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Trademark Appeal Case

MU文字と図形の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900374(T2010−900374/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5357547号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5357547号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、2009年12月10日大韓民国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成22年1月8日に登録出願、第18類、第25類、第26類及び第28類に属する別記1の商品を指定商品として、同年8月25日に登録査定され、同年10月1日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(10)のとおりであり、現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4132439号商標(以下「引用商標1」という。)は、「エム・ユー・スポーツ」の文字を書してなり、平成8年11月20日に登録出願、第18類に属する別記2の商品を指定商品として、同10年4月3日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(2)登録第4132440号商標(以下「引用商標2」という。)は、「エム・ユー・スポーツ」の文字を書してなり、平成8年11月20日に登録出願、第25類に属する別記2の商品を指定商品として、同10年4月3日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(3)登録第4231222号商標(以下「引用商標3」という。)は、「エム・ユー・スポーツ」の文字を書してなり、平成8年11月20日に登録出願、第28類に属する別記2の商品を指定商品として、同11年1月14日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(4)登録第5188139号商標(以下「引用商標4」という。)は、「M・U SPORTS」の文字を書してなり、平成19年6月15日に登録出願、第35類に属する別記2の役務を指定役務として、同20年12月12日に設定登録されたものである。

(5)登録第4158817号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成9年1月29日に登録出願、第18類に属する別記2の商品を指定商品として、同10年6月19日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(6)登録第4302813号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成9年2月21日に登録出願、第25類に属する別記2の商品を指定商品として、同11年8月6日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(7)登録第4191878号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成9年1月29日に登録出願、第28類に属する別記2の商品を指定商品として、同10年9月25日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(8)登録第4695102号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲4のとおりの構成よりなり、平成14年10月22日に登録出願、第18類、第25類及び第28類に属する別記2の商品を指定商品として、同15年7月25日に設定登録されたものである。

(9)登録第4695132号商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲5のとおりの構成よりなり、平成14年10月31日に登録出願、第18類、第25類及び第28類に属する別記2の商品を指定商品として、同15年7月25日に設定登録されたものである。

(10)登録第5090252号商標(以下「引用商標10」という。)は、「エム・ユー・バーディー」の文字と「M・U BIRDIE」の文字とを上下二段に横書きしてなり、平成19年4月9日に登録出願、第18類、第25類及び第28類に属する別記2の商品を指定商品として、同年11月9日に設定登録されたものである。

なお、申立人が、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は、引用商標1ないし引用商標9であり、商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する登録商標は、引用商標1ないし引用商標4及び引用商標10であり、商標法第4条第1項第19号に該当するとして引用する登録商標は、引用商標1ないし引用商標4である。

3 異議申立ての理由(要点)

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、デザイン化した欧文字2字と図形を組み合わせてなる商標である。本件商標中デザイン化した文字は、欧文字2字を結合した態様であるものの、当該2字が「M」と「U」であることは外観上明白である。また、ゴルフボールの図形が「U」の文字に取り込まれるように位置し、当該ゴルフボールの図形の周囲に沿って「G」様の文字が表れている。この「G」様の文字は、「MU」の文字と書体・大きさが明らかに異なり、「MU」とは独立した印象を受けることから、これを常に「MU」と一体のものとしてみなければならない理由はない。

そうすると、本件商標からは、「エムユージー」の全体称呼のほかに、本件商標中「MU」部分から「エムユー」のみの称呼を生じるとみるべきである。

引用商標1ないし3は片仮名で「エム・ユー・スポーツ」、引用商標4は欧文字で「M・U SPORTS」と横書きしてなり、引用商標5ないし7は欧文字「MU」の間に欧文字「SPORTS」及び犬の図形を配してなり、引用商標8及び9は欧文字「M・U SPORTS」を一部に含んでなる。これらの商標中「スポーツ」「SPORTS」の語は「スポーツ用」商品についてはその内容を表すにすぎず識別力に乏しいため、各商標の要部は「エム・ユー」「M・U」「MU」部分となり、これらの商標からは全体称呼「エムユースポーツ」のほかに、「エムユー」のみの称呼が発生する。

本件商標からも、上記のとおり「エムユー」のみの称呼を生じるため、本件商標と引用商標1ないし9とは称呼が同一であり全体として類似する。

また、本件商標は、引用商標1ないし3、同5ないし9の指定商品中、第18類「かばん類、袋物」等、第25類「被服、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」等、第28類「運動用具」と同一又は類似の商品を指定商品としており、引用商標4の指定役務についても、各区分においてこれと類似の商品を指定商品としている。

以上より、本件商標は、引用商標1ないし9と類似するものであり、かつ、その指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人である株式会社ツー・アンド・ワンは、東京都中央区日本橋に本社を置き、全国に11店舗の直営店を有するほか、その商品は510店舗の専門店及び22店舗の有名百貨店でも販売されている。主にゴルフ用品、ゴルフウェア、ゴルフシューズ等ゴルフ関連商品を販売し、2009年度の総売り上げは、約20億円に達する(甲12)。特に、比較的高級品に特化しており、富裕層の顧客が多いほか、高級品として業界内で知られた存在になっている。

引用商標1ないし4の構成要素である「エム・ユー・スポーツ」「M・U SPORTS」の文字は、申立人のハウスマークに位置づけられており、また引用商標10を構成する「エム・ユー・バーディー」「M・U BIRDIE」もこれに次いで重要なものとなっている(以下、合わせて「申立人商標」という)。これらの商標は、いずれも同社の商品力タログ(甲13ないし甲17)やオンラインショップ(甲18)、雑誌(甲19ないし甲22)、新聞記事(甲23ないし甲30)及びインタネット記事(甲31)に多数掲載されており、本件商標の登録出願時にはゴルフ用品業界において広く知られた商標となっていたところ、その周知性は登録査定時ひいては現在においても増す一方である。

なお、上記商品カタログは、上記直営店舗や専門店等の店頭に置くほか、各お客様にダイレクトメールで送付しており、また、シーズン毎に同社ホームページから誰でも人手できるようになっていた。従って、ゴルフ愛好者を中心に大量の部数が配布されており、上記申立人商標の露出度を著しく高める大きな要因となっている。また、上記雑誌はいずれも全国で販売又は配布されており、4誌合わせると20代〜60代以上の幅広い世代が申立人の上記各商標を目にしているといえる(甲19ないし甲22)。

上記のとおり、本件商標の登録出願時及び査定時には、申立人商標は特にゴルフ用品業界において周知になっていることから、これらの商標と「MU」の文字を共通にする本件商標をその指定商品に使用する場合には、あたかも申立人が扱う商品であるかの如き錯覚を需要者等に与え、商品の出所混同を引き起こすことは免れ得ないものといえる。本件商標中にはゴルフボールの図形も描かれており、指定商品の記載をみてもゴルフ関連商品に使用することは明らかであるから、殊にゴルフ関連商品について出所混同を生ずるおそれが極めて高いことは想像に難くない。

以上より、本件商標は、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生じるおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

(3)商標法第4条第1項第19号について

申立人は、「エム・ユー・スポーツ」「M・U SPORTS」商標(甲2ないし甲5)のほかに、デザイン化した「W」の図形についても、登録し(甲33)、専用使用権の設定を受けて(甲34、甲35)、ハウスマークとして使用し、また、通常使用権の許諾を受けた上でこれらの商標と共に犬に関する商標(甲36ないし甲38)についても使用しており、その結果これらいずれの商標についても、本件商標の出願時から登録査定時、そして現在に至るまで、周知性を獲得している(甲13ないし甲21、甲24及び甲25)。本件商標権者は、左に挙げた商標に類似する商標を複数出願しており(甲39ないし甲45)、このことから申立人の著名性に便乗しようとする意図が明白であるが、本件商標の登録出願についても、申立人商標「エム・ユー・スポーツ」「M・U SPORTS」に類似する商標に係るものであり、これらと同様に申立人商標の著名性に便乗し不正の利益を得ようとする目的が明らかである。

以上より、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして著名な商標と類似するものであって、不正の目的をもって使用するものである。

したがって、本件商標の指定商品のうち引用商標1ないし4と非類似の商品については、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。

(4)まとめ

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録された商標であるから、商標法第43条の2第1号の規定によりその登録は取り消されるべきものである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲1のとおり、二つの先の尖ったの山形状の頂点を有する「M」字状の太線の右裾部分が丸みをもって折り返し、その末端となる頂点は、他の二つの頂点と同様に先の尖った形状となっている。そして、その丸みをもって折り返した太線の内側には、「G」字状の細線とゴルフボール状の小さい球を結合した図形を有しているものであって、特異な態様の図形と看取されるものである。

そうすると、かかる構成よりなる本件商標にあっては、特定の称呼及び観念は、生じないものである。

他方、引用商標1ないし3は、上記2のとおり、「エム・ユー・スポーツ」の文字よりなるところ、中間部分の2カ所に中点「・」を有しているとしても、構成文字は、全て同じ大きさ、同じ書体、等間隔に外観上まとまりよく一体に表されており、これより生ずるものと認められる「エムユースポーツ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そうすると、引用商標1ないし3は、その構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識し把握されるとみるのが自然であるから、これよりは、「エムユースポーツ」の称呼のみ生じ、特定の観念は生じないものである。

引用商標4は、上記2のとおり、「M・U SPORTS」の文字よりなるところ、語頭の文字と第2番目の文字の間に中点「・」を有し、2番目の文字と3番目の文字との間に半角程度の間隔を有しているとしても、構成文字は、全て同じ大きさ、同じ書体、等間隔に外観上まとまりよく一体に表されており、これより生ずるものと認められる「エムユースポーツ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そうすると、引用商標4は、その構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識し把握されるとみるのが自然であるから、これよりは、「エムユースポーツ」の称呼のみ生じ、特定の観念は生じないものである。

引用商標5ないし7は、別掲2及び別掲3のとおり、太線で上部に「M」、下部に「U」とも見て取れる線図形と「SPORTS」の文字及びサングラスをした大きな耳を広げている動物の図形を結合してなるものである。

しかして、その構成態様にあって、太線の「M」字状部分と「U」字状部分は、欧文字の「MU」を一体的に描いているように認識し、把握されるものである。

そうすると、引用商標5ないし7よりは、「MU」及び「SPORTS」の文字部分に相応して「エムユースポーツ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

引用商標8及び9は、別掲4及び別掲5のとおり、特異な図形部分と「M・U SPORTS」の欧文字からなる結合商標である。

そうすると、「M・U SPORTS」の文字部分は、上記した引用商標4と同様であって、その構成文字に相応して「エムユースポーツ」の称呼のみが生じ、特定の観念は生じないものである。

そこで、本件商標と引用商標1ないし9とを比較するに、外観において、両者は、明らかに相違するものであって、外観上相紛れるおそれはない。

称呼及び観念においては、本件商標から特定の称呼及び観念を生じないものであるから、本件商標と引用商標1ないし9とは、称呼及び観念について比較することはできないものであって、称呼及び観念上相紛れるおそれはない。

してみれば、本件商標と引用商標1ないし9とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても十分に区別することができる全く別異の商標というべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、同人の業務に係るゴルフ用品、ゴルフウェア、ゴルフシューズ等ゴルフ関連商品を表示する商標として、引用商標1ないし4及び引用商標10が本件商標の登録出願時及び登録査定時にはゴルフ用品業界において広く知られた商標となっていた旨主張しているが、提出された甲各号証において実際に使用されている商標は、主として、「M・U SPORTS」の欧文字からなる引用商標4であって、本件商標の登録出願前から、該「M・U SPORTS」の文字がゴルフ用品、ゴルフウェアズ等について使用されていた事実は認められるとしても、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標1ないし4及び引用商標10が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者、需要者の間に広く認識されていたものとまでは認められない。

しかも、本件商標と引用商標1ないし3及び使用の認められる引用商標4とは、十分に区別し得る全く別異の商標というべきものである。

また、引用商標10にしても、その構成文字は、「エム・ユー・バーディー」の文字と「M・U BIRDIE」の文字であるから、本件商標と比較しても、外観において、両者は、明らかに相違するものであって、称呼及び観念においては、本件商標から特定の称呼及び観念を生じないものであるから、比較することはできない。

してみれば、本件商標と引用商標10は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても十分に区別し得る全く別異の商標である。

そうすると、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用商標1ないし4及び引用商標10を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとはいえない。

(3)商標法第4条第1項第19号について

上記(1)及び(2)のとおり、本件商標は、引用商標1ないし4とは十分に区別し得る全く別異の商標というべきものであり、また、当該引用商標は、その周知性が認められないことから、本件商標が引用商標1ないし4の著名性に便乗し、又は、不正の利益を得ようとするなど、不正の目的をもって使用をするために出願したものということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものとはいえない。

(4)むすび

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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