Trademark Appeal Case
要部埋没と商標類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900159(T2011−900159/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5388407号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成22年10月1日に登録出願、第16類及び第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年12月16日に登録査定され、同23年2月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第26号証を提出した。
(1)申立人が引用する商標
申立人が引用する商標は別掲2のとおりであり(以下、全てをまとめて「引用商標」という。)、既に抹消登録されている登録2293485号商標及び出願中の商願2007−65709商標を除き、それらの商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)具体的な理由
ア 商標法第4条第1項第11号
本件商標は、6個の花弁を有する桜花びら図形内の中央部に、同じ大きさの菱形図形3個を等間隔に放射線状に組み合わせた図形を大きく配置した構成からなるものである。
一方、引用商標は、同じ大きさの菱形図形3個を等間隔に放射線状に組み合わせた図形(以下「スリーダイヤ図形」という。)を黒色又は赤色に着色したものである。
したがって、本件商標は、引用商標と同一形状の3個の菱形図形の組み合わせからなる「スリーダイヤ図形」を独立して認識可能な状態でそっくりそのまま包含してなるものであるから、本件商標と引用商標は、看者の印象に強く残るスリーダイヤ図形を共通にする外観上類似の商標である。
また、本件商標の指定商品・役務は、引用商標の指定商品・役務と同一又は類似するものである。
イ 商標法第4条第1項第15号
引用商標を構成する「スリーダイヤ図形」は、本件商標の出願日より遥か以前から我が国において広く認識され、著名なものとなっている。
したがって、引用商標を構成する「スリーダイヤ図形」とその外枠形状を同一にするスリーダイヤ図形をそっくりそのまま包含する本件商標をその指定商品・役務について使用した場合には、これに接する取引者、需要者の間で、あたかも申立人又は申立人と組織的或いは経済的に何らかの関係ある者の業務に係る商品・役務であるかのごとく、その商品・役務の出所について混同を生じるおそれがある。
ハ むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。
3 当審の判断
別掲2の引用商標中商願2007−65709商標は本件商標の登録出願の日前の登録出願に係る未登録の商標であるから、本件異議申立の理由は、当該商標との関係において商標法第8条第1項の規定に違反するものと解せるが、ここでは他の引用商標にあわせて商標法第4条第1項第11号に含めて判断することとする。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、別掲1のとおり、6枚の花弁を有する桜花びら図形内の中央部に、同じ大きさの菱形図形3個と先太の太線3本を等間隔に交互に放射線状に組み合わせた図形を配置した構成からなるものであり、全体として、花の種類は特定できないものの、一輪の花を表したものと認識されるとみるのが自然である。そして、本件商標は、その構成態様からすれば、特定の称呼及び観念を生じないものと判断するのが相当である。
イ 他方、引用商標は、別掲2のとおり、同じ大きさの菱形図形3個を等間隔に放射線状に組み合わせた図形(スリーダイヤ図形)からなり、申立人及び三菱系列企業の社標(ハウスマーク)として、本件商標の登録出願の日前から我が国において著名な商標であって、「スリーダイヤ」の称呼及び「三菱系列企業のマーク」の観念を生じるものである。
ウ そこで、本件商標と引用商標を比較すると、両者の構成はそれぞれ上記ア及びイのとおりであるから、両者は外観上明らかに相違するものである。また、本件商標は称呼及び観念を生じないものであるから、両者は称呼及び観念においても相紛れるおそれのないものである。
なお、申立人は、本件商標はその構成中「スリーダイヤ図形」部分が要部である旨主張しているが、本件商標は全体がまとまりよく構成され、一輪の花を表したものと認識されるとみるのが自然であるから、引用商標の著名性を考慮したとしても、該「スリーダイヤ図形」部分は本件商標の構成全体に埋没し、取引者、需要者に対し商品出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとは認めることはできない。よって、申立人の主張は採用できない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものであり、かつ、他に両者が類似するというべき理由は見いだせないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標が申立人及び三菱系列企業の社標(ハウスマーク)として、本件商標の登録出願の日前から我が国において著名な商標であるとしても、本件商標と引用商標とは上記(1)ウのとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品及び役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するということはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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