Trademark Appeal Case
著名商標と結合商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900089(T2011−900089/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5374397号商標(以下「本件商標」という。)は、「バービーカール」の文字を書してなり、平成21年1月21日に登録出願、第3類「まつげ用カーリングロッドを用いて根元から立ち上げるまつげパーマを施したつけまつ毛,まつげ用カーリングロッドを用いて施す根元から立ち上げるまつげパーマ用化粧品」を指定商品として、平成22年11月2日に登録査定、同年12月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりである。
ア 第1945539号商標
商標の構成 別掲(1)に示す構成のとおり
登録出願日 昭和58年10月8日
登録日 昭和62年4月30日
指定商品(平成21年1月14日指定商品の書換登録後)
第18類及び第26類に属する商標登録原簿に記載の商品
イ 第2001294号商標
商標の構成 「Barbie」
登録出願日 昭和59年9月28日
登録日 昭和62年11月20日
指定商品(平成21年4月1日指定商品の書換登録後)
第21類に属する商標登録原簿に記載の商品
ウ 第2582946号商標
商標の構成 「BARBIE」
登録出願日 平成2年10月24日
登録日 平成5年9月30日
指定商品(平成16年12月8日指定商品の書換登録後)
第3類、第8類、第14類、第18類、第21類及び第26類に属する商標登録原簿に記載の商品
エ 第4160106号商標
商標の構成 「BARBIE」
登録出願日 平成5年11月26日
登録日 平成10年6月26日
指定商品 第3類に属する商標登録原簿に記載の商品
オ 第4507680号商標
商標の構成 「Barbie」
登録出願日 平成8年7月23日
登録日 平成13年9月21日
指定商品 第3類に属する商標登録原簿に記載の商品
なお、上記5件を併せて、以下「引用各商標」という。
(2)理由の要点
本件商標は、下記アないしウの理由により、その登録を取り消されるべきものである。
ア 商標法第4条第1項第11号該当
本件商標の出願日における引用各商標の周知・著名性を考慮すれば、本件商標の構成要素「バービー」に相応して、本件商標と共通の「バービー」との称呼、及び単なるドールという存在を超えて、憧れのファッションブランド、ライフスタイルブランド「Barbie(バービー)」との観念が生じるものである。また、本件商標の指定商品は、申立人の引用各商標の指定商品の一部と同一又は類似する。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第15号該当
申立人は、世界最大規模の玩具メーカーであるが、申立人の「Barbie(バービー)」人形は、2009年の純売上高が54億ドル以上であって、前記記載のとおり、本件商標の出願日以前に、「Barbie(バービー)」(以下「引用商標」という。)は、申立人の製造、販売する人形についてのファッションドールブランドとしてだけでなく、衣服、化粧品等様々の商品の出所表示(ファッションアイコン)として、周知、著名なものとなっていたものである。そのため、本件商標が指定商品について使用された場合、本件商標に接する需要者、取引者は、当該商品が恰も申立人の提供に係る商品であるか、あるいは、申立人と組織的・経済的に何らかの関係にあるものの業務であるかの如く誤認し、商品の出所について混同するおそれがある。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
ウ 商標法第4条第1項第19号該当
引用商標は、ファッションドールを表示するものとして、世界的に極めて高い信用を形成され、認識されていることは明らかである。また、「バービー」は、一種の造語として理解されるものであり、日常的に使用されているような成語に比べて、その独創性は高いものである。そのため、出願商標の採択の範囲は広いに関わらず、偶然に、他人の周知・著名商標を結合した商標を採択したとは考えられない。本件商標は、需要者の間に広く認識されている商標と類似ものであって、被申立人により不正の目的をもって登録されたものである。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「バービーカール」の文字からなるものであるところ、その構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって一体的にまとまり良く構成されているものである。
しかして、かかる構成態様の本件商標にあって、構成中「バービー」の部分のみに限定して殊更強く印象を留め、かかる部分に相応した称呼や観念をもって取引に資されるとすべき格別の理由はみいだせないから、本件商標は、不可分一体に表された一連の造語として看取されるとみるのが相当である。そして、その構成文字全体に相応した「バービーカール」の称呼も格別冗長でなく一気に称呼し得るものである。
したがって、本件商標は、「バービーカール」の称呼のみを生じるものであり、単に「バービー」の称呼を生じるものとは認められない。
他方、引用各商標は、いずれも、その構成文字に相応して「バービー」の称呼を生じるものであり、「バービー人形」の観念を生じるものというのが相当である。
しかして、本件商標の称呼「バービーカール」と引用各商標の称呼「バービー」を対比すると、両者は構成音数が明らかに相違する上、後半で「カ」「ー」「ル」の音の有無の顕著な差異を有するものであるから、これらをそれぞれ一連に称呼しても相紛れるおそれは認められない。
また、本件商標と引用各商標の外観構成は明らかに異なり、外観上相紛れるおそれはなく、さらに、本件商標と引用各商標とは、観念については比較することができないから、観念上相紛れるおそれはないものである。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用各商標に類似する商標であると判断することはできない。
したがって、本件商標は、引用各商標をもって、商標法第4条1項第11号に該当するものとは認められない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標が引用各商標に類似する商標と認められないことは、前記(1)
のとおりである。
そして、申立人提出の証拠によれば、申立人は、引用各商標と同一構成からなる引用商標を商品「ドール(人形)」に使用し、引用商標は、上記商品の商標としてその需要者間に広く認識されるに至っているものであることが認められ、また、ドール以外の商品(衣服や化粧品等)にも第三者による商品化の許諾を含め、引用商標が使用されていることを窺い知ることができる。
しかしながら、全証拠によってみても、引用商標が本件商標の出願時において既に、衣服、化粧品等の商品の出所表示として、需要者の間に広く認識されるに至っていたものであるとまで認めるに充分とはいえない。
また、引用商標を使用している「ドール」と、本件商標の指定商品に係る「化粧品」とは、その製造者、販売者、用途等が明らかに相違するものであるから、その商品間の関連性はそれほど高いものとはいうことができない。
してみれば、申立人が引用商標を化粧品等使用している事実が見受けられるとしても、本件商標の構成中に「バービー」の文字部分が含まれていることをもって直ちに、本件商標が引用商標と関連付けられるとは言い難く、結局、本件商標と引用商標とは別異の出所を表示する商標として看取されるものというのが相当である。
しかして、本件商標をその出願時及び査定時に指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは認め難く、商品の出所について混同するおそれがあったと判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとは認められない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、前記(1)と同様に引用商標に類似する商標とは認められないから、本号に係る他の要件(不正の目的の有無等)に論及するまでもなく、商標法第4条第1項第19号に該当するものとはいえない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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