と「区民葬儀相談センター」の文字よりなるが、図形部分と文字部分は常に一体に把握しなければならない格別の事情はない。また、「相談センター」は「区民葬儀」に付随的部分であるので、「区民葬儀」の部分が看者の注意を引く部分である。

(2)商標法第4条第1項第6号該当性について

東京都特別区では、一定の要件を満たす葬儀業者を指定してその業者において一定の価格(通常より低価格)において葬儀を受けることができる制度を設け、これを「区民葬儀」(以下標章についていうときは「引用標章」という。)と称している。この「区民葬儀」は、公益に関する事業であって営利を目的としないものに該当するものである。

そして、「区民葬儀」は、東京都と葬儀組合との協議で行われていた「都民葬儀」を引き継ぎ、東京都から東京都特別区に移管された昭和40年に誕生以来、今日まで行われているものであり、各区役所が窓口となって実施されている葬儀であることは東京都民において広く知られるものとなっており、「区民葬儀」の名称(以下「引用標章」という。)は、著名な標章ということができる。

とすると、本件商標は、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって、著名なものと認められる引用標章と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第6号に該当し、商標登録を受けることができないものである。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について

前記(2)のとおり、「区民葬儀」は、昭和40年以来、東京都特別区で各区役所が窓口として実施している葬儀であり、引用標章は本件商標の査定時はもちろん出願時において需要者に広く認識されていたものである。

とすると、本件指定役務の分野の需要者は「区民葬儀」の名称を有する本件商標が、本件指定役務について使用された場合には、東京都特別区の業務に係る役務と出所の混同を生じさせるおそれがある。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第6号及び同第15号に違反して登録されるものであるから、その指定役務中、第35類の全指定役務及び第45類「葬儀の執行,葬儀の生前企画,葬儀・法要の相談又は企画,葬儀の取次ぎ,インターネットによる葬儀の執行に関する情報の提供,インターネットによる葬儀の執行に関するコンサルティング,通夜・葬儀・納骨・法要の予約,通夜・葬儀・納骨・法要に関する契約の締結の媒介又は代理,通夜・葬儀・納骨・法要のための施設の提供,墓地又は納骨堂の提供,墓地又は納骨堂に関する情報の提供,墓地又は納骨堂の提供の契約の媒介,祭壇及び葬祭用具の貸与又はその契約の媒介」についての登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第6号該当性について

本件商標は、別掲のとおり、枝葉をデザインしたと思しき図形(以下「図形部分」という。)と「区民葬儀相談センター」の文字からなるものであるところ、例えば、区民(市民)のための各種相談について、「区(市)民法律相談」、「区(市)民税務相談」、「区(市)民相談」などのように一般に称されているものであるから、本件商標構成中の「区民葬儀相談センター」の文字部分は、「区民のための葬儀に関する相談センター」の意味合いを認識させるものであり、自他商品の識別力が弱いものといえるものである。

そうとすると、本件商標にあっては、図形部分が自他役務識別機能を発揮する部分というのが相当である。

してみれば、本件商標と「区民葬儀」からなる引用標章とは、明らかに相紛れるおそれはないものであり、両者が同一又は類似の商標ということはできない。

なお、本件商標の「区民葬儀相談センター」の文字部分と引用標章とを比較検討してみても、上記文字部分は、前記のとおり、「区民のための葬儀に関する相談センター」の意味合いを理解させる一体不可分のものとして認識されるものであるから、該文字部分より、「区民葬儀」の文字部分のみを抽出して認識すべき事情は認められない。

したがって、本件商標は、引用標章とは同一又は類似の商標ではないから、商標法第4条第1項第6号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

前記(1)のとおり、本件商標は、引用標章と非類似の商標であり、何ら、引用標章を想起するものとはいうことができないものである。

したがって、本件商標を本件指定役務について使用された場合に申立人の主張のように東京都特別区の業務に係る役務と出所の混同を生じさせるおそれがあるものとは認められない。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第6号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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