Trademark Appeal Case
著名商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900147(T2011−900147/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5386416号商標(以下「本件商標」という。)は、「TweetPatrol」の欧文字と「ツィートパトロール」の片仮名を二段に横書きした構成よりなり、平成22年9月2日に登録出願され、第35類「市場調査,マーケティング,マーケティングの為の市場実態調査,コンピュータデータベースへの情報構築,コンピュータデータベースへの情報編集,企業のリスクマネジメントに関する情報の提供」を指定役務として、同年12月14日に登録査定され、平成23年1月28日に設定登録がされたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用登録商標
ア 登録第5188811号商標(以下「引用登録商標1」という。)
商標 「TWITTER」(標準文字)
指定役務 第38類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
出願日 平成19年10月26日
優先権主張 アメリカ合衆国 2007年4月26日商標登録出願
登録日 平成20年12月12日
イ 登録第5327291号商標(以下「引用登録商標2」という。)
商標 「TWEET」(標準文字)
指定役務 第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
出願日 平成21年6月11日
優先権主張 アメリカ合衆国 2009年4月16日商標登録出願
登録日 平成22年6月4日
ウ 登録第5332541号商標(以下「引用登録商標3」という。)
商標 「ツイート」(標準文字)
指定役務 第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
出願日 平成21年7月16日
登録日 平成22年6月25日
エ 登録第5278420号商標(以下「引用登録商標4」という。)
商標 「ついったー」(標準文字)
指定役務 第38類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
出願日 平成21年6月9日
登録日 平成21年11月6日
(2)商標法第4条第1項第15号に該当することについて
本件商標は、引用登録商標2及び3の著名な商標を含むものであり、本件商標に係る第35類の役務は、引用登録商標1ないし4に係る第38類、第41類、第42類、第45類の役務と密接な関連性を有する類似するものである。
また、引用登録商標1「TWITTER」は、ミニブログ、コミュニティサイトの提供、SNSといった登録異議申立人(以下「申立人」という。)を表象するものとして日本国内で広く知られており、引用登録商標2ないし4の各登録商標「TWEET」、「ツイート」、「ついったー」も、上記「TWITTER」と極めて密接に関連する申立人の業務を表象するものとして広く知られている。
よって、本件商標がその指定役務に使用された場合、申立人の提供する役務と出所の混同を生じるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録を受けたものである。
3 当審の判断
(1)申立人の使用する商標(引用商標)の著名性について
申立人の提出する甲第6号証ないし甲第24号証によれば、以下の事実が認められる。
ア 申立人(Twitter,Inc.)は、米国カリフォルニア州に本拠を置く会社であり、平成18年(2006年)3月からインターネット上でリアルタイム・ショートメッセージサービス(以下「本件役務」という。)をウェブサイト「Twitter」(ついったー、ツイッター)(以下「Twitter」を「引用商標1」といい、「ついったー」を「引用商標2」という。)を介して提供している会社である(甲6)。申立人の「Twitter」は、ブログと電子メールの中間的な位置づけのコミュニケーションツールであり、140字以内の短文のみに対応する点を特徴とするものである(甲7、甲9)。
「Twitter」は、2009年ころから我が国においても利用者が増え、富士通総研により2010年1月18〜20日に行われたアンケート調査では、「Twitter」の認知は70.2%であり、利用者の率は8.2%である(甲9)。なお、2012年12月度の述べ利用人数は、1290万人である(ニールセン調査 甲8の2)。
また、「Twitter」は、雑誌や、新聞、TV等で頻繁に取り上げられた(甲9ないし甲23)。
イ また、「Twitter」は、企業情報を発信するために利用され(甲11、甲17ほか)、マーケティング支援に利用されている(甲9、甲18)。
ウ 「Twitter」は、前記のとおり、140字以内の短文を投稿することができるものであるが、「Twitter」への投稿を行うこと、あるいはその内容は「Tweet」、「ツイート」、(以下「Tweet」を「引用商標3」といい、「ツイート」を「引用商標4」という。また、引用商標1ないし4をまとめていうときは「引用各商標」という。)「つぶやき」と呼ばれ(甲10(41ページほか))、投稿することについて「つぶやくように気軽に情報発信」(甲9)、「つぶやくといい」(甲10(45ページ))、「気軽につぶやいてみてほしい」(同)、「つぶやくと・・」(甲11)、「つぶやけば・・・」(甲12)などのように表現されている。
また、「Twitter」のウェブサイト上には、リンクを含む「ツイート」について、リンク共有を簡単にする機能として「ツイート」ボタンが表示されている(甲24)。
エ 以上によれば、引用商標1及び2は、申立人の業務に係る本件役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めることができる。
しかしながら、引用商標3及び4は、本件役務において、本件役務への投稿、若しくは投稿することを表す、一種の機能的動作等を表す語として使用されているものであり、また、その動作を示す場合に「つぶやく」のように使用されることがあることからすると、引用商標3及び4が、本件商標の出願時において、申立人の業務に係る本件役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。
(2)本件商標と引用各商標の類似性について
ア 本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「TweetPatrol」の欧文字と「ツィートパトロール」の片仮名を二段に書してなるものであるところ、その構成中の「Tweet(ツイート)」は、「(小鳥が)チッチッと鳴く.さえずり(声).」(株式会社研究社発行 新英和中辞典第6版)を意味するものであり、「Patrol(パトロール)」は、「巡視(する).パトロール(する).」(同)を意味するものであるが、指定役務との関係において両文字が出所識別標識としての機能に差異があるとはいえないものである。そして、本件商標は、上段及び下段の各文字が同じ大きさ、同じ書体でまとまりよく一体的に表してなるものであり、上記各文字より生ずる「ツイートパトロール」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
したがって、本件商標は、各段のそれぞれの文字全体が一体のものとして把握されると理解するのが自然であり、「ツイートパトロール」の一連の称呼のみを生じ、格別の観念を生じないものと認められる。
イ 引用商標1及び2について
引用商標1及び2は、「Twitter」または「ついったー」の文字からなるものであり、いずれの商標からもその構成より「ツイッター」の称呼を生じ、格別の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標1及び2との対比
本件商標と引用商標1(Twitter)及び引用商標2(ついったー)とは、その構成文字を明らかに異にするものであるから、外観において類似しない。
また、称呼については、本件商標より生ずる「ツイートパトロール」の称呼と引用商標1及び2よりそれぞれ生ずる「ツイッター」の称呼とは、その音数、音構成を明らかに異にするものであるから、本件商標と、引用商標1及び2とは、称呼において類似しない。
さらに、本件商標は、格別の観念を生じないから、引用商標1及び2とは、観念において類似しない。
したがって、本件商標は、引用商標1及び2とは、いずれもその外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似していないものと認められる。
エ 引用商標3及び4について
引用商標3及び4は、「Tweet」または「ツイート」の文字からなるものであり、いずれの商標からもその構成より、「ツイート」の称呼を生じ、格別の観念を生じないものである。
オ 本件商標と引用商標3及び4の対比
本件商標は、上記のとおり、「Tweet」、「ツイート」と「Patrol」、「パトロール」からなるものと理解されるものであり、その構成中に引用商標3及び4を構成する「Tweet」または「ツイート」の文字を含んでなることは明らかであるが、本件商標は、その各段文字がそれぞれ「Patrol」、「パトロール」の文字を有してなる点において、差異を有するものであり、本件商標と、引用商標3及び4とは、外観において類似しない。
また、称呼について、本件商標より生ずる「ツイートパトロール」の称呼と引用商標3及び4よりそれぞれ生ずる「ツイート」の称呼とは、「パトロール」の音の有無により相紛れるおそれはないから、本件商標と、引用商標3及び4とは、称呼において類似しない。
さらに、本件商標は、格別の観念を生じないから、引用商標3及び4とは、観念において類似しない。
したがって、本件商標は、引用商標3及び4とは、いずれもその外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似していないものと認められる。
(3)混同を生じるおそれの有無について
ア 引用商標1及び2は、前記認定したとおり、本件商標とは類似しない、別異の商標であり、引用商標1及び2が本件商標の出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る本件役務を表示するものとして需要者の間に広く認識され、また、本件役務がマーケティング等にも利用されるものであるなど、本件商標の指定役務が本件役務と関連性がないとはいえないとしても、商標権者が本件商標をその指定役務に使用した場合に、これに接する需要者をして、申立人又は引用商標1及び2を想起するものとは認められず、当該役務を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
イ 引用商標3及び4が本件商標の出願時において、申立人の業務に係る本件役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認めることはできず、また、前記認定したとおり,本件商標と引用商標3及び4とは、類似していないものである。
そうとすると、本件役務がマーケティング等にも利用されるものであるなど、本件商標の指定役務が本件役務と関連性がないとはいえないとしても、商標権者が本件商標をその指定役務に使用した場合に、これに接する需要者をして、申立人又は引用商標3及び4を想起させるものとは認められず、当該役務を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
ウ 以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある商標とはいえないから、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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