Trademark Appeal Case
ChampとChampionの観念類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900098(T2011−900098/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5375436号商標(以下「本件商標」という。)は,「Champ」の欧文字を標準文字で表してなり,平成21年11月19日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」を指定商品又は指定役務として,同22年11月11日に登録査定され,同年12月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,その理由を以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし同第11号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第3条第1項柱書について
本件商標の商標権者は,会社目的には,「紳士服の縫製加工の下請及び販売並びに輸出入」なる記載はあるものの,実際の業務は,「不動産賃貸管理」であり,本件商標の指定商品である第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」に関する業務を行っていない。
したがって,本件商標は,商標法第3条柱書きの要件を具備しないものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,別掲1のとおりの構成及び指定商品とする登録第482726号商標(以下「引用商標」という。)と「(競技者の)優勝者」の観念を同一にする類似の商標であって,その指定商品も同一又は類似の商品に使用するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
商標権者は,申立人が所有する登録第4057070号商標(別掲2)及び申立人の標章として広く認識されている「Champion」の文字を模倣したものをベンチコートやTシャツに使用して販売し,また,申立人が所有する「IT TAKES A LITTLE MORE TO MAKE A CHAMPION」の文字からなる登録第3295061号商標を申立人の許可なくTシャツに使用し販売し,商標権を侵害した経緯がある。
このように,過去に申立人が所有する前記商標権を侵害し,前記侵害を正当化させるために登録する本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項柱書の要件を具備せず,同法第4条第1項第11号及び同第19号に該当するものであるから,その指定商品又は指定役務中,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」についての登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項柱書きについて
申立人は,「商標権者のウェブサイトにおける会社概要に記載された業務が『不動産賃貸管理』であること(甲3)を理由に,本件商標が商標法第3条柱書きの要件を具備しない」旨主張するが,商標法第3条第1項柱書にいう「自己の業務に係る商品又は役務について使用する」とは,現に行っている業務に係る商品又は役務について,現に使用している場合に限らず,将来行う意思がある業務に係る商品又は役務について将来使用する意思を有する場合も含むと解されることから,仮に,商標権者が,現在本件商標の指定商品に係る業務を行っていないとしても,当該業務を将来行う意思があれば足るといえる。
そして,商標権者の登記事項証明書の目的欄に「1.紳士服の縫製加工の下請及び販売並びに輸出入,2.衣料用繊維製品の製造販売及び輸出入」(甲2)との記載があることからも,商標権者が本件商標を将来使用する意思があることを否定することはできない。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものではない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,前記1のとおり,「Champ」の文字からなるところ,
これは,「優勝者」の意味を有する英語の「Champion」の略語としてある程度知られているものであるから,本件商標からは,「優勝者」の観念を生じ,「チャンプ」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。
他方,引用商標は,別掲1のとおり,縦型長方形内に,「ンオピムヤチ」,「VICT.yBOXop」及び「CHAMPION」の各文字と,選手と思しき人物,月桂樹の葉の図などを配した図形からなるものであるから,その構成中の文字部分に相応し,「チャンピオン」及び「ビクティボックスオーピー」の称呼を生じ,「優勝者」の観念を生ずるものみるのが自然である。
そうすると,本件商標と引用商標は,「優勝者」の観念を共通にするものといえる。
次に,本件商標と引用商標の外観を比較すると,本件商標が片仮名のみからなるのに対し,引用商標は,前記のとおり,縦型長方形内に「ンオピムヤチ」,「VICT.yBOXop」及び「CHAMPION」の各文字と,選手と思しき人物,月桂樹の葉の図などを配した図形からなるものであるから,両商標は,外観上著しく異なるものである。
また,本件商標から生ずる「チャンプ」の称呼と,引用商標から生ずる「チャンピオン」及び「ビクティボックスオーピー」の称呼を比較すると,「チャンプ」と「チャンピオン」とは,「チャン」のみを共通し,その余の「プ」と「ピオン」を異にするものであるから,それぞれの構成音数の差,相違する各音の音質の差,音構成の差などにより明らかに聴別し得るものであり,「チャンプ」と「ビクティボックスオーピー」とは,全く共通にするところのない別異のものである。
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,「優勝者」との観念を共通するものではあるが,その観念の共通性が前記の称呼及び外観における著しい相違をしのぐものとはいえないから,本件商標は,引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
申立人は,「商標権者には,申立人が所有する登録第4057070号商標(別掲2)及び『IT TAKES A LITTLE MORE TO MAKE A CHAMPION』の文字からなる登録第3295061号商標の商標権並びに,申立人の標章として広く認識されている『Champion』の標章を侵害した経緯があり,本件商標はその侵害を正当化させるために登録したものであるとして,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する」旨主張する。
しかしながら,商標法第4条第1項第19号にいう「他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と類似する商標であって,不正の目的をもって使用するもの」とは,登録又は出願された商標自体が当該条項に該当するか否かを問うものであるから,本件商標と異なる商標における商標の類否や不正行為の事実をもって,本件商標が直ちに不正の目的をもって使用するものということはできない。また,申立人は,本件商標が不正の目的をもって使用するものであるとする客観的事実を立証する証拠を提出していない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,登録異議申立てに係る指定商品第25類の「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」について,商標法第3条第1項柱書き,同法第4条第1項第11号及び同第19号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
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